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子供のためを思い、犠牲をいとわない親。病気の時の夜通しの看病、教育のためせっせと働いて貯蓄…そんな親のありがたみ、後になってしみじみ感じるものですよね。
しかし!ちょっと考えてみてください。その親の「犠牲」が、あなたにとって「誘拐」を意味するとしたら…?!
ある夜、突然、あなたの部屋に見知らぬ男たちが入ってきて、行先も知らせずにあなたを連れ去ろうとします。恐怖と混乱の中、まず親を呼ばなくては!
…と思いきや、その親自身が、男たちの背後に立ちすくみ、ただ悲痛な表情を浮かべ、この誘拐シーンの一部始終を見守っているだけ。「これがあなたのためだから」と。
荷物を集めるひまも無く、家の外に止めてあった車に乗せられ、暗闇の中を数時間走り、空港へ。
そしてこの‘エスコート・サービス’なる見知らぬ男たちと飛行機に乗り込む。
行きついたのは、とある砂漠地帯。一体何が、あなたを待っているのでしょう?
アメリカを中心に世界で広まりつつある、この誘拐‘サービス’。
親の手に負えなくなった、問題の多いティーンエイジャーを連れ去り、人里離れたブーツキャンプでの厳しい生活環境や、数週間~数か月に及ぶ訓練プログラムを通して、その更生を図るというもの。
いうまでもなく親の依頼によるもので、その費用は数十~数百万円に上るとのこと。
キャンプからの脱走に成功したアメリカの若者は、インタビューに応じ、そう告白しました。
2016年3月25日付のガーディアン・オンラインは、この誘拐サービスを利用した母親の体験談を掲載しました。
私が数時間前、こっそり飲み物に入れた睡眠薬のせいで、娘はまだうとうとしていました。そして二人の男、娘を連れ去るために私が雇ったエスコート・サービスが、娘の部屋に入ってきました。
とっさにバッグを手に取り、化粧品を集め入れる娘に、彼らは「これから君が行く場所には、何も持っていく必要はない」と言いました。
私はドアの外で立ちすくみ、震えていました。17歳の娘と、もう二度と会えないのではないかという不安に襲われていたのです。”
一体どんな背景があったのでしょうか?
この女性は夫と離婚した後、子供との時間を大切にするため、成功していた金融キャリアを捨て、フロリダの田舎に引っ越しました。
子供たちをこの上なく愛し、親子関係はとても親密で、教育に関しての母親の理想が高いことは、子供たち自身もよく理解していたそうです。
その後娘は、学校をやめてカリスマ美容師になりたいので、美容学校の費用を払ってほしいと言って来たのです。私は取り乱し、困惑しました。
美容業が悪いというのではありません。私はただ、将来自由に選択できるように、娘にはまずきちんとした教育を受けてほしかったのです。
同じころ、14歳の息子が薬物で警察に捕まり、これを3度繰り返した時には、もう我慢がなりませんでした。そして、他の州にある厳格な寄宿舎学校に息子を送ることにしました。
週末の面会に行くたびに、息子の素晴らしい変化を見、「この集中治療はきっと娘のためにもなる!」と確信したんです。
迷っている暇はありません。美容学校の学費の締め切りは、次の土曜日だったのです。法律的には、娘が18歳未満の今は、私に決定権があります。
私はユタ州にある、問題を持つ子供達のためのブーツキャンプを見つけ、娘が拒否しようとも、とにかくそこへ連れていくように、エスコート・サービスを雇いました。
前日の金曜日の夜、娘の入学祝いを口実に、ディナーへ出かけました。実は、その晩に友達と遊びに行かせないため、エスコートが来た時に自宅に居させるためでした。”
エスコート・サービスはこの女性の娘を飛行機に乗せ、ユタ州にある砂漠まで連れて行きました。初日は悲嘆にくれたというこの母親は、こう語りました。
娘の友達から電話がくると「旅行に行った」と答えました。どこに行ったのか、いつ帰ってくるのか、繰り返し聞かれても「知らない」としか言えませんでした。
