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中国の首都、北京市海淀区のある小学生の学校外教育事情をご紹介します。
学校以外に週18コマの授業を受け、かかる学習費は年間500万円弱(4万ドル以上)にも昇るといいます。これで13億人もいる中国でわずか1%と言われているエリートになれるでしょうか。
より良い教育環境を求め、A君一家はビジネスエリアで高級住宅街でもある東北京の朝陽区にある豪邸から西北京の海淀区の古いマンションに引っ越しました。
海淀区といえば、ITの街としても有名ですが、一流大学や有名な中学校、高校が立ち並ぶ街でもあるため、中国一の教育激戦区と言っても過言ではありません。
小学一年生、7歳のA君の平日はこう過ごしています。
7時起床、8時20分登校、昼休みは宿題に埋もれ、下校後は夜8時まで塾、帰宅後は塾からの宿題、そして読書。
塾での習い事の詳細は、週に3つの教育機構で数学授業5回、国語3回、英語5回を受け、それにサッカー2回、ピアノ、囲碁とチェス1回ずつ、合計7種類で18回あります。
火曜と金曜の午後は塾のみで、月、水、木の午後放課後サッカーをした後にも塾があります。土曜日は朝8時から夜8時まで塾で過ごし、日曜日午前も休めません。
同じようなことはA君5歳の妹にも起きています。幼稚園の先生に数学能力が他の子より低いとの指摘を受け、両親は急いで娘の数学能力の評価を専門機構にお願い。その結果は彼女の実際年齢より2歳も高い小1レベルでした。
それでも低いと言われるほど、幼稚園からもうすでに激しい学力競争が繰り広がっているのです。5歳の園児の塾コースも驚くものです。数学、国語、英語にピアノ、バイオリン、ダンスに書道、絵書き、チェス、週に13回もあります。
それに、幼稚園5時放課後にはさらに園が主催する数学ロジック、手芸、囲碁など日替りサークルに参加させられています。彼女は7時起床、6時帰宅、その後ピアノの練習や宿題などを済ませて、ようやく就寝できるのは9時以降になります。
中国で一般的に学校外教育というと、世間から受験のための受動的な勉強というイメージが強いが、少なくともここ激戦区である海淀区は違います。
塾のレッスンは本当に面白くて、国語の担当先生は中国屈指の北京大学の現役講師で、古今東西の歴史を横軸で比較しながら文化と哲学の啓蒙にもなるような内容を教えています。
そして英語は新東方(有名な大手英語塾)の有名講師が担当し、退屈になりがちな文法を教え込むのでなく、英語ストーリーなどで生徒の興味を引き出しています。
また、数学も有名大学の卒業生担当で、そこで検討されている小学低学年の数学オリンピック出題は一般文系大学生も解けないほど難しいですが、子どもは解けることの楽しさを覚えたようです。
通塾に付き添う親も聞いたことのない知識が多くて、子どもと一緒に勉強している人も少なくありません。
このように充実かつハイレベルな教育を幼稚園から十数年受け続ける学生と、世に一般的な高三だけ必死に受験勉強をする学生の間は大きな差が付くようになるのは当然でしょう。
A君の小学校では卒業時にほとんどの生徒は普通大学生でもなかなかパスできない大学英検6級を通過しています。海淀区の中学生が国際学術雑誌で論文を発表することも驚くニュースではありません。
もちろん、その結果を出すには北京大、清華大の先生が指導する塾に通ってなければ無理でしょう。
ただし、エリート教育を受けられるのはごくわずかの人数です。教育激戦区の海淀区では、教育機構の目当ては年々若年化になり、社会人から中高生、小学生そして今は幼児までに。なぜ低学年の教育にこれほど資源が集まることになったのでしょう。
そのわけは、インターネットの普及により、時間拘束されないかつ安いオンライン教育が社会人のニーズに合い、急成長した末、従来の教育機構は子ども教育産業という分野に集中してきたためです。
そこで従事している講師の収入も年々上昇し、人気の講師は年俸何十万元から百万元(1,800万円)を超える人もいます。
ある国営企業の管理職の息子さんは有名大学数学専攻卒で、父親のツテで内定が決まった某大手国営金融機構の職を捨て、塾の数学講師に就きました。彼によると、塾講師の仕事は金融機構よりストレスが少なく、収入が高い魅力的な仕事だそうです。
一体、海淀区の学校外教育市場の規模はどのようなものなのでしょうか。
A君の場合、集団指導レッスンは1回に付き100〜200元(1,800〜3,600円)、1対1、1対2の少人数や個別指導レッスンは1回に付き300〜500元(5,400〜9,000円)もかかります。
塾代だけで、年間通して4万ドル(480万円)以上が必要で、子ども二人だとさらにその倍になります。この驚きの数字はアメリカ留学にも十分行かせられる金額です。
海淀区の中心部のみでの幼稚園児から高校生までの生徒は10万人以上いるため、平均年間10万元を塾に投じるとすると、百億元(1,800億円)規模の市場が存在しているとのことです。
それだけでなく、通塾の場合、母親は子どもを連れてA塾からB塾へ駆けつけ、レッスン内容もしっかりメモに取って子どもがわからなかった部分を帰ってから復習させなければならなりません。
週末は父親も一緒に勉強の付き合いをするため、行楽や旅行などを諦めるしかありません。ただし、それでもここ海淀区の住民は子どもの教育にしか興味がないため、祖父母も含めて一家の財力を合わせて子どもを支えているのが普通です。
中国の子どもみたいに、小学生が中学生の問題集を解いて、中学生が大学の微積分をマスターするが、一旦大学に入ったら遊んでばかりで結局使えない社会人になるパターンはとてもかわいそうだと思う。
年間1000万人もの大学受験生のいる、しかも全国統一入学試験で一発勝負の中国は日本より遥かに深刻な受験地獄です。その中から勝ち抜くには我々が想像も付かない努力が必要のようです。
(参考)http://blog.sina.com.cn/s/blog_49c1101d0102wlb4.html
教育熱心なのはいいけど、共産党の検閲が通った教育で大丈夫なのか不安になる。エリートほど海外留学などで真実を知る機会も多く、結局自国を嫌いになって大事な人材が外に出てっちゃうんじゃないかな。
まぁでもメジャーな科学雑誌にだいぶん載るようになってきているからねぇ
スポーツエリート育成もそうだけど日本と方向性は違えど感心はするわ
真似はせんでもいいとは思うけど