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日本の武士=「Samurai」は英単語にもなっています。日本通の外国人の中には、日本人が知らないくらい「サムライ」について研究し尽くしている人から、宮本武蔵とるろうに剣心の違いが分からない人まで、さまざまな人がいます。
外国人が見た「サムライ」の素晴らしさを紹介します。
日本の漫画やアニメは様々な外国語に翻訳され、今や世界中でコミックスやDVDを買うことができます。いつでも、どこでも、誰でも日本の漫画やアニメを楽しめる時代です。
まずは、外国人向けの日本の漫画・アニメのサイトで名前が挙がっていた、人気の「サムライ」漫画をご紹介しましょう。
講談社『モーニング』に連載されています。戦国時代に織田信長や豊臣秀吉に仕えた戦国武将・古田織部を主人公として描いた歴史物語です。アニメ化もされています。
小学館『月刊IKKI』に連載されていました。田舎から江戸に出てきた侍・秋津政之助が、誘拐組織「五葉」の頭目・弥一の用心棒になる物語です。アニメ化もされています。
集英社『週刊少年ジャンプ』の人気作品です。江戸時代末期、天人が襲来したことをきっかけに、侍と攘夷志士が天人との戦争に参加するSF時代劇です。コミックスのほか、アニメ、映画、ゲームなど様々なメディアに展開されています。
誰もが知る『週刊少年ジャンプ』の人気作品です。幕末に「人斬り抜刀斎」として悪名高かった緋村剣心が、明治維新後「人を殺さない」ことを誓い、新たに生き直す物語です。コミックスのほか、様々なメディアミックス作品がリリースされています。
戦国時代、中国から来た少年・仔太郎が、奇妙な剣士名無しと出会い、明国の武装集団に追われながら旅をする時代劇アニメ映画です。
角川書店『月刊少年エース』に連載されていた原作が、『カウボーイビバップ』を手がけた渡辺信一郎氏によってアニメ化されました。ゲーム化もされています。江戸時代を舞台に、「向日葵の匂いがする侍」を探し求める物語です。
比較的新しいものもありますが、おなじみの『るろうに剣心』は、2014年現在、世界中でなんと7000万冊のコミックスが売れたという話です。シリーズのアニメのほか、映画版も知られているようです。
このように、「サムライ漫画」や「サムライアニメ」は、既に世界に通用するジャンルとして成立しつつあるのです。
では、外国人は日本の「サムライ」をどのようにイメージしているのでしょうか。彼らには、いろいろな「サムライ」の楽しみ方、受け入れ方があるようです。
2014年にオープンしたばかりのリッツカールトンホテル京都では、観光客向けの「体験旅行」として「サムライ・レッスン」という1日完結型の教室が開かれています。
17ものユネスコ世界遺産登録がある京都にふさわしい、短期の外国人旅行客に人気のスポットです。
サムライの衣装に身を包み、日本刀(もちろん本物)を使って基礎的な剣舞の動きを学んだあと、剣舞の達人によるショーの見学をします。価格は、衣装代等すべて込みで8000円程度と言いますから、価値ある企画ですね。
ホテルに宿泊の予定がない人でも、京都三条にあるサムライ剣舞シアターでは正賀流の剣舞教室に参加することができます。
正賀流の剣舞は、戦いの前に精神を統一し、自らを奮い立たせるために刀を使って舞ったとされる滋賀・近江地方の武士が起源です。
「強い信念を持ち」「潔い生き方をし」「言動に責任を持つ」ことを美意識として掲げていた近江武士の生き様を、本や映画から学ぶのではなく、まず形から入って身体で体験できます。
ところで、筆者である私は、知人(フィリピン人)にこうたずねられたことがあります。
What? と思わず聞き返してしまいました。この2人には、せいぜい「一応サムライ」という共通点しかありません。
たまたま日本の武士の話になったとき、武士とはこういうものだよ、と簡単に説明しようとしたところ、知人は「サムライ・スピリットなんて説明しなくたって当たり前だろ」と言い出し、ところで…とこの質問を私にぶつけたのでした。
「良いサムライって何なの?」と、つい質問に質問で返してしまい、その後「何だろう」「分からんのかい」と2人して笑っていたのでした。
「宮本武蔵は二刀流だろ。この2人は本当にいた歴史上の人物なの?」知人は漫画しか読んでいないので、人の知識なんていい加減なものだなと思ったものです。
それにしても、「良いサムライ」って一体何でしょう。結局、知人のいう「当たり前」とは何か、よく分からないままでしたが、日本通の外国人の中には、サムライについて日本人よりもよく知っている研究者もいるようです。
まず、「悪いサムライ」のイメージを紹介しましょう。外国人の多くが考える「悪名高き」サムライとは、『葉隠』のサムライ像と重なるようです。
あの文豪・三島由紀夫も愛読していたという『葉隠』の武士は、「武士道と云は、死ぬ事と見付たり」という一節が示すように、「死」を何より重要視していたと考えられてきました。三島由紀夫が切腹という形で最期を迎えたのは有名な話です。
関西大学のベネット教授による『新訳葉隠』は、あの『葉隠』を、様々な視点からの分析を盛り込みながら新しく英訳したものです。
三島由紀夫の自殺の衝撃か、三島の著書『葉隠入門』の影響か、とにかくこの本から武士=「死」とイメージする人が多かったのです。
しかし、この本が生まれた江戸時代という背景や、作者の姿に照らして読み直すと、さまざまなことがみえてくるといいます。
作者の山本常朝は武士でしたが、幼少期から身体が弱く、藩主からお役御免を言い渡されながらも、儒学や仏教など、さまざまな知識を習得した人物でした。
常朝は、江戸時代の武士の堕落した生活を嘆いていました。平和な時代、若い武士はルーズで怠け者だった。口を開けば金のこと、損得や家の経済事情のこと、セックスの話しかしない。
