ベルギーはオランダと並んで安楽死のための処置が法的に認められている国です。
その件数は過去10年にわたって増え続けてきましたが、最近世界で初めて、回復の見込みのない病気で苦しむ子供への安楽死も認めることが決定されたことにより、その後の動向について周辺国からも高い注目を集めていました。
増え続ける安楽死
ベルギーの有力紙が発表した数字によると2013年にベルギーで行われた安楽死のケースは1,816件。この数字は1,432件だった2012年度より26%以上増えました。
イギリスのニュースサイトの過激な表現によるとベルギーの医師は平均して一人につき毎月5人を安楽死として「殺して」いる計算になるそうです。
このまま坂を転がり落ちるように件数が増えていくのではないか・・・安楽死に反対する運動家たちは、回復の見込みがないとはいえない状態の人たちや、うつ状態の人たちにも安楽死が用いられるケースが増えることを危惧しています。
安楽死のハードルが低すぎる!
彼らが特に不安を感じているのは、安楽死の件数の15パーセントを占める60歳未満の人たちについてでしょう。過去には性転換手術に失敗した40代の女性が手術跡のひどさに耐えきれず安楽死を選んだことがあったといいます。
また、もともと聴力に障害があった45歳の双子がこのままだと盲目になるだろうと診断されて安楽死を選んだケースもあったそうです。
確かに悲惨な事例ですが、命に関わる病気ではないのに将来を悲観したことによって法的な安楽死が認められるというのは少し不安ですね。
日本では逆に延命治療の多さを問題視する声をよく聞くので、こうした理由で医師が自殺に協力してくれるというベルギーの安易さを知ると驚かされます。
このベルギーの安楽死問題と、それについて「殺す(killing)」という表現を使ったマスコミに対して、もともと安楽死問題への関心が高い欧米からを中心に多数の注目と反応が集まりました。
- 私たちは犬が苦しんでいる時、同じことをするわ。それから不要になった数千の犬たちに対しても。
- このニュースのタイトルは物騒ね。ある日突然、たまたま思いついて安楽死に同意する人なんて誰もいない。彼らはずっと苦しんきて、肉体的に楽になることを望んだのよ。私はアメリカでも安楽死が理解され行われることを望んでいるわ。
- 彼らは殺されたんじゃない、彼らは人間らしく死ぬ手助けを受けたんだ。そこには大きな違いがある。
- 痛みから解放してあげる点には完全に同意するわ。もし寿命がきたら私はベルギーに行くわ。すぐに天国で皆さんと会えるでしょう。zzz
- とはいえ、もしこれらの人々がアメリカに来て銃で自殺したら、多くの人たちは銃規制を求めるんだろうな。
- この人たちは彼らが信じられないことを信じるほかの人に従うのではなく、自分自身のための選択をしたのよ。
- なんでもないことさ。ただ言っておきたいのは、ここアメリカでは医者は一分ごとにたくさんの中絶手術を行っているってこと。
- 以前、外国から来ていた労働者が死んだとき、ベルギー人たちは家族からの許可を取らずに勝手に移植用の臓器を取っていってしまった。とても間違っていることだけれど、なぜか知らないが、彼らはそれをやってしまう。
- もし私がモルヒネの力を借りて静かに痛みなく死ぬことを希望したら、医師たちは後で私の責任にして望みをかなえてくれるの。私の死体に手錠をかけるかもしれないけどね。
- このニュースのヘッドラインは恥ずべきものだわ。「五人を殺している」ってあるけれど、安楽死処置なのだから彼らは殺されたわけじゃ全くない。
- 人は選ぶ権利をもつべき。特に痛みの中にいる人は。子供に関しては心の成熟にあわせた年齢制限をもうけるべき。
- 難しい問題だ。わかるのは私だったら不治の病の末期だったり、痴呆症だったりしたら自殺を選ぶということ。
- また「殺す」って感情的な表現がでてきたわ。私がすべての新聞を前にして言いたいのは、私のやらなくてはいけないことは市役所に連絡をとるだけ、それだけで安楽死の意思を書き換えることができるってこと。
反対する人たちに言いたいのは反対するのはあなたたちの選択だということ。あなたたちが選択しないことを選択する人たちもいる。他人の問題に首を突っ込まないで。
- とても難しい問題だ。盲目になると診断された人達と性転換手術が悪化した人はこうした形で痛みを避けたのだ。長期間の苦しみは避けることができるし、痛みは人の人生を生きるに値しなくする。
そこには終わりや解決がなく、他の家族も苦しんでいる。それは当たり前のように扱うべきじゃないし、人の生も死もそう扱うべきじゃない。それは天の与えたものだから。
- もし神の存在を信じている人がいるなら私はそれを尊重するし、また苦しんで死ぬことを選ぶその人の選択を尊重するわ。けど私はそういう選択はしないし、そして神を信じる人たちも私の選択と希望を尊重すべきと思う。お互いのために。
- 常に宗教が持ち込まれるこうした問題が次から次へ取り上げられるたび、頭がおかしくなりそう。もし安楽死に反対する人たちが激しい痛みの中で生きたいと望むなら、彼らの空想の友人が彼らの人生を終わらせるまで、どうぞそれを楽しんでほしい。けれど痛みなく死を迎えたがる普通の人を非難しないで。
- 