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歯医者というと、あの「チュイ~ン」という音が苦手な方も多いのではないでしょうか。そして幼い記憶の中に、歯医者での怖い経験がある方も決して少なくはないはず。いずれにしても歯医者というのは、なるべくならば行きたくない場所ですよね。
実はあの思わず体の力が抜けてしまう独特の音、綿密に言うと歯を削っている音ではないのです。
歯医者さんの相棒、そして患者さんの恐怖の対象でもある、あのドリルのようなもの。あれはタービンといって回転して削る器具で、そのヘッドに取り付ける尖った細いのが、バーと呼ばれるものです。
このバーを拡大して見ると細かなダイアモンドがコーティングしてあります。だから硬いものでも削れるんですね。
このタービンの中には風車のようなものがあって、そこに高圧空気を送り込むことによって回転します。あの「チュイ~ン」という音は、実はタービンの風車が回転する音なのです。
2015年2月、それでなくても嫌な感じのこの回転切削器具タービンにまつわる、ちょっと怖い事件がフランスのロワール地方で起こりました。口を開けて無防備な状態である時なだけに、恐怖感は倍増です。
2015年7月28日、Web版“Sciences et Avenir ( 科学と未来 )” に掲載された記事を見ると、見出しに大きく「la fraise」=フランス語で「イチゴ」の文字が。
イチゴの研究の記事でしょうか。でも前後をよく見ると、「歯医者」の文字があります。「歯医者のイチゴ」・・・・ちょっと状況がつかめません。
この謎の「歯医者のイチゴ」、こんなにかわいらしい名前ですが、実はタービンの先に付ける尖ったバーのことを指すのです。
その日59歳の男性患者は、馴染みの歯医者に予約を入れ治療を受けていました。途中まではいつもと変わらない、いつもの治療。
ところがちょっとした拍子にタービンの先に取り付けてあった「イチゴ」が外れて、ポロッと男性の口の中に落ち、あっという間に見えなくなってしまったのです。
男性はこの小さなバーを吐き出すことができなかったため、すぐに別の病院へと向かいました。
そこで胸部のレントゲンを撮ると、なんと飲み込んだバーが胃ではなく、左肺の中に落ちたことが発覚。肺の下の方にバーの姿が認められましたが、そこは肺血管にも近い場所で、一歩間違えば大量出血の可能性もあります。
またとても繊細な場所でもあるため、このように尖った物の進入は別の病状を引き起こす危険性も考えられ、一刻も早い処置が必要でした。しかしこちらの病院では気管支鏡を使用したものの、肺の中のバーが見つからず対処し切れません。
そのため男性は大学病院の呼吸器内科へと転送されることになります。幸いこの大学病院はこういった事例に強く、素早い判断と処置が施されました。
今度は小児用気管支鏡を使用。やっと肺の中にあるバーの姿を見つけることができました。そして局部麻酔をした後、柔軟な気管支ファイバースコープと専用ピンセットを使うことにより、切開なしで無事バーの摘出に成功!
幸い尖った部分が上を向いており、気管支粘膜に傷をつけることなくスポッと落ちていったためこの男性に問題はなく、処置の数時間後には帰宅できたそうです。
それにしてもきっちり取り付けていなければならないバーが、このように落ちるなんて。ちょっと考えられないことです。
この事件、フランスの医療技術の高さを垣間見ることのできる一件ではありますが、歯医者に対して恐怖感や不信感を抱いたフランス人も多かったのではないでしょうか。
ではこの記事を読んだフランス人の反応をちょっと見てみましょう。
ちょっと調べたら、歯の詰め物が夜中にとれて飲み込んじゃうケースがあったり、中には仕事柄小さなものを吸い込んじゃうこともよくあることらしいの。そういう時、高度な医療技術ってありがたいわよね。
やはりフランス人も歯医者は苦手なようですね。
フランスの医療技術といえば世界でもトップレベルですが、その影で意外に知られていないのが歯医者の評判の悪さです。フランスでは本当に良い歯医者を選ばないと、大変なことになります。
最近の日本では、なるべく歯を残しながら治療をしていくという傾向にありますが、フランスでは割と大胆な治療をします。小さな虫歯でも神経を抜かれてしまった方もいれば、「あ、虫歯?じゃ、抜いちゃいましょうか」と軽く言われた方もいました。
日本人の治療を見た医師が、「これはすごい技術だね。」と感心していたこともあるようです。
特に酷いのが、夏のバカンスシーズン。医師が旅行に行っている間、インターンの学生が治療にあたることが多いのですが、フランス人でもこの時期にあまり歯医者には行きたくないそうです。
しかも保険がきかないので治療費がかなりかかります。シンプルな治療なのに、軽く1万円は飛んでいってしまいます。また予約制なので実際に治療してもらえるのが2、3ヵ月先になることも。今治療が必要な人はどうすればいいのでしょうね。
日本から比べてこの技術の遅れ、原因はフランス人の虫歯が少ないことから来ているのではないでしょうか。フランス人は砂糖の摂取量が日本人よりも高い割に、虫歯の数が少ないことが統計でわかっています。
そのせいかフランス人は、日本人ほど歯をケアしようとする感覚が少ない気がします。需要が少ないと、やはり進歩もしにくいのかもしれませんね。
日本人はマメに歯医者へ行くことにより、より高度な治療技術の発展につながっているのでしょう。それに日本人自身が既に手先が器用な上に、細やかで丁寧な作業が得意な国民性です。
日本で歯の治療をしたフランス人が、「安いし、きれいに治してもらえた」と驚いていました。確かに虫歯が少ないのは良いことですが、そのために技術が遅れるのは怖いですよね。ましてやこんな事故につながってしまうのであれば尚更です。
これからフランスに行こうという方。出発前に必ず日本の歯医者での治療をお勧めします!
(参考 )http://www.leprogres.fr/faits-divers/2015/08/06/un-patient-avale-
la-fraise-du-dentiste-et-finit-a-l-hopital
http://www.leprogres.fr/loire/2015/08/05/saint-etienne-apres-avoir-avale-la-
fraise-du-dentiste-il-a-du-etre-opere
http://www.ladepeche.fr/article/2015/08/05/2155245-loire-hospitalise-apres-
avoir-avale-la-fraise-chez-le-dentiste.html#commentaires
http://www.zoomdici.fr/actualite/Loire-un-patient-avale-la-fraise-du-dentiste-
id145748.html
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0761842515002715
夏はインターンが治療するなんて、絶対怖いでしょ。質が悪いのに治療費が高いなんて、フランス人じゃなくて良かった。でもなんで虫歯が少ないんだろう?
日本の歯医者さんって技術高いの?アメリカ人がクソミソに叩いてる記事をよく見かけるので。海外事情に詳しい方、教えてほしいわ。
昔読んだ本だとフランスの歯科医の技術は高いとあったが
時代が変わったのか、ガセ情報だったのか
>>1
治療技術は変わらないよ。ただ、予防歯科の観点ではものすごく遅れてる。
※3
どうだろう?
コンビニよりも歯科医院は多いからね。
自宅付近に4つもある(笑)
確かに日本の歯科医は技術は高そう。細かい作業が得意そうw
先端技術や器具はアメリカですごい進んでると思う。
意識も全然違うだろうね。
保険効かないから治療受ける羽目にならないようケアに力いれてるだろうし。
フランス人が虫歯になりにくいのは唾液量が多いからかな。
技術の平均値は圧倒的にアメリカの方が進んでる。
ただ、例えば歯の神経をとった場合日本では保険がきくから数千円だが、アメリカでは10万円以上かかる。だから多くの人が歯を抜く。そっちの方が安いから。日本の歯医者にとっては赤字部門。
アメリカに限らず他の先進国で予防が進んでるのはこれが理由。日本では予防は保険きかないし、治療も安いから予防がすすまない。
でも日本の歯科医には、レジンによる短時間治療とかの最新技術が入り込みにくいんだよね~