7週間にわたる、この肉体的・精神的な極限に挑むこのプログラムに、私は16,000ドル(およそ173万円)支払いました。
彼らは原始人のような生活をしていました。屋根なしで生活し、衛生面でも排泄処理は自分で、サバイバルスキルを習得し、肉体労働をしました。お風呂に入れないので、自分で髪の毛を切り落とした若者もいました。
彼らは毎日セラピーを受け、親に手紙を書きました。娘からの手紙は、謝罪の言葉でいっぱいでした。
自分がたくさん間違いを犯して来た事、許してほしいと願っている事、そして、母親の私をどれだけ愛していたかが綴られていました。
もちろん最初は、何が起きているのか把握できず、娘は怒っていましたが、その後まもなく、なぜ自分がキャンプに送られたかを理解し、自分の行いを恥じるようになっていました。”
薄汚れ、筋肉質になった娘を。私たちは抱き合って泣きました。あの子はすっかり元通りに、けんか腰でない、私の知っている娘に戻っていました。
娘はハイスクールをオールAで卒業し、カレッジに進み、修士課程を取りました。そして現在、法律関係の仕事をしています。
二人の子供たちはよく、私の事をサイコ・ママとからかいますが、私の事を許してくれていますし、ずっと親密なままです。これは私のした事の中で一番つらいことでした。
もしかしたら、あそこまで極端な事をしなくても、子供たちは今のように成長していたのでしょうか。そうかもしれません。でも私はそんな、いちかばちかの賭けに挑む気はありませんでした。
苦しめば苦しむほど、人は成長するものと私は信じています。強く、たくましく成長した二人、私の素晴らしい子供たち。彼らのためなら、私は同じことをするのをいといません。”
さて、この体験談はどんな反響を呼んだでしょうか?
おそらく娘さんは、深刻なトラウマに悩まされたでしょう。そりゃあオールAを取るでしょう。そうでなければ、今度は何をされるか、娘さんは死ぬほど心配しただろうからね。
虐待する親の顔色を見て育つ子供たちと同様、自分の感情を押し殺し、他人の言いなりになって、‛偽りの自己’を演じ切るしかなくなるのである。…まあ、この誇らしげな母親にとっては、子供の不幸もわずかな代償でしかないんだろうが。
この記事の親子にとっては良かったみたいだけど、そうやって親が極端な手段にでても、子供が変わらないとか、悪化して戻ってくることもあるんだって言いたい。
実はこのコメント欄、数え切れないほどのコメントが、不適切として削除されています。つまり、この母親のストーリーがそれだけの激しい反応を呼び起こしたという事です。
私自身もこの記事を翻訳・執筆中、この母親がサクセスストーリーとして語っている事に何度も首をかしげました。現時点では良くても、数年後の娘さんの人生はどうなっているのでしょうか。
いつの日か孫が誕生し、娘が自分と同じことを孫にしようとしたら、この人はどう反応するのでしょう…
(参考)http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2016/mar/25/i-paid-to-
have-my-daughter-kidnapped-experience
いかにもアメリカっぽい話で、違和感も感じないぐらいだった。アメリカじゃこんなドキュメンタリー風のドラマが視聴率稼いでそうなイメージがある。最後は感動のフィナーレ的な。
体力とサバイバル能力、なんでもありの精神を身につけたDQNが量産されていくってこと?
効果は薄いだろうな、アメリカ版戸塚ヨットスクールか
多少の強制効果はあるけど性根は変わらん
子供を連れていく時のサービスが違うだけで、こういうのは昔からあったよね?
日本のなまはげなら笑い話なんだけどな
効果あるよ、大企業の役付いてるようなおじさんから可愛らしい女の子までが赤ん坊みたいに泣きじゃくって自己を猛省し今後の抱負をみんなの前で絶叫する、悪魔のようなマインドコントロール研修が今も続いている。
たとえ保護者が共犯でも誘拐も監禁も犯罪だよね?
昔の人はこんな言葉を残してます。
「喉元過ぎれば熱さも忘れる」