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子どもを誘拐させる新ビジネス!恐怖と混乱の中で更正させる親たち

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子供のためを思い、犠牲をいとわない親。病気の時の夜通しの看病、教育のためせっせと働いて貯蓄…そんな親のありがたみ、後になってしみじみ感じるものですよね。

しかし!ちょっと考えてみてください。その親の「犠牲」が、あなたにとって「誘拐」を意味するとしたら…?!

ティーンエイジャー更生プログラム

ある夜、突然、あなたの部屋に見知らぬ男たちが入ってきて、行先も知らせずにあなたを連れ去ろうとします。恐怖と混乱の中、まず親を呼ばなくては!

…と思いきや、その親自身が、男たちの背後に立ちすくみ、ただ悲痛な表情を浮かべ、この誘拐シーンの一部始終を見守っているだけ。「これがあなたのためだから」と。

荷物を集めるひまも無く、家の外に止めてあった車に乗せられ、暗闇の中を数時間走り、空港へ。

そしてこの‘エスコート・サービス’なる見知らぬ男たちと飛行機に乗り込む。
行きついたのは、とある砂漠地帯。一体何が、あなたを待っているのでしょう?

アメリカを中心に世界で広まりつつある、この誘拐‘サービス’。

親の手に負えなくなった、問題の多いティーンエイジャーを連れ去り、人里離れたブーツキャンプでの厳しい生活環境や、数週間~数か月に及ぶ訓練プログラムを通して、その更生を図るというもの。

いうまでもなく親の依頼によるもので、その費用は数十~数百万円に上るとのこと。

“砂漠地帯でのテント生活、食事などの待遇は囚人レベル。毎日何時間もの砂漠トレッキング、風呂シャワーは無し。「トイレにいきたい」と言えば、シャベルを一本渡される。着替えもろくにあてがわれず、体は異臭を放っていた。”

キャンプからの脱走に成功したアメリカの若者は、インタビューに応じ、そう告白しました。

お金を払って娘を誘拐させた母親

2016年3月25日付のガーディアン・オンラインは、この誘拐サービスを利用した母親の体験談を掲載しました。

”それは夜中の3時の事でした。私は娘の部屋に入り、彼女を起こして言いました。「あなたはこれから旅に出るのよ」

私が数時間前、こっそり飲み物に入れた睡眠薬のせいで、娘はまだうとうとしていました。そして二人の男、娘を連れ去るために私が雇ったエスコート・サービスが、娘の部屋に入ってきました。

とっさにバッグを手に取り、化粧品を集め入れる娘に、彼らは「これから君が行く場所には、何も持っていく必要はない」と言いました。

私はドアの外で立ちすくみ、震えていました。17歳の娘と、もう二度と会えないのではないかという不安に襲われていたのです。”

一体どんな背景があったのでしょうか?

この女性は夫と離婚した後、子供との時間を大切にするため、成功していた金融キャリアを捨て、フロリダの田舎に引っ越しました。

子供たちをこの上なく愛し、親子関係はとても親密で、教育に関しての母親の理想が高いことは、子供たち自身もよく理解していたそうです。

“ところが、娘は17歳になった時、好ましくない仲間と付き合うようになりました。トップクラスだった成績は急激に落ち、態度も豹変し、親子喧嘩が絶えませんでした。

その後娘は、学校をやめてカリスマ美容師になりたいので、美容学校の費用を払ってほしいと言って来たのです。私は取り乱し、困惑しました。

美容業が悪いというのではありません。私はただ、将来自由に選択できるように、娘にはまずきちんとした教育を受けてほしかったのです。

同じころ、14歳の息子が薬物で警察に捕まり、これを3度繰り返した時には、もう我慢がなりませんでした。そして、他の州にある厳格な寄宿舎学校に息子を送ることにしました。

週末の面会に行くたびに、息子の素晴らしい変化を見、「この集中治療はきっと娘のためにもなる!」と確信したんです。

迷っている暇はありません。美容学校の学費の締め切りは、次の土曜日だったのです。法律的には、娘が18歳未満の今は、私に決定権があります。

私はユタ州にある、問題を持つ子供達のためのブーツキャンプを見つけ、娘が拒否しようとも、とにかくそこへ連れていくように、エスコート・サービスを雇いました。

前日の金曜日の夜、娘の入学祝いを口実に、ディナーへ出かけました。実は、その晩に友達と遊びに行かせないため、エスコートが来た時に自宅に居させるためでした。”

