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ドイツの女子大学生レオニー・ミューラーさん(23)は部屋を借りるのを諦めて、電車中心のライフスタイルに挑戦しています。
レオニーさんも元々は部屋を借りて生活をしていたのですが、家主との喧嘩がきっかけで自分の部屋を持たない生活を選択します。
彼女の通う大学はドイツ南部のテュービンゲン市、ボーイフレンドは中部のケルン市、母親は北部のベルリン市に住んでいます。彼女は時速約300kmのドイツ版新幹線ICEで移動しながら生活をしているんです。
日本に例えるなら福岡の大学と、神戸の彼氏、東京の実家の間を新幹線で移動しているような感じかも知れません。
彼女の通っているエバーハルトカール大学テュービンゲン(通称、テュービンゲン大学)は1477年創立の由緒ある大学です。彼女はここで「メディア研究」という分野を学んいます。
この大学がユニークなのは、いわゆるキャンパスというものが存在しないこと。人口8万のテュービンゲン市の中に大学の建物が点在していて、大学と街が一体化しています。本当の意味での学園都市なんです。
大学のモットーは「挑戦・実行」。卒業生には天動説の常識を覆したあの16~17世紀の天文学者ヨハネス・ケプラーもいるんです。レオニーさんの決断はこんな学風の中で生まれたのかも知れません。
レオニーさんがかつて住んでいた部屋の家賃は約5万4000円です。ドイツ国内の鉄道乗り放題パスは約4万6000円なので、約8000円のコストダウンになったそうです。
それにしてもこの鉄道パスはICEにも乗れるんですから超格安ですね。日本の鉄道会社も見習って欲しいです。また日本ではまだ限定的なWi-Fiや電源が自由に使えるのはとても便利です。一部の夜行電車の個室以外はシャワールームはありません。
彼女の寝泊まりは電車ではなく、実家や彼氏、友人の家でしています。そこでシャワーや洗濯をするので、純粋な意味でのホームレスとは違います。
電車の中はトイレ以外のプライバシーはありませんが、冷暖房と通信、電源、水道、トイレが完備された車内は移動と勉強を同時にできる快適空間なのです。
最低限度の服やパソコン、教科書などをバックパックに入れて移動しています。彼女は勉強や読書、食事、移動(通学や旅行)を電車中心に行っています。
また車内ではBOSE製ヘッドホンを愛用しています。これは周りの音を消す特殊な機能がある高級品です(たぶん3~4万円ぐらい)。必要なものと不必要なものを合理的にかつ大胆に選択しているようにみえます。
彼女のライフスタイルを紹介するニュースには、賛否両論を含めたくさんのコメントが寄せられています。
ドイツでは安い鉄道料金に加え、大学の授業料が無料です。これは日本とは大きな違いですね。それでもレオニーさんのように社会的な変化に合理的にそして積極的に対応していく日本の若者たちも増えていくかも知れません。
彼女は、ただ生活費を安くするためではなく、当たり前とされる習慣などに疑問を持つ人たちにとって刺激になりたい、と考えています。そしてこの電車を中心にした生活体験を基に卒業論文を仕上げるそうです。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/femail/article-3208621/Woman-23-sick-
landlords-gives-permanent-abode-live-TRAIN-says-s-like-vacation-
time.html#comments
http://www.dw.com/en/the-german-student-who-has-made-trains-her-
home/a-18667308
https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2015/08/22/how-
one-german-millennial-chose-to-live-on-trains-rather-than-pay-rent/
こんな生活を羨ましいと思う人も結構いると思う。新幹線にも乗り放題なんて日本でもこんなシステムができてほしい。リニアが開通したら新幹線はもっと身近になるかな。