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2014年6月中旬、フランスの各主要都市で多くのタクシーが市内や空港付近に集結し通りをふさぎ、周辺の交通が麻痺するという事態が起こりました。
実はこの事態、スマートフォンを使った新しい配車サービスUber Pop(ウーバーポップ)に対してのタクシー運転手たちの抗議デモだったのです。
Uber Popは利用者がスマートフォンを利用して手軽に配車の手配ができる、新世代の配車サービスです。カルフォルニアに本社を置くUber社がこのシステムを開発し、破竹の勢いで世界中の都市を席巻しています。
VTC(Voiture de tourisme avec chauffeur: 運転手付き観光自動車)と呼ばれるこのようなサービスは他社にもありますが、これほどの大規模に事業展開しているのはUber Popを置いて他にはありません。
使い方ですが、利用者はまずスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、クレジット番号などの情報を登録します。
配車は必要な時はアプリを開き、地図をタップすれば近くにいるUber契約ドライバーが駆けつけてくれるという仕組みです。簡単、迅速、タクシーの列に並ぶ必要なし。利用者としてはとても便利なサービスです。
Uber Popのサービスを利用して移動した場合、通常のタクシーを利用した場合より一般的に30~40%安くすむ値段設定になっており、この新しいライバル出現に既存のタクシー業界は大ブーイング。
Uber Popがタクシー事業を展開しているにもかかわらず、
などを理由に激しい議論が展開されています。
既存のタクシー運転手はタクシー運転手として働くために特殊な免許の取得が義務付けられており、これには2500~3500ユーロかかり、その他にも営業ライセンスを所有したり借り受けるのにも多額の費用がかかります。
これらの費用を支払うことなく横から割って入ってきたUber Popのやりかたを不満に思うタクシー運転手たちの気持ちもよくわかります。
タクシー運転手たちはUber Popの業界進出に危機感を募らせ、これが2014年6月の路上を占拠しての抗議デモへとつながったのです。
フランスでのこの騒動は年が明けた2015年も続き、ヨーロッパの他の都市にも広がりをみせ、Uber Popの事業を禁止する国もでてきました。
しかしこうした大混乱はニュースでも大々的に取り上げられ、Uber Popの知名度はさらに上がり、アプリのダウンロード数も増やしました。
ここで、この騒動に関するフランス人たちの意見を聞いてみましょう。
安くて便利で今までになかった画期的なサービスとして注目を浴びているUber Popですが、お小遣い稼ぎがしたい若者がUber の契約ドライバーになるケースも多いと聞きます。
またUberの契約ドライバーになりすました偽のドライバーが利用者のクレジットカードを盗み、悪用しようとしたケースも報告されています。
Uberの日本法人でも東京都内で本格的にタクシーの配車サービスが開始されています。ですが、日本でのサービスで配車が手配できるのは複数のタクシー会社の正規タクシーですので、日本のみなさんは安心して使えそうですね。
(参考)http://www.metronews.fr/info/vtc-qui-sont-les-nouveaux-
concurrents-des-taxis/mnbc!AovWwBzP9i6/
http://www.lefigaro.fr/societes/2014/11/22/20005-20141122ARTFIG00008-
taxis-la-concurrence-change-les-codes.php
http://www.leparisien.fr/flash-actualite-economie/face-a-la-concurrence-d-
uber-le-vague-a-l-ame-d-un-taxi-parisien-29-01-2015-4489031.php
http://www.lesechos.fr/industrie-services/dossiers/0203210427484-taxis-
contre-vtc-le-bras-de-fer-641069.php#
http://www.rtl.fr/actu/economie/service-de-vtc-uberpop-rude-concurrence-
pour-les-chauffeurs-de-taxi-7775881348
http://www.20minutes.fr/article/1639527/commentaires/1
http://www.leparisien.fr/economie/video-taxi-vtc-ou-uberpop-nous-avons-
teste-les-trois-sur-le-meme-trajet-24-06-2015-4888567.php
どんどんこういう新しいサービスが生まれて、良いサービスが生き残り住みやすい環境が整えればいいと思う。 無人で走行できる車が流通すれば、タクシー運転手も必要なくなるのかな?
日本ではタクシー運転手は失礼な言い方ながら底辺の受け皿になっている。しかも、運転業務はつぶしがきかず再就職先を探すのが難しい。
彼らが運転手の仕事を無くしたら、もう警備員とかになるしかないよな。