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大都市で競争社会に生きていると、誰しもふと「もっと素朴な暮らしをしてみたい…」と思う事がありますよね。そうもいかず日常に戻るのが常ですが、そんな願いを実現させてしまったイギリス人がいます。
アルプスの大自然の中で山羊として生活したい—その熱い思いに共感して支援する団体も現れ、念願かなって一週間の山羊暮らしを体験した彼ですが、イギリスの反応は熱いものではありませんでした。
35歳のロンドナー、トーマス・トゥエイトさんもそう望んだ一人でした。失業して個人的な問題も抱え、毎日ストレスを貯め込んでいたトーマスさんは、ある日友達の犬を散歩に連れて行きます。
無邪気にはしゃぐ犬の様子を見て、一日で良いから犬のように心配事もなくただ幸せに過ごしてみたいと思い始めます。しかし、肉を食べないトーマスさんは肉食の犬になるのを諦め、今度はベジタリアンの象になるのを思いつきます。
でも心的外傷後ストレス障害に悩まされる象もいると聞き、それなら人間とあまり変わりがないと気付きます。そんな風にいろいろな動物の暮らしを妄想して落ち着いた結論は「アルプスで山羊になりたい」でした。
トーマスさんの「山羊になりたい」という願望を知ったイギリスの医学・生物学助成財団ウエルカム・トラストは、奨学金4万ポンド(約635万円)を払うことに合意。
資金を得たトーマスさんは大学で「山羊の心理学」を学び、スイスで夏の間の1週間、彼を山羊の仲間として受け入れてくれる山羊飼いを見つけました。
イギリスはマンチェスターにある義足を専門とする病院が、四足でアルプスの斜面を上り下りできるよう「山羊になる義足」作りを手伝ってくれました。
次なる問題は消化器官です。トーマスさんは草だけ食べて一週間を過ごさなければなりませんが、人間の胃では草を消化しきれません。そこでウェールズにあるアベレストウィス大学が「山羊の人工胃袋」を開発してくれました。
体に「山羊の人工胃袋」を巻き付けたトーマスさんは、自分の口で噛んだ草を人口胃袋に吐き入れます。この中には山羊の胃にあるのと同じバクテリアが入っており、しばらくすると人間が消化できるスムージーのようなドロドロの液体となるのです。
人間だと悟られず山羊に見せかけると同時に、アルプスの坂からの落下に備えた特製のヘルメットも調達したトーマスさん、いよいよサイボーグ山羊としてスイスに旅立ちます。
アルプス山麓で山羊としての暮らしを始めたトーマスさんの最初の難関は、四足で急斜面を歩き回る事でした。特に下り坂が難しく、しょっちゅう転がり落ちて傷だらけだったそうです。
義足の完成から一週間でスイスに来てしまったため、まだ義足に慣れていない手足はひどく痛み、夏とは言えアルプスの夜は耐えられないくらい寒いものでした。
けれど、そんな苦痛も、山羊たちに自分が仲間であると思い込ませる労力に比べたら比較にはならなかったそうです。山羊たちはトーマスさんをすぐに仲間として受け入れてはくれませんでした。
最初はそう思ったトーマスさんでしたが、徐々に、山羊の世界にもヒエラルキーがあって、新参者の彼はルールに従えと諭されているのだと気付きます。
山羊の群れと四日間を共にしたトーマスさんは、残りの三日間をたった一人で山羊としてアルプスの斜面を彷徨います。
人間であることから一週間の休暇を取り山羊となって暮らしてみて、山羊の暮らしも楽じゃなく、彼らはただ生き延びるだけでも大変なんだという事がわかったそうです。
どうしてそんな苦労をしてまで山羊になりたいのかと聞かれて、トーマスさんはこう答えます。
そんな大変な経験をしたトーマスさんですが、一匹の雌の山羊が彼の事を気に入った様子で、顔を寄せて匂いを嗅いだり、どこでも付いてくるようになった事が一番の思い出になったそうです。
人間やめてつかの間の山羊体験をしたトーマスさんですが、さすがシニカルで有名なイギリス人、その情熱と努力に対する反応は思いのほか冷たいものでした。日本だったら称賛されたのではないでしょうか。
因みにトーマス・トウェイツさんはデザイナーで、彼が手作りで一からトースターを作る「ゼロからトースターを作ってみた」という本は日本語でも出版されており、この内容で2011年にTEDで講演もしている才人です。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/news/article-3612748/Why-decided-life-
London-goat-Switzerland.html
馬鹿なのはマジメに働いている僕らってコメントが面白いw全く山羊に見えないけど、しばらく頑張れば山羊だって認めてくれるなんて、山羊に外見は関係ないのか?研究結果を詳しく知りたい。
あかん雌山羊ちゃん可愛い
同族として受け入れてくれるなら人間じゃなくてもいいような気がしてきた
所詮人間は人間でしかないというのに…
来世に期待するほうがよっぽど健全だわ
山羊のあそこは絶品だそうで、中世ヨーロッパでは戦場での下半身処理に利用されていたそうな
爆笑記事をありがとう
山羊になる前の経緯が草