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台湾で近年発掘された人骨が、世界中の人々を感動の渦に巻き込んでいます。約4800年前に発見された母親の腕には嬰児が抱かれ、母親はその子を見つめるような形で残されていたのです。
台湾の考古学の発掘チームは台中市で約4800年前の母子の化石(人骨?)を発見しました。これは台湾中部では最も古い発掘例(台南市の南科遺跡で見つかった約5000年前の人骨が最古)。
2体の人骨は、5体の子どもを含む48体と一緒に埋葬人骨として発見されました。発掘に加わった台湾の国立自然科学博物館の館長チュ・ウェイリー氏によると、発掘チームのスタッフは、母親の子どもに対する母性愛に感銘を受けたそうです。
この台中の母子が亡くなったのは地球史上では、完新世の気候最温暖期。地球軌道の変化で気温が上昇し、日本海周辺でも水面が3~5メートル高かったと言われています。縄文の人々の貝塚が比較的内陸で発見されるのはこのためです。
日本は土質的に人骨が分解されやすいのですが、貝塚の周りでは貝殻から出た炭酸カルシウムが酸性の土壌を中和したので、貝塚からは多くの人骨や狩られた動物の骨が発見されています。
実は女性と子どもが一緒に埋葬された例は日本にあります。福岡県芦屋町の山鹿貝塚は縄文後期のもので、奇しくも台中の母子と同時代です。
合計18体の人骨が出土し、そのうち20歳と30歳ほどの女性が2体と幼児1体の計3体は一緒に丁寧に屈葬されていました。2人の女性は貝や玉、サメ歯などの装飾品に身を包み、指輪の後もあったようです。
こちらもどのような状況で亡くなったのかは分かりませんが、もしかしたら、ある程度地位のある権力者またはシャーマン(巫女)が流行性の病気で亡くなり、20歳の母親と子ども、そして親族の姉が一緒に埋葬されたのかも知れません。
台中の女性の人骨の場合もなぜ嬰児を見つめながら亡くなっていたのかは分かりません。埋葬されてあることから、不慮の事故や事件で亡くなって放置された訳でないのは確かです。
あくまでも想像ですが、死産だった子どもを見つめながら、母親も生き絶えたのかも知れません。
ネット上で紹介されたこの記事には多くのコメントが寄せられています。
最新の遺伝子の研究では南方系と北方系の人々が一緒になって日本人のベースができたと考えられています。その後、次々に渡来した人々は日本人に同化していったのです。
たぶん台湾からもきっと沢山の人が渡ってきたことでしょう。台湾の考古学研究が進めば、日本人のルーツも更に解明されることでしょう。
台湾といえば、台北市の故宮博物院や国立台湾博物館が有名ですが、台湾の歴史に興味がある方はぜひ国立歴史博物館(台北市)や国立台湾自然科学博物館(台中市)、国立台湾歴史博物館(台南市)、国立台湾史前文化博物館(台東市)にも足を延ばしてみましょう。
特に国立台湾史前文化博物館は卑南遺跡の展示が充実しているのでオススメ。卑南遺跡は日本統治時代に博物学者の鹿野忠雄が発掘し、世界遺産候補にもなっている台湾最大の遺跡なのです。博物館から車で10分ほどのロケーションです。
(参考)https://www.yahoo.com/news/taiwan-finds-4-800-old-fossil-mother-
cradling-150039478.html
http://kurate-museum.com/index.php?%E4%BC%81%E7%94%BB%E5%
B1%952012
http://www.stuff.co.nz/world/asia/79355659/archaeologists-find-
4800yearold-fossil-of-mother-cradling-baby-in-taiwan
http://www.mirror.co.uk/news/world-news/mystery-what-killed-mother-
found-7839403
日本から近い台湾でこんなに古い人骨が発見されるなんてビックリした。過去限定でもいいから生きてるうちにタイムマシンできないかな。
台湾人とは遺伝子の繋がりがちょっとあるんだっけ?
たぶん、リスクの高い出産で死産の子と、その母親だろうね
出産は命懸け
今もときおり母子共に亡くなるからね…
昔なら出産で母子とも亡くなることは多かっただろう。