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中国では旧暦に合わせた旧正月に大型連休があります。時期は毎年違いますが、1月末から2月にかけてやってくるこの旧正月(旧暦年末年始)を春節と呼び、大きな節目ととらえています。
春節と言えば、一部の人たちにとっては旅行シーズンです。世界中どこへ行ってもこの時期は中国人があふれています。
でも大半の中国人は国外へ行くお金はありませんから、多くは国内にとどまり、この時にしか会えない家族へ会いに帰省をするか、帰省するお金がなければ出稼ぎ先で花火を打ち上げて景気づけをします。
春節前は、路上にいくつもの仮設花火店がオープンします。花火店の中はどこもたくさんの人でにぎわい、皆大量の花火を買って帰ります。
大型の打ち上げ花火も個人で普通に買うことができますから、大人がやっと抱えられるような箱に入った「連続打ち上げ花火」もあります。
また、花火と並んで人気があるのは爆竹です。爆竹も数分間鳴り続ける長いものが人気です。何メートルもありますから、それを広げて火をつけ、使用します。
花火や爆竹は旧暦1月1日を迎えるその瞬間、或いはその5分ほど前からあらゆる街角で始まります。その後30分ほどは音が鳴り止むことは全くありません。そこから一ヶ月間は、そこかしこで、昼夜問わず爆音が鳴り響きます。
花火は路上であげるため、注意事項は「春節の間は必ず窓を閉めること」。煙ももちろん大量ですが、それに加え花火の火は窓から家の中へ飛び込みますから、非常に危険です。
安い花火は安全性には一切配慮していませんから、火がついたまま平気で地面へ落ちてきます。例えばマンションの10階の窓であれば、十分な火力を保ったまま部屋の中へ飛び込みます。
ちなみに、お昼間でも花火をあげますから、窓は一日中閉めておきましょう。
朝一番にでかけると、爆竹や花火の燃えカスはそのままそこへ置いてあります。
ごみを持ち帰る習慣のない中国人ですから、爆竹に限らず読み終えた雑誌、アイスクリームやポテトチップスの袋、使い終わったボールペンなど全て路上に放置なのですが、爆竹や花火は同時期に大勢の人たちがするため、ごみも大量です。
もっともそのうち路上清掃員が片付けてくれるので昼前にはすっかりきれいになっています。掃除は清掃員の役割です。
ごみと言えば、春節の頃増えるもうひとつのごみは、電車の車内に放置されます。
深センから湖南省へ向かった長距離列車は、大量の帰省客を乗せて走りました。中国人は「食」を非常に大切にしているため、皆大量の食料を持って電車に乗り込みます。食堂車は高いので行きません。
持ち込んだスナック菓子やパン、インスタントラーメン、手羽先の照り焼きなどなどをそれぞれ好き勝手食べるのが中国流。
そして、「生ごみ」と言うカテゴリーが存在しない中国では、鳥の骨でもみかんの皮でも、ペットボトルと共にポイ捨てされます。
清掃員も負けずに掃除を続けますが、さっさとしてくれないと人が通れませんから大変です。もっとも、清掃員がいなければごみの上をそのまま踏み踏み通りぬけるだけなので、ごみよりも清掃員の存在の方がよほど邪魔だったりするのですが。
春節の花火は庶民の楽しみです。あの音と光を見ていると、すっきりするし「今年もまたがんばるぞ!」と思えるはずです。一方中国人の多くはゴミをそのままポイ捨てします。そして決まって言うのが「清掃員の仕事をつくってやっている」です。
ひたむきにがんばる人たち、そしてそういう底辺な人たちを馬鹿にする中流の人たち、そしてそんな人たちのことを話題にすることすらない、更に上にいる人たち。広い国土にはいろいろな人がいます。
(参考)http://shanghaiist.com/2016/02/08/cny_fireworks_ban.php
http://shanghaiist.com/2016/02/08/year_of_the_fire_monkey.php
http://shanghaiist.com/2014/01/24/trashy-trains-spring-festival.php
子どもの頃からこんな環境で生活していれば、これが普通で特に疑問も持たないんだろう。絶対中国には住みたくないし、中国人はモラルもないまま海外に出てほしくない。