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伝説の大富豪ハワード・ヒューズが残した世界最大の飛行艇H-4

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あまり知られていませんが、史上最大の飛行艇が70年前の1946年にアメリカで作られました。この前代未聞のプロジェクトは伝説の大富豪ハワード・ヒューズによって進められました。この飛行艇の数奇な運命を紹介していきましょう。

ハワード・ヒューズ(1905-1976年)とは映画『アビエイター』でも有名になったアメリカの大実業家。数々の分野で偉業を残しましが、特に飛行機への情熱は大きかったのです。

世界一周飛行など世界記録(当時)を持っていたヒューズ自らがH-4の設計から関わっています。また最大限のロビー活動を通じて、この国家プロジェクトを推進したのです。

たった一度の飛行

第二次世界大戦当時、アメリカは日独などの枢軸国と戦っていました。アメリカ軍は兵器開発を進めましたが、このH-4もその開発プロジェクトの1つだったのです。

欧州戦線でドイツのUボートで大量の船を破壊され、苦戦していたアメリカでは巨大飛行艇による兵力の大量輸送が考案されます。アメリカ軍は現実的ではないと考えましたが、政治圧力や世論により渋々了承します。

しかしアメリカ軍はこのプロジェクトを妨害するように無理な条件をヒューズに突きつけたのです。その条件とは機体は全て木材で作るというものでした。軍は不足するアルミを戦闘機や爆撃機向けに使いたかったのです。

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木材による巨大飛行機の製造技術はまだ確立していないにも関わらず、軍はH-4の開発にも協力しませんでした。このためプロジェクトは大幅に遅れ、完成したのは終戦後の1946年。そしてH-4の生産計画は中止となりました。

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1947年、10万人もの人々が見守る中、カリフォルニアのロングビーチでヒューズ自らが操縦桿を握り滑水テストを実施。水上から25mの空中を約1.6km飛んだのが、H-4の最初で最後の飛行となりました。

