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世の中には一般庶民の想像を遥かに超えるスケールの大金持ちがいます。
かつてアメリカには「地球上の富の半分を持つ男」または「資本主義の権化」と揶揄されたハワード・ヒューズという大富豪がいました。彼は世界でもっとも波乱万丈な人生を送った男だったのです。
ヒューズは1905年に富豪の家庭に生まれました。ハーバード大学ロー・スクール中退の弁護士・実業家ハワード・ヒューズ・シニアと名家のエイリーンとの間の一人息子として育ちます。
彼は14歳の時に3つの世界一になることを宣言します。1つは資産家、2つ目はパイロット、そして3つ目は映画作家です。
両親が夭折したため、18歳で莫大な事業と資産を引き継ぎ、世界で最も金持ちの1人になるのです。学校生活に馴染めなかったヒューズは高校と大学を転々として、最終的には卒業できませんでした。
ヒューズは高等教育をほとんど受けていませんでしたが、子どもの頃から天才的な機械オタクだったのです。彼は独学で並外れた工学と化学などの知識を得ました。
14歳で飛行訓練を始め、23歳で免許と自家用機を手に入れます。その後、全米横断や世界一周などの当時最速の世界記録を達成し、世界一のパイロットになります。
他方では航空機メーカー『ヒューズ・エアクラフト』を設立し、高速偵察機や世界最大の飛行艇、ヘリコプターなどの開発やテスト・パイロットに直接関わります。彼が開発に関わった技術はその後の航空・宇宙産業に大きく貢献することになります。
ハリウッドでは新規参入にも関わらず、手がけた映画が成功を収めます。そして大手映画会社を買収して経営にまで参入。
映画では空戦モノを得意とし、彼自身は監督やパイロットとして活躍しています。またハリウッド女優の色恋沙汰も多く、世間の注目を浴びます。
ヒューズと比べたら、大富豪の大統領候補として知られるロス・ペロー(1992年と1996年)やドナルド・トランプ(2016年)は小者にしか見えません。ヒューズは1968年のビジネス誌では世界一の資産家となっています。
ちなみに2016年の世界一はビル・ゲイツ(資産750億ドル)で、トランプは324位(45億ドル)です。
彼の死や失敗を恐れない生き様を綴ったドキュメンタリーには沢山のコメントが寄せられています。
ヒューズの残した事業は成長を続け、財団の『ハワード・ヒューズ医学研究所』は世界第二位の規模になり、ノーベル賞受賞者も数多く輩出しています。
一方、晩年の彼は強迫観念症や薬の副作用に悩まされ、心身ともにボロボロになります。70歳で亡くなった時、190cmあった身長は10cm低くなり、体重は42kgしかなかったと言われています。
大富豪ハワード・ヒューズの生涯については数多くの伝記が書かれ、ドラマや映画にもなっています。最も有名なのが2004年に全米公開された『アビエイター』。ヒューズ役はレオナルド・ディカプリオが好演。
アカデミー賞では最多の11部門でノミネートされ、5部門でオスカーを獲得している名作です。史実に基づいた質の高い作品に仕上がっています。見逃した方にはレンタルやオンデマンドで観ることをおすすめします。
(参考)https://en.wikipedia.org/wiki/Howard_Hughes
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Aviator_(2004_film)
この映画は見たことないけど、アカデミー賞にそんなにノミネートされていたなんて、興味出てきたので今度見てみたいと思う。