まさに「良い武士なんかいない」という状態だったのです。戦国の世が終わり、武士の役割は変わらなければならないということを意識しながらも、山本常朝は「古きよき時代」の武士を思っていたのです。
『葉隠』は、そんな江戸時代の武士の「思い」が詰まった本だといえるでしょう。ベネット教授は、この本の中で「死」の一節よりもくりかえし説かれた「四つの武士の誓い」に着目しています。
全く「死」とは関係ありませんね。むしろ、現代人にとっても「これは参考にしたいな」と思えるものではありませんか。
そのほか、『葉隠』には、「良いサムライは、首を切られてから少なくとも一つ以上の行動ができるものだ」というものがあります。驚きですね。現代に生きる日本人はこういう意味での「良いサムライ」にはなれません。
ただ、やはり、サムライの「首切り」のエピソードは外国人の印象に残るようですね。こんな動画も人気です。
「戦国時代。サムライの時代。自己犠牲の時代。勇敢と裏切りの時代。大きな藩の運命が一日で反転する時代」…
絵はかわいいのですが、ぎょっとしてしまいます。登場人物の首がみんな最初から切れています。英語がわからなくても(あまり細かいことにこだわらなければ)、歴史好きにとって楽しめそうな動画です。
エピソードはどれも面白くて、笑えるんだよ。シリアスな部分がないアニメは嫌だっていう人もいるかもしれないけど、笑わせたかと思ったら、その次の瞬間!泣かせる場面になるんだよ。で、また笑える場面に戻るのさ。メリハリがあって、画面から離れられなくなるんだよ。
私はだいたい、全体の構造がはっきりしないエピソード的な物語があまり好きじゃないんだけど、それぞれのエピソードが一つのメインの物語に向かって編みこまれていくような感じなんだ。これはある意味、大きな英雄伝になっていると言っていいと思う。
『武士道』という本の方が有名だけど、あれはサムライがいなくなってから書かれたものだ。キリスト教や西洋的な考え方のせいでゆがめられたところもある。『葉隠』は江戸中期に君主に忠誠を誓った本物のサムライの思想だ。
いかがでしたでしょうか。このように、「サムライ」は世界中で愛されているのです。中には、かなりいい加減な知識もありましたが、それも含めてみんな「サムライ」が大好きです。
それは、「サムライ」の末裔である現代日本人が愛されていて、世界中の注目の的だからです。日本人は勤勉で、信念を持ち、責任感の強い努力家で、自己を犠牲にしても他人のために尽くす。
これを「サムライ・スピリット」と呼ぶのでしょうか。自己犠牲の精神といっても、かつて『葉隠』の一節からイメージされたような、「切腹」や死に様の美しさを追求する「サムライ」は現代の日本にはいません。
そのかわり、日本人は自分を犠牲にして仕事に打ち込み、努力を重ね、他人の役に立とうとし、周囲の人々を大切にしてきました。
いわば日本人は、平和時代の「サムライ・スピリット」によって経済的文化的な発展を遂げてきたのです。「サムライ」についてもっと知りましょう。きっと世界中の人々と仲良くなれますよ。
(参考)http://www.anime-planet.com/anime/tags/samurai
http://www.forbes.com/sites/larryolmsted/2015/08/07/samurai-lessons-ritz-
carlton-launches-new-japanese-guest-experiences/
https://www.tripadvisor.com.sg/Attraction_Review-g298564-d3249405-
Reviews-Samurai_Kembu_Theater-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html
http://www.samurai-kembu.jp/jn/taiken.html
http://www.theshogunshouse.com/2014/06/the-evil-book-redeemed-
alexander.html
https://twitter.com/marcgraser/status/631074574185185280
http://www.amazon.com/Hagakure-Secret-Samurai-Tsunetoma-Yamamoto-
ebook/dp/B00K9W25KW/ref=asap_bc?ie=UTF8
マンガの影響が強いのかな?日本人でもそれほど侍に詳しい人なんて少ないと思うけど、海外で日本人より詳しい人がいるなんて変な感じがする。日本人の中にも中世の騎士が好き!みたいな人はいるのかな?
葉隠の話はその日、その日を人生最後の日と思って振る舞えって意味で受け止めてるんだけど間違ってるのかな?
「良い侍」の定義も時代によるわなぁ…。
江戸時代なら文官としての資質が高い方がいいだろうし
戦国なら当然戦上手じゃないといけないし。
いいとか悪いとかいう定義そのものが曖昧なんだよ、いい公務員と悪い公務員なんて視点によって変わるでしょう
いいサムライで思い付くのは立花宗茂かな
戦上手で公明正大、忠義よし、文化人としても活躍と子作り以外全く隙なく
秀吉、徳川三代に「西国無双」、「武士の中の武士」など高く評価されてた大名
シグルイのラストでは、武士道は従順な飼い犬になる事ではなく、そこを「修めた上でなお一歩を踏み出し超える事」ができるか否かに真価があったように思う。獣ではなく、無法者ではなく、武士として、一個の人間として、未踏の境地を。それは、たとえ一瞬でも完全なる自由。天の意志すら抵抗し同時に祝福される者、無縫の無頼。
剣心は侍じゃないけどな
領民を思い、お家をまもり、お祭りとか土木事業にお金を出してくれ目立たず愚直に藩の仕事をこなす人=いい侍だったんじゃないかな、領民としては。