日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。
スイスといえば、2015年発表の世界生活費ランキングで、10位以内に国内の3都市がランクインする程、世界トップクラスに物価の高い国として知られています。
ファミリータイプのアパートの家賃は20万円越えは当たり前、購入を考えると1億円ほど必要。また喫茶店でコーヒーを頼めば最低でも500円、パン屋でサンドイッチを買えば800円、マクドナルドではバリューセットが約1500円・・・。
挙げたらキリがないですが、とにかく何でもかんでも高いという印象を受けます。その要因のひとつに、人件費がとても高いという事があります。
昨年2015年に、最低月給を4000フラン(約45万円)に設定するという国民投票が否決されたばかりですが、現在の最低月給は3000フラン(約34万円)程と言われていますので、隣国ドイツの平均月給1500ユーロ(約19万円)と比べても、充分に高い状況となっています。
特に外食産業など消費者に直接サービスをする分野は、多くの人件費を必要とする為に物価が高く、スイスに旅行等で訪れたことがある方は、驚かれた経験もあるのではないでしょうか?
そんな消費者泣かせのスイスの物価ですが、この度さらに消費者を泣かせる事になる、「接客手数料」を導入する店が現れたとのことです。
Amazonを始め、その他インターネット上でのオンラインショップの台頭は近年目覚しいものがあります。
ネットに接続して欲しい商品を検索しようものなら、ほんの数秒でどのショップが最安値で販売し、さらにその在庫の有無までをも知る事ができます。まさにインターネットは文明の利器ですね。
ところが、このオンラインショップの存在は、有人の店舗を大きな危機にさらしています。人件費が節約できるオンラインショップでは、一般的に有人の店舗よりも低価格で商品を提供する事が可能となっています。
一円でも安く商品を手に入れたいと思うのが消費者心理。多くの消費者がオンラインショップを利用してしまうのは当然の事でしょう。
低価格が魅力的なオンラインショップですが、もちろんデメリットもあります。そのひとつとして「実物を購入前に手にとって見ることが出来ない」という事が挙げられます。
特に試着や試用の必要なものは、やはり有人の店舗に出向いて買い物する機会が多いのではないでしょうか?
そんな中、世間には頭のいい人がかなりいるようで・・・。近年、店舗に出向いて試着、試用をし、購入は自宅に戻りインターネットでという消費者が増えつつあるそうです。
そこでこの度、スイスでフランチャイズ展開をしている大手スポーツチェーン店Intersportの傘下にある1店舗が、「接客手数料」の導入に踏み切りました。
同店舗によると、「店舗に商品を試着、試用しに訪れ、散々店員から説明を受けた挙句に何も買わず店舗を後にし、帰宅後オンラインショップで買い物する客が増えている」との事。
以前に比べ、接客したにもかかわらず物が売れない状況に、店員のモチベーションも下がる一方。そこで今回の接客手数料導入に至ったとの事です。
それによると、1時間の接客に対しての手数料なんと75フラン(約8500円)!
販売見習い店員による接客の場合は、1時間24フラン(約3000円)を請求しているそうです。
見習い店員の接客にも手数料を支払わせるなんて、ちょっと驚きですね。見習いは接客を通じて経験を積み成長して行くにもかかわらず、これでは接客する機会も減ってしまいそうです。
接客を受けた後に商品を購入する場合は、接客手数料を支払う代わりに20%の割引が適用されるとの事。これはなかなかの名案です。
ところが、同店舗で「接客」を受けずに商品を購入する場合も、なんと20%の割引が適用されるそうで、これでは結局購入者全員に20パーセント割引の適用があり、少し首をかしげずにはいられない状況です。
現在さらに、銀行や大手携帯電話ショップ、眼鏡店など、長時間の接客を必要とする業種が、この接客手数料の導入について検討しているとのことです。
消費者心理を研究するChristian Fichter氏は、「消費者がこの手数料を支払う事を受け入れるまでが難しいですが、今後多くの店舗がこの案を導入する事により、逆にいい方向に向かうでしょう」と語っています。
元々物価の高いスイスです。週末には、物価の安い隣国フランスやドイツへ買い物に抜けるスイス人の車で大渋滞する程。
接客手数料が今後他の店舗でも導入される事になると、近年のスイスフラン高の影響もあり、国内消費離れがさらに加速するという懸念も叫ばれています。
一方隣国ドイツの小売店も、オンラインショップの台頭に悩まされており、あるカメラ専門店では既に接客手数料を導入しているとのことです。
最初の15分間の接客は無料、その後15分ごとに25ユーロ(約3000円)の手数料を加算し、商品購入に至った場合は接客手数料は無料になるとの事。これならまだ納得できますね。
またスイス内では、チューリッヒにあるウェディングドレス専門店にて、予約制で1時間半のカウンセリングと試着に対し100フランのカウンセリング手数料を請求しているそうです。
スイス国内で355店舗を展開するIntersport本部は、今回の傘下店舗の接客手数料導入について、次のような見解を示しました。
「この新しい販売スタイルはとても興味深いが、積極的には導入を勧めない。我々はディスカウントストアではないので、良質な商品と接客が価格に含まれていることを明確にしたい」
今回、接客手数料の導入を決めた店舗は、次のように締めくくっています。
我々は、オンラインショップから顧客を奪い返します。インターネットはこの先、商品を注文するツールではなく、商品について詳しく調べるツールへと変化します」
以下、スイス人の反応をお楽しみください。
今回の接客手数料導入に対し、スイス人が思いのほか否定的でなかったのが印象的です。ただ、この店舗の例では、詰めの甘さが見え隠れした先走り感があり、半ば呆れられているといった方がいいかもしれません。
改善すべき点を挙げるとすれば、まず手数料自体が高すぎます。いくらなんでも75フランはないでしょう。また、前述のドイツのカメラ専門店のように、購入に至った場合は接客手数料を無料とすればまだ現実的だったかと思います。
そして、接客を受けても受けなくても20パーセントの割引が適用されるという件は、元々の価格とは何なのか?という疑問を抱かせる結果となり、逆効果になってしまっています。
とは言え、慎重に進めていけばよい結果になるという専門家の意見もありますので、今後の動きに注目が必要です。
最後に。スイスで買い物する時は接客を受けないように気をつけましょう!
(参考)http://www.20min.ch/finance/news/story/23664429
高すぎる!海外コメントにあるようにドイツで暮らしてスイスで働いたら豪遊できるじゃないか。マックのバリューセットが1500円ってもう誕生日にしか食べられない。
観光客もうっかり買い物できないな
よく潰れないなスイスはw
日本の物価がこんなに高かったら、観光客は来ないわ日本に工場が置けないわで鎖国したほうがいくらかマシなくらしができるレベルじゃないか?
突然の日本登場に笑ったw
ゴルゴが預金してるから潰れないよ。
説明受けた結果要らなかったら金払えって……結局絶対必要な物(最終的に絶対買うことが分かってる物)しか店員に相談出来ないじゃん。
要るかどうかを判断する基準すら示したく無いって、じゃあ店員として客に何を提供出来るんだ!?
最低月給34万円………
単にこの店が潰れるだけの話だろ・・・・
インフレ起こってない?大丈夫?異常な物価高はマズイと思うよ。
淘汰の危機に企業努力も無く、上から目線で客を躾しようってのかw
元々物価が高いから割り引きもお得感が無いだろうし。
消費者にネットショッピングや隣国で買う選択肢があるのに、小売店側の都合しか考えてないな。