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モスクワには旧ソ連時代に作られた巨大な地下都市が存在しています。軍事的な目的で作られたとも言われていますが、実態ははっきりしていないのです。これらの忘れられた地下空間は犯罪などの問題を引き起こしています。
ロシアの首都モスクワは人口1150万人のヨーロッパ最大の都市です。歴史的な建築物を持つ魅惑の街であり、世界で最も美しいと言われる地下鉄を持っています。モスクワは旧ソ連時代から地下空間の開発がどんどん進められてきました。
この地下には軍事要塞としての重要な役割があったのです。ドイツやアメリカから祖国を守るため、モスクワは大切な要所だったのです。そのため、モスクワの地下開発は秘密裏に行われた部分も多いのです。
1991年の旧ソ連崩壊で、社会体制が社会主義から資本主義に激変します。無政府状態のような混乱の中、過去に築いた地下空間の存在は忘れ去られてしまいます。
この頃からモスクワには中国人が取り仕切る巨大闇市、チェルキゾフスキー市場が誕生します。当時はアジア系移民が10万人以上働くロシア最大、ヨーロッパ有数の規模だったんです。2009年に閉鎖されるまで続きました。
ある報道では、モスクワの犯罪の7割に外国人労働者が関わっていると言われています。違法外国人労働者の数もハンパじゃありません。モスクワでは25万人の外国人労働者が登録されていますが、実際の外国人労働者の数は数百万人とも言われています。
ロシア政府もモスクワ市も地下空間の実態を把握していません。「メトロ2」と呼ばれる秘密の地下鉄網の存在もうわさされています。放置された地下空間には多くの違法外国人労働者が住み着き、当局の知らない別の街を作り上げているんです。
この摘発が時々ニュースになります。チェルキゾフスキー市場跡地では2011年と2013年に大掛かりな地下犯罪の摘発がありました。
2013年の摘発では269人の違法外国人労働者が一斉検挙されました。この地下都市には住居はもちろん、工場、カフェ・レストラン、映画館、カジノ、そして養鶏場までありました。122台のミシンのある縫製工場では、偽ブランド品が製造されていたんです。
このモスクワの地下社会の実態を報じているインターネット上のニュースや動画には多くのコメントが寄せられています。
放置された地下空間は犯罪の温床になるだけでなく、大きな陥没事故などにもつながります。(余談ですが、モスクワの地下陥没をテーマにしたパニック映画「メトロ42」はオススメですよ)
東京にも地下鉄などの広大な地下空間が広がっていますが、海外と比べて地下空間はかなり正確に把握・管理されているのです。郊外の廃坑跡の陥没が話題になることもありますが、世界的には優等生なのです。
例えば、お隣の韓国の首都ソウルでは地震がほとんど無いにも関わらず、東京の100倍の確率で道路陥没事故が発生しています。日本はソウル市に地下の空間調査技術を無償提供しているんです。
自然災害の多い日本で陥没事故が少ないのは、日本人の几帳面な性格と土木技術の高さのおかげなのです。
(参考)http://www.rt.com/news/moscow-underground-migrant-city-287/
http://www.ibtimes.com/moscow-police-discover-underground-town-illegal-
migrants-280047
そんな大きなものを作っておいて、忘れてしまうなんて信じられない。モスクワは寒いので、地下都市を発達させても将来的に使える機会はいっぱいあると思うので、計画を進めてもいいかも。
ロシアは地下文明になるのか?
アルチョム