私は自分が‛正しい‛と分かっていた

エスコート・サービスはこの女性の娘を飛行機に乗せ、ユタ州にある砂漠まで連れて行きました。初日は悲嘆にくれたというこの母親は、こう語りました。

“心の底では、自分は正しいと分かっていたんです。でも、娘が許してくれるかどうか、わかりませんでした。娘を助けると同時に、娘を失う事をも覚悟しなければならなかったんです。

娘の友達から電話がくると「旅行に行った」と答えました。どこに行ったのか、いつ帰ってくるのか、繰り返し聞かれても「知らない」としか言えませんでした。

7週間にわたる、この肉体的・精神的な極限に挑むこのプログラムに、私は16,000ドル(およそ173万円)支払いました。

彼らは原始人のような生活をしていました。屋根なしで生活し、衛生面でも排泄処理は自分で、サバイバルスキルを習得し、肉体労働をしました。お風呂に入れないので、自分で髪の毛を切り落とした若者もいました。

彼らは毎日セラピーを受け、親に手紙を書きました。娘からの手紙は、謝罪の言葉でいっぱいでした。

自分がたくさん間違いを犯して来た事、許してほしいと願っている事、そして、母親の私をどれだけ愛していたかが綴られていました。

もちろん最初は、何が起きているのか把握できず、娘は怒っていましたが、その後まもなく、なぜ自分がキャンプに送られたかを理解し、自分の行いを恥じるようになっていました。”

母娘、再会。効果はいかに?

“プログラムが終了し、子供との再会の時が来ると、私たち親はその砂漠地帯に案内されました。遠く離れていても、こちらに向かって歩いてくる子供達の中に、娘の姿を見つけることができました。

薄汚れ、筋肉質になった娘を。私たちは抱き合って泣きました。あの子はすっかり元通りに、けんか腰でない、私の知っている娘に戻っていました。

娘はハイスクールをオールAで卒業し、カレッジに進み、修士課程を取りました。そして現在、法律関係の仕事をしています。

二人の子供たちはよく、私の事をサイコ・ママとからかいますが、私の事を許してくれていますし、ずっと親密なままです。これは私のした事の中で一番つらいことでした。

もしかしたら、あそこまで極端な事をしなくても、子供たちは今のように成長していたのでしょうか。そうかもしれません。でも私はそんな、いちかばちかの賭けに挑む気はありませんでした。

苦しめば苦しむほど、人は成長するものと私は信じています。強く、たくましく成長した二人、私の素晴らしい子供たち。彼らのためなら、私は同じことをするのをいといません。”

さて、この体験談はどんな反響を呼んだでしょうか?

この母親は少なくとも2つの凶悪犯罪にかかわっている。子供にとって、一体どんな手本だというのか。
娘が自分の思い通りの進路に進まないからって、自分の娘を誘拐させたって。これをどう正当化できるのか説明してほしい。寄宿舎学校については百歩譲るとしても、成績が悪かったために自分の子を誘拐させる権利など、あなたにはない。

おそらく娘さんは、深刻なトラウマに悩まされたでしょう。そりゃあオールAを取るでしょう。そうでなければ、今度は何をされるか、娘さんは死ぬほど心配しただろうからね。

↑私はそうは思わないですね。この人は母親として、娘に対する全面的な、道徳上の権利を持っています。私の妹は、薬物中毒者に人生を台無しにされる寸前でした。それを見た者としては、後になって長年苦しむより、妹が自分を変えるチャンスがあったらよかったのに、と感じます。
父親はこのことを知っていたんですかね?
まったく信じられない。しかもこの種の事がアメリカで増加しているそうじゃないか。信じられない。娘に残す精神的トラウマについて、この母親は考えもしなかったんだね。
↑精神的トラウマ?独立独行と自己鍛錬のこと?それならまったく同感だ。
↑自分の意思を誘拐によって砕かれ、何週間にもわたって暴漢たちに支配される事が、独立独行や自己鍛錬を生み出すことはないわ。むしろその状況は、他者を支配し自立心を打ちのめす権力者に面して、無力感をあらわにさせるだけ。

虐待する親の顔色を見て育つ子供たちと同様、自分の感情を押し殺し、他人の言いなりになって、‛偽りの自己’を演じ切るしかなくなるのである。…まあ、この誇らしげな母親にとっては、子供の不幸もわずかな代償でしかないんだろうが。

