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東京下町の伝統工芸である江戸指物。この江戸指物の発展に身を捧げた指物師、二代目茂上豊二郎の神業は、言葉の壁を超えて世界中の人々に感動を与えています。
「指物」は日本の伝統的な技法で作られた家具や調度品のことです。その語源は、板と棒を組み「指し合わせる」からとも、「ものさし」(定規)を使うからとも言われています。
江戸時代、幕府は日本中から腕の良い職人たちを江戸に集めました。今風にいえば、政府主導の一大工業地帯が作られたような感じです。その中で指物師たちは、お互いに切磋琢磨しながら技を高めていったのです。
指物の歴史って意外と古いのです。平安時代、僧侶や貴族らへの調度品用の作りが盛んになります。これが指物の原点とされています。京都で発展した指物は、貴族文化の影響を受けて、優雅さが特徴な「京指物」になりました。
一方、江戸で発達した「江戸指物」は武家や町人の日用品として使われ、江戸っ子らしい小粋で、素材を活かしたシンプルな作りになっています。その他、大阪を中心に発達した「大阪唐木指物」などもあります。
いずれにしても、指物は金釘を1本も使わずに組み立てる工法で、日本人の手先の器用さがなせる技なのです。
他の指物産地では工程の分業化が進んだのに対して、江戸では一人の職人が最初から最後まで手作業で仕上げるという特徴があります。これは江戸職人の技と作品に対する自信とプライドの高さが影響しているのかも知れません。
さて、ここまで江戸指物全体について話を進めてきましたが、この江戸指物の伝統の継承に貢献した人物が、二代目茂上豊二郎です。
彼の工房である「茂上工芸」は、父である先代の茂上兵次郎によって1912年に創業されました。戦時中、不足する軍事物資に金属類の供出が求められる中、職人の命ともいえる道具類を土管に入れて守りぬいたそうです。
残念ながら、兵次郎は東京大空襲で亡くなり、工房も壊滅的な被害を受けます。兵次郎の下で修行をしていた息子、豊二郎が跡を継ぎ、工房を再建します。しかし受難は更に続きます。戦後、日本は大量生産・大量消費社会に変貌します。
伝統的な指物に代わり、安価な家具が広まります。江戸指物の伝統が失われる事に危機感を持った豊二郎は、製作活動に心血を注ぐ一方、後進の育成や「江戸指物協同組合」を設立に尽力するのです。
日本の伝統工芸である江戸指物を紹介する動画には海外から強い関心が集まっています。
特に、豊二郎の製作工程を紹介したドキュメンタリーは日本語の動画にも関わらず、彼の技と作品を絶賛する海外からコメントが数多く寄せられています。
これは単なる番組プログラムのヤラセ??実際にはあんな手間のかかる作業をやっていないと思うわ。
二代目茂上豊二郎は1995年に現役を引退します。その2年後の1997年には江戸指物は 国の『伝統工芸品』の指定を受けています。
現在は 息子の三代目茂上豊がその技を引き継ぎ、発展させているのです。豊二郎の育てた弟子たちも江戸指物の第一線で活躍をしています。
一流の職人によって作られた指物は、美しいだけでなく、非常に丈夫にできています。何代にも渡って使えます。メインテナンスをすれば、更に長く使うことができます。
誰でも簡単に指物師になれる訳ではありませんが、その技と作品の本物の価値を理解し続けることが大切だと思います。
(参考)http://sasimono.ciao.jp/English/learning/what_sashimono.html
http://www.japantimes.co.jp/community/2013/05/04/our-lives/master-
craftsman-carries-on-sashimono-tradition/#.VgJNtdLtmko
この技術は素晴らしい。この精密さが今の日本の技術力の高さを支えているのだと思った。このような作品は高い工作機器がなくても作れるので、貧しい国へ技術を輸出してサポートできたらいいと思う。
>このような作品は高い工作機器がなくても作れるので、貧しい国へ技術を輸出してサポートできたらいいと思う。
え?
あの鉋やらノミやらが安価なものとは思えないんだが…
道具は何十種類も揃えなきゃいけないようだし
砥石だっていいものは相当高価
※1を消さない管理人の姿勢は評価する
少なくともカイカイよりはマシw
技術の継承は一朝一夕にはいかないからね
何年も修行が必要だし、コメントにあった猫の置物を作っている人みたいな物の価値を理解しない人もいる
実際高価になるし多くの国では作り手も買い手も市場が生まれるほどには育たないよ
日本ですら難しいのだからね