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ある日、家電や書籍、CDなどを取り扱うフランスの小売りチェーンFnac(フナック)のパリにある店舗のひとつで1人の男性が中古のスマートフォンを購入しました。ここまではよくある話。
ところがしばらくして、このスマホを使い始めた男性は驚くべきことに気が付きました。なんとこのスマホの中に前の持ち主と思われる、見知らぬ若い女性の写真がたくさん残っていたのです。
大手小売りチェーンを通して購入した中古のスマホに知らない人の写真が残されているなんてことが果たしてありうるのでしょうか?
この騒動の全貌を明らかにするためには、まずこのスマホの最初の持ち主の話をしなければなりません。2014年8月25日、1人の若い女性、レベッカさんはパリにあるFnacのうちの一店舗、des Halles店でスマートフォンを購入しました。
新品で購入したにも関わらず、アプリがうまく起動しなかったり、通話がうまくできなかったりするなどの不具合が続いたため、彼女は購入してから約2週間後、不良品としてFnacで返品手続きを行いました。
それから約1年後の2015年7月、ラファエルさんという男性がパリの同じFnacの店舗で元値の半額以下の値段でセール品として売られていた中古のスマホを購入しました。実はこの中古のスマホは元々レベッカさんが使っていたもの。
購入後、スマホをいじっていたラファエルさんはスマホの中に約200枚の知らない女性の画像が残っているのを見つけました。これは通常転売される前にすべて消去されているべきである、レベッカさんが撮った写真でした。
保存されていた写真の中には彼女の名前が特定できる写真も混じっており、興味を惹かれたこの男性はビジネス特化型SNS「LinkedIn(リンクトイン)」で彼女の名前で検索をかけました。
そして該当する人物を見つけ出し、見つけた連絡先にスマホを購入してからこれまでの状況を書き記した内容のメッセージをしたためて送りました。
突然知らない男性から驚くべき内容のメッセージが届いたレベッカさんはとても驚き、Fnacのアフターサービスのセクションに連絡を入れました。
そして、中古品として転売する前にすべてのデータを消去する義務を怠ったことで個人情報の一部である自身の写真が流出し、プライバシーが侵害されたと訴えました。
レベッカさん側としてはこれらの写真が悪意のある人間の手に落ちた場合、その写真を元に彼女が恐喝を受ける危険性があるのではないか、と主張しています。
このスマホの製造販売を行っている会社はマスコミの取材に対し、レベッカさんが所有していたものに該当するスマホの返品は受け付けていないという声明を出しています。
前の持ち主の情報を消去しないまま再度売り場に並べたFnacに今回の騒動の責任があると考えられます。しかしFnac側はこの事態を『不測の事態が招いた特殊なケース』であるとし、今後の防止対策などは特に提示していません。
Fnac側の誠意を感じられない対応に不満を持ったレベッカさんは、プライバシーを侵害されたとして、個人情報保護に関する規定が遵守されているか監視する役割を担う「情報化学と自由に関する委員会(Cnil) 」に届け出ることを決めたそうです。
この騒動について、フランス人の意見を聞いてみましょう。
個人情報の漏えいに関わる今回の騒動は、私たちの身近でも起こり得る、他人事とは思えない事件でしたね。フランス人の反応のコメントにもあるように、『実は僕(私)も…』という体験談が続々と出てきていることにも驚いてしまいます。
スマホなど高価な電化製品の場合、新品は高くてなかなか手が出せなく、手頃な価格の中古品の購入を検討される方もいらっしゃるでしょう。
日本ではきっちりとデータの消去が行われていると思いますが、同様のことが起こることは100%有りえないとは言い切れません。便利になった分、なんだか大変な世の中になってきましたね。
(参考)http://rue89.nouvelobs.com/2015/08/20/achete-smartphone-a-fnac-
y-decouvre-les-photos-dune-autre-260666
http://www.phonandroid.com/achete-smartphone-fnac-retrouve-200-photos-
ancienne-proprietaire.html
https://www.facebook.com/Rue89/posts/10153438735731140
持ち主も悪いでしょ。日本でもどこでもたまにあるじゃないかな?写真から持ち主がわかって連絡したやつがウケるww