↑素晴らしいコメントだわ。一字一句に同感です。
これはプライベートな、家庭の問題なのだから、他人が立ち入る事じゃないと思います。
↑なんで?この母親自身が新聞社に投稿して、コメント欄が公開されてるのに。
この”心の中では自分が正しいと分かっていた…“って一文。正常な人間の理解の域を超えてるね。
よくわからないのは、この娘は一体どんな悪いことをしたの?美容師になりたくて、反抗的な態度をとるようになったってだけ?
好ましくない友達とつるむようになって、親に反論するようになった。って事は単に、正常な思春期の過程じゃないですか。
この人、親らしい事しようとさえしていない。問題が起こるや否や(しかも思春期の典型的なものばかり)、子供の荷物をまとめて他人に任せる。慣れ親しんだ場所から強制的に立ち退かせ、父親からも引き離し、他のどんなサポートネットワークも遮断する。この母親、信じられないほど自己本位で嫌な人間に思える。
↑その通り。子供の将来について自分の理想を押し付け、子供を完全に支配しようとしたが、親としての責任は放棄したってわけだ。
子供についての決定権を、親が持てたのだ。めでたい事じゃないか。
↑子供にも決定する権利があるんじゃないの?
なんて恐ろしい事。現在法律関係の仕事をしていますって、それが素晴らしい成功であるとしても、それは誘拐され、意思に反して拘束されたから、ではないでしょう。こんな事がアメリカで合法だなんて、ショックで言葉が出ませんね。
英国でも合法だよ。16歳までだけど。
なんだって?ドリンクに睡眠薬を入れることも?誘拐も?
十代の時の元カレも、その種のプログラムに送り込まれたわ。誘拐されたわけじゃなかったけど、それに近い印象だった。知り合いの話では、彼は今、空き家に不法に住みつき、生き延びるためにゴミ箱をあさり、不法侵入や薬物の罪で数回逮捕されてるって。

この記事の親子にとっては良かったみたいだけど、そうやって親が極端な手段にでても、子供が変わらないとか、悪化して戻ってくることもあるんだって言いたい。

うわー、マジか?自由意志の概念はどこへ行ったんだ。
↑ちょっと待って。7週間だよ。親はみんな、少なくとも責任感のある親たちは、子供のために物事を決定するものでしょう。それは、ティーンエイジャーが好まない労働をさせる事だって含まれます。
子供が間違った方向に行きだしたら、正しい方に戻らせるために私は何でもするよ。
‘間違った方向’って、どういう意味か。美容師になる事は間違った事ではない。母親の考えと’違っていた‘だけだ。

実はこのコメント欄、数え切れないほどのコメントが、不適切として削除されています。つまり、この母親のストーリーがそれだけの激しい反応を呼び起こしたという事です。

私自身もこの記事を翻訳・執筆中、この母親がサクセスストーリーとして語っている事に何度も首をかしげました。現時点では良くても、数年後の娘さんの人生はどうなっているのでしょうか。

いつの日か孫が誕生し、娘が自分と同じことを孫にしようとしたら、この人はどう反応するのでしょう…

(参考)http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2016/mar/25/i-paid-to-
have-my-daughter-kidnapped-experience

いかにもアメリカっぽい話で、違和感も感じないぐらいだった。アメリカじゃこんなドキュメンタリー風のドラマが視聴率稼いでそうなイメージがある。最後は感動のフィナーレ的な。

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コメント一覧
  1. 日本の名無しさん
    2016年7月28日 11:20 PM

    体力とサバイバル能力、なんでもありの精神を身につけたDQNが量産されていくってこと?

  2. 日本の名無しさん
    2016年7月28日 11:46 PM

    効果は薄いだろうな、アメリカ版戸塚ヨットスクールか
    多少の強制効果はあるけど性根は変わらん

  3. 日本の名無しさん
    2016年7月29日 4:21 AM

    子供を連れていく時のサービスが違うだけで、こういうのは昔からあったよね?

  4. 日本の名無しさん
    2016年7月29日 6:55 AM

    日本のなまはげなら笑い話なんだけどな

  5. 日本の名無しさん
    2016年7月29日 11:53 AM

    効果あるよ、大企業の役付いてるようなおじさんから可愛らしい女の子までが赤ん坊みたいに泣きじゃくって自己を猛省し今後の抱負をみんなの前で絶叫する、悪魔のようなマインドコントロール研修が今も続いている。

  6. 日本の名無しさん
    2016年7月29日 1:02 PM

    たとえ保護者が共犯でも誘拐も監禁も犯罪だよね?

  7. 日本の名無しさん
    2016年7月29日 6:38 PM

    昔の人はこんな言葉を残してます。

    「喉元過ぎれば熱さも忘れる」

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