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世界最古の芸術作品と言われるフランスのラスコー洞窟の壁画は有名です。15,000年前の旧石器時代のクロマニヨン人によって描かれた絵ですが、近年は世界から大挙してくる観客の二酸化炭素の影響で壁画の劣化が進んでいます。
1980年代から復元作業や複製(レプリカ)の製作が行われています。
ラスコー洞窟の壁画については歴史の教科書で習った人も多いかも知れません。1940年、近くに住んでいた4人の子どもたちによって発見された洞窟には馬や野牛、鹿などの野生動物のほか、人間や幾何学的な模様なども描かれていました。
壁画の顔料(絵の具)は炭や血液、樹液などを使い、黒・赤・黄・茶・褐色を調合し、ブラシの代わりに動物の毛や木の枝、指が使われていたのです。
これらの絵を残した人々はクロマニヨン人と呼ばれ、現在の人間の直接の子孫と言われています。クロマニヨン人は精密な石器や呪術や埋葬など進んだ文化を持っていたことも判っています。現在の私たちにかなり近かったのですね。
この頃の日本では沖縄のクロマニヨン人(港川人)が知られています。残念ながら、こちらでは壁画は発見されていません。
アフリカを出発した人類はラスコーで1つの文化的頂点に達します。これらの絵は当時の壁画美術の最高傑作と言われ、遠近法という平面に立体感を持たせる手法も使われていたのです。
現在では一般的な手法ですが、その直接の起源は古代ギリシャの舞台美術や中世画法にあるとされています。旧石器時代後期の人々がこの高度な手法を持っていたことには驚かされます。
ラスコー洞窟は世界遺産に指定されている人類の至宝です。しかし、観光客が洞窟内で吐く大量の二酸化炭素で壁画の劣化が進み、1963年以降は一般の人々の見学は原則禁止になってしまいました。
復元と同時に、1983年からは洞窟のすぐ横に寸分違わないレプリカ(ラスコー2)を作り、観光客はそちらも見学できるようになりました。レプリカといっても全長250mの洞窟に描かれていて、その迫力には圧倒されます。
研究から完成まで20年の月日をかけて造られ、顔料もオリジナルと同じものを使うこだわりぶり。
近年、オリジナルをまるごと複製したラスコー4プロジェクト(年間収容人数40万人)も進んでいます。ラスコー2はオリジナルのラスコー洞窟に近く、自動車の排ガスなどの悪影響が懸念されていたのです。
世界で最も有名な壁画には世界中が熱い視線を注いでいます。
フランスには人類最古の壁画と考えられているショーヴェ洞窟もあり、こちらも劣化を防ぐために一般には非公開になっています。
ラスコー洞窟と同じようにレプリカがあるので、フランスを訪問の際はショーヴェ洞窟にも足を延ばしてみましょう。現在のヨーロッパには生息していないライオンの絵も観ることができます。
レプリカと3D映像、歴史、発見エピソードなどがセットになった移動式展示がラスコー3。こちらはパリを始め、アメリカ、カナダ、ベルギーなど世界中の博物館を巡回しています。
2016年後半から日本でも国立科学博物館や東北歴史博物館、九州国立博物館での巡回展示も予定されています。日本でラスコー洞窟が体験できるのは嬉しいですね。
(参考)http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/france/
12108400/Artists-complete-replica-of-Lascaux-prehistoric-cave-paintings.html
歴史の授業で習ったこがある。ヨーロッパにはいろんな遺産があって面白そうだけど、それを守るために非公開になっているなんてちょっと残念な気もする。
神様、下界の人達が俺の落書きを芸術だとか言っておりますがなぜですか?
原人よ、お前をバカにしているのですよ。
レプリカの書き方って、映画の昔の看板絵の書き方と同じだな。
そう言えば、日本に残る銭湯の壁絵描きももう一人か二人と聞いたが、ああいうのは保存しなくて良いのかね?早く何とかしないと、気づいたら誰も再現出来ないモノになっていたなんて事になりますよ。
牛の絵はマジで全アート中の最高傑作まである
遮光機土偶とかにしてもそうだけど、なぜ先史時代のアートは最高なのか