日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。
ドイツのアパートに暮らすには、実は沢山の厳密なルールを守らなければなりません。
以下は、ドイツ語テキストに掲載されていたHausregel(アパート生活ルール)の1例です。テキストに載せるために作られたものかもしれませんが、実に典型的なものがリストアップされています。
2.外壁や窓に政治的なものを吊るしてはいけません。
3.13時~15時と22時~7時に騒音をたてないこと。子供は静かに遊ぶこと。
4.部屋の中での楽器演奏は一日90分とする。ただし近所迷惑にならないようにすること。
5.友人(恋人)と同居する場合、そのことを家主に伝える必要はない。家主はこれを禁止できない。
6.許可なく部屋を事務所やお店にしてはいけません。
7.賃貸契約書にペット禁止と記載がなければ、ペットOK。ただし家主に確認すること。
8.ベランダでバーベキューをしてもよい。ただし近所迷惑にならないようにすること。
9.許可なく屋根や煙突にアンテナを取り付けてはいけません。事前に家主に確認すること。
10.夜、部屋や庭でパーティをしてもよい。ただし事前にご近所に伝えておくこと。
5、7でペットや恋人の扱いには甘いのもドイツらしいですが、注目は騒音に関する3、4、10番。
特にドイツに独特なのが、3番に記載されているRuhezeit(静にするべき時間帯)のルールです。
夜の22時から朝の7時まで騒音をたててはいけないのは、明文化されていなくても日本のアパート、マンションでも同様でしょう。
ただし、ドイツではその騒音の中に「シャワー・入浴」まで含まれているのです。日本よりもぐっと冷え込むドイツの冬に、やっと家に帰り着いて雪で冷えた体を温めたくとも、22時を過ぎていたら泣く泣く諦めざるを得ません。
騒音のことでドイツの人は気軽に警察に電話をしますから、夜に入浴しただけで警察を呼ばれてしまうことになり兼ねません。
10番にあるように、パーティをする場合は、前もってご近所にお伺いを立てなければなりません。そしてたとえ住人の同意を取っていても、音をたてて良いのはやはり22時まで。それ以降は音楽などは御法度です。
そしてなによりも厄介なのが、昼間のRuhezeitです。なんと毎日!昼食後の1時から3時が、静にすべき時間に規定されているのです。これをMittagsuhe(日中の静寂時間帯)と言います。
ドイツのRuhezeitの時間帯には、シャワーや入浴だけでなく掃除機や洗濯機を動かすこと、家具を組み立てること、楽器を弾くこと、大きな音で音楽を聴くことなどが禁止されています。
法律で決まっていた時代もあったようですが、今は法律ではなく、地域ごとやアパートごとのルールとして受け止められていることが一般的です。
ドイツのアパートは、内部の改装を繰り返してモダンな様式になって入るものの、築100年を越えるものがざらにありますので、防音は日本のマンションに比べてあまり良くありません。そのせいで今も残っている風習なのかも知れません。
また、このテキスト・ブックの例文には含まれていませんが、日曜、祝日は全日がRuhezeit扱いです。
そうなると、日曜日に溜まった家事を片付けようにも洗濯も掃除も出来ず、かといって楽器を弾くことも出来ず、またこちらは厳密に法律で決められているのですが、ドイツでは日曜日は全ての店が閉店ですから、もう出来ることと言えば、教会にでも行くか、ドイツ人の大好きな「森に散歩」にでも出かける以外に時間の過ごし様がありません。
あんなルールを喜んで守ってるのは、まあ年配のドイツ人だけね。
夜も22時まで音出し大丈夫なところと、20時までのところがあるから注意して!
「ルールはルールだ。」とか「全員がルールに従うべきなんだ。」とか言ってね…。
「郷にはいれば郷に従え」でしょうか。周囲のドイツ人の、その時間帯の過ごし方を観察して、そこではどの程度の音出しまでが許されているのか徐々に見極めながら生活して行くのが安全ですね。
(参考)http://www.toytowngermany.com/lofi/index.php/t262243.html
http://www.toytowngermany.com/lofi/index.php/t241544.html
生活ルールを見たときは特に違和感はなかったけど、静かにする時間に関する説明を読んで驚いた。
シャワーまで騒音扱いになるなんてちょっと厳しすぎて、生活しづらい。
え、これ、ミュンヘンとかでしょ?