H-4は生涯で数多くの飛行機を設計・生産したヒューズが最も愛した機体です。中止になったとはいえ、ヒューズは何としてもH-4を飛ばしたかったのです。

ヒューズやH-4を紹介する記事や動画には沢山のコメントが寄せられています。人々の関心の高さが分かります。

素晴らしい!!そしてなんて美しいんだ!!
これはハワード・ヒューズのハーキュリーズだ。すげ~初めて観た。
なんでこの飛行機は飛行テストが実施されなかったのだろうか。
当局が正式の飛行許可を与えなかったのさ。だから滑水テストのみだったのさ。
この飛行艇が長距離を飛ぶシーンが観たかったなぁ。
観ていて心から感動しました。しかし、どうしてたった一度の飛行のために巨大飛行艇を作ったの?失敗したならともかく、成功したのならそのまま開発を進めれば良かったのに・・・残念。
飛行艇が完成する前に戦争が終結し、軍が製造を中止にしたためです。ハワード・ヒューズやメーカーは製造する能力がなかったという悪評を払拭するために、敢えて飛行させたのです。また、開発を無駄金と非難した議員連中に一泡吹かせたかったのでしょう。
彼は政府から3機製造する予算として4億ドルを受け取っています。飛行艇の完成は商売上の信用に関わる問題だったのです。ハーキュリーズの考案はハリー・カイザーですが、プロジェクトを引き継いだヒューズが実現させたのです。
この飛行艇のプロジェクト以外にも第二次世界大戦に間に合わず、中止になった開発プロジェクトは数えきれないほどありますよ。
H-4の開発プロジェクトを無駄遣いだと問題視した公聴会の議員に対しては批判的な人が多いですね。
僕のおじいちゃんはヒューズ・エアークラフト社に40年以上勤務していた。だからこのH-4は対しても他人事には思えない。でも近い将来にはこれは歴史の一部になってしまうんだろうね・・・何だかちょっと切ない・・
なんかイーロン・マスク(アメリカの電気自動車メーカー『テラス』の代表)とニュージャージー州との訴訟問題にも似ているね。政府が民間を規制するのは性だな(^_^;)
本当にアメリカ人は馬鹿でかい物が好きだね。神様だってこんな飛行機作れないよ(笑)
伝統的にアメリカ人は大きい物が大好きですよ。多分、この傾向は今後も変わらないと思うけど。何より重要なことはこの巨大な機体が飛べたって事よね。この技術力の高さは目を見張るものがあるわ。現在の航空技術にも大きく寄与したはず。この機体は人類が創りだした最も美しい人工物の1つだと思います。
俺はいつかオレゴンのエバーグリーン航空博物館に展示してあるスプルース・グース(H-4の愛称)の実物を観たい。
20世紀の機械工学などの技術の粋を極めた傑作の1つであることは間違いない。
私はヒューズと彼の生み出した技術に敬意を持っています。インターネットで彼の業績について沢山調べました。それにしてもこの飛行艇のデザインには見とれてしまう。
いつの日か誰かがハーキュリーズの完璧なレプリカを作って、この機体の飛行実験をやって欲しいです。
えっ!この飛行艇は実際に飛んだの??
滑水テストだけど、海上を実際に飛んでいます。
『世界最大の航空機』ってタイトルでハーキュリーズが紹介されているけど、今でもそうなの??
旧ソ連が開発したAn-225の方が大きいと思う。総重量は285,000kgもあるのよ。
何を基準にするか次第ですね。翼の長さはH-4の方が大きいです。だいたいH-4は1947年に完成した木製の機体なんだから、現在の飛行機と積載重量を比較すること自体がナンセンス!
動画ではなく、カリフォルニア州ロングビーチでの滑水テストを観てみたかった・・・
おお!!スプルース・グースじゃないの!美しい!
ちゃんとH-4ハーキュリーズって正式名称があるぞ。ハワード・ヒューズはスプルース・グーススって呼ばれることを嫌がったそうだよ。
こんなに大きな機体を木製だけで作るには強度の問題があるのでは・・・

H-4は全幅97.51mそして全長66.65mという巨大な機体。現在の大型ジャンボ旅客機と比べても全く引けをとりません。世界最大の飛行艇であると同時に世界最大級の飛行機なのです。

思うような活躍はできませんでしたが、油圧装置やエンジンなどのH-4の基礎技術は現在の航空機にも活かされているのです。

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現在、H-4はオレゴン州のエバーグリーン航空博物館に保管されています。スミソニアン博物館への寄贈も検討されましたが、あまりの大きさに展示スペースが確保できなかったのです。

エバーグリーン博物館では機体内部も見学ができます。操縦席には蝋人形のヒューズが座っています。機体は飛ぶことはできませんが、ここには彼の情熱がまだ残っているようです。

(参考)https://en.wikipedia.org/wiki/Hughes_H-4_Hercules#/media/
File:Giant_planes_comparison.svg

機体を木材で作るなんてひどすぎる。でも日本も同じように戦時中はいろいろ不足していたから、時代が悪かっただけだ。

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コメント一覧
  1. 日本の名無しさん
    2016年10月7日 11:20 PM

    >機体を木材で作るなんてひどすぎる

    デ・ハビラント モスキート「家具屋謹製の木製飛行機で、数々の実績を残してますが何か?」

  2. 日本の名無しさん
    2016年10月7日 11:34 PM

    木材はいい素材。接着剤など扱いは難しいけど、剛性は高く航空機の材料に適していないわけではない。アルミには当然劣るけどね。

  3. 日本の名無しさん
    2016年10月24日 4:36 PM

    木製なのでレーダー波を吸収して探知されにくいステルス性も特性ですよね。ただ木製ならではの耐久性に問題があったようで、湿気の多いアジア戦線では稼働率を維持するのに苦労したようです。

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