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中国のアトランティスと呼ばれることもある水中に沈む古代の城郭都市があります。ダム建設で湖の中に水没してしまったのです。
中国政府はこのダム湖の景色を国の景勝地として観光化を進めていますが、世界中の人々は地上の景勝地よりも、湖底に沈む古代都市に注目をしています。
このスポットは中国浙江省にある千島湖と呼ばれる人工湖の底にあります。1959年に中国政府が水力発電所を設置するためにダムを建設したのです。
人工湖の湖面には1078の島があり、その様子から千島湖と命名されたそうです。その後、中国政府はこの景観を国の景勝地に指定し、観光地としても開発を進めています。
中国政府の意図とは裏腹に、世界中の人々の関心は湖底に眠る古代の城郭都市「獅城」に注目が集まっています。獅城の歴史は紀元208年まで溯ります。長い間、この地域の政治や経済の中心地だったのです。
先進国であれば、このようなダム工事が行われる際には、遺跡調査や検討が行われます。ダム計画自体が見直されたり、水没する歴史的な遺構を別の場所に移設するなどの処置がとられます。
中国では共産党の意向が最優先され、地域住民の移動とダム建設が強行されました。電力供給の増加や治水・灌漑の改善などは広く宣伝させる一方、この水没した獅城の存在は50年間忘れ去られてしまっていたのです。
40mの湖底に眠る獅城は風雨や紫外線などの影響を受けずに、極めて良い保存状態が保たれていました。ここには1950年代まで人々が普通に生活を続けてきたので、2000年前の建築がそのまま残っている訳ではありません。
中には1300年ほど前の遺構もあるようですが、建物の多くは明から清の時代の城壁や城門、牌坊(中華街の門のような建築物)や民家などです。
また橋や井戸なども当時の人々の生活を偲ばせるものがそのまま残されているのです。この街の広さはサッカーコート62面分とも言われています。調査から、獅城の全景の様子も分かってきています。
この湖底に残る古代都市、獅城は世界中のメディアで報道され、大きな話題になっています。水中の古代都市だけでなく、ダムの有用性や中国の政策に言及しているコメントも数多く寄せられています。
この古代都市が残っているのは中国政府の強引なダム工事のおかげだというのは皮肉な結果ですね。水没を免れていたら強引な都市開発で、古い建物は破壊され、別の建物や田畑になっていたかも知れません。
急速な経済成長も大切かも知れませんが、祖先が築き上げてきた文化や歴史に対して敬意を持って欲しいですね。
それにしても湖底に潜れば、昔の中国の風景が広がっているって不思議な感覚ですね。まるでタイムマシンで過去にやってきたようです。
古代の哲学者プラトンが記録した伝説のアトランティスは神の怒りで水没したとされています。人為的に沈められた中国の都市をアトランティスと同列に扱うのはおかしな感じがしますが・・・
何はともあれ、中国には獅城以外にもまだまだ忘れられた水中の古代都市があるかもしれませんね。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/news/article-2561147/Chinas-Atlantis-
How-Lion-City-purposely-flooded-make-way-power-station-remains-
completely-intact-130ft-underwater-50-years.html#comments
遺跡があろうがダムを建設するあたりが中国らしい。ダイビングする人達にとってはいいスポットだろうなぁ。中国はまだこんなところいっぱいありそうな気がする。
移築すれば、お金はかなり掛かるけど、学術的価値や文化自体の価値は高いし、観光地としての利益も、長期に渡って見込めただろうに、もったいない
ダム底ではすぐに土砂に埋もれるし、浚渫作業で破壊されそうな悪寒
カリオストロの城だ。