日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。
医食同源、健康にはもっぱら気を付ける人が多いことで有名な中国では、子供でも白湯を飲みます。お客さんにも白湯です。
そんな彼らが長く続けてきたのが、特に男性を惹きつけてやまない自己免疫尿療法。そして最近女性を虜にするのは、熱石療法。共通点は、お金がかからないこと?
貧しい彼らは、できることから実践します。無理なく楽しく、これが中国流!
四川省に住む一人の年配の男性が、自己免疫尿療法ついて教えてくれました。自己免疫尿療法とは、自分の尿を飲む健康法です。彼によると、尿を飲むだけで体の不調は全て改善します。腰痛だって治ります。彼の一日はこんな感じです。
その日の尿の味で、自分の体調もわかります。彼がこの自己免疫尿療法を始めたのは、1993年のこと。たまたま近所の自己免疫尿療法キャンペーンに行き、本を買ったのがきっかけです。
3度読んだ後、尿を飲み始めました。尿を飲み始めてたった3ヶ月で、麻雀をする時の老眼鏡が必要なくなったというから驚きです。
尿寮協会はどんどん拡大を続け、いまだ700以上もの団体が新規会員を募集中です。年会費でちゃんと運営も成り立っています。
ただ、これだけ結果を出しているものの、医学的には、いまだ何も証明されていません。そのためこの男性も家族とは絶縁状態。見捨てられてしまったそうです。
医師の多くは、尿には毒素が含まれているため飲むのは好ましくないと考えていますが、中には、尿には体にいい物質も含まれるため、自己免疫尿療法を否定しない医師もいます。本当のところはよくわかっていません。
一方、西安の公園では夏を前に、多くの中年女性が石に張り付いています。
夏日の公園で太陽の光に照らされ焼けついた石を、抱えたり座ったりとにかく肌に密着させることで、更に健康になれると信じる人が少なからずいます。
この熱石療法を実践するのは女性ばかりです。母娘二人で揃って焼け石に張り付いていても、殿方はみな「この石は熱すぎる…」と、寄り付こうともしません。
中国に古くから伝わるこの熱石療法ですが、やはり医師の間での評判はあまりよくありません。
女性たちが熱心に石に張り付く西安でも、「こういう民間療法はあてにならない。熱中症の心配もあるし、最悪の場合ガンにだってなりうる」と、かなり否定的な見方をする医師がいます。
その他、そう大々的には行われていないものの、まだまだいろいろな民間療法がある中国。その中でも炎療法は比較的よく見かけるかもしれません。
燃えているのはもちろんタオルではありません。吹きかけたアルコールが燃えているだけですが、とても熱いので血行を促進し、体調を整えます。
ただ、同じような中国の伝統療法である、「カッピング」(透明のガラスのコップを体に貼り付け毒素を吸い出す)や「グアシャー」(ヤギの角を体にこすりつけ血行を促進する)ほど注目を集めることなく、中国国内でのみ細々と受け継がれています。
続いては、栄養食品療法。中国はとても国土が広いので、いろいろなものが手に入るのは一部の大都市だけ。山間部や奥地にはまだまだ取り残された地域がたくさんあります。そういった所へ栄養食品を売りに行けば、この通り、とてもよく売れます。
こちらは湖南省の奥地。物がない地域なので、皆大喜びで栄養食品を買っています。10元(200円)もしない商品を160元(3200円)で購入する彼ら。肉まんが1つ5円もしない地域での3200円ですから結構な買い物です。
それを誇らしげに見せてくれる年配の女性もその後ろの女性も、日頃の農作業できっと心も体もボロボロでしょう。そんな彼らを食い物にする民間療法詐欺ビジネスが健在なのも事実です。
ぼったくられているだけならいいですが、どうか体に害のあるものが入っていませんように。
そして当然と言うか残念と言うか、民間療法の死亡例も報告されています。
シドニーで糖尿病の代替治療を受けていた7歳の男児が亡くなりました。中国医学の名医のセミナーを受けているうち意識を失い、運ばれた先の病院で亡くなったのです。
この療法は「動脈をたたき、筋肉をストレッチする」もので、これにより毒素を体の外へ追い出す効果があると言われています。
セミナーは一週間で14万円と非常に高額で、この中国人医師はオーストラリアだけでなくアメリカなどでも講習会を開いている、有名な講師です。彼は結局取り調べの後に国外追放となりましたが、今でもこの療法を続けています。
貧しい国で発展しがちな民間療法。それに頼るしかない人達がいて、それを悪用してひと儲けしようとする人がいます。
命に関わることだけに、もう少し注意深く考えて欲しいものですが、あまり気にしない人が多いのも事実です。その発想そのものが、広大な大地を生きる中国人的発想ということでしょうか。
(参考)http://shanghaiist.com/2016/06/27/hot_rock_health_trend.php
http://shanghaiist.com/2016/06/29/urine_therapy_cures_all.php
http://shanghaiist.com/2015/05/04/7-yo-australian-child-dies-after-chinese-
slapping-therapy-workshop.php
http://shanghaiist.com/2014/07/11/11-traditional-chinese-therapies-that-will-
weird-you-out.php
3200円で健康食品を買ったドヤ顔のおばさんの左後ろの人が面白い。中国で民間療法や健康食品が人気なら、まずは食の安全についてもっと理解を示して欲しい。
むかし日本で尿療法が話題になった時に
ビートたけしが「これを実行出来る時点ですでに健康だ」といっていたことが忘れられない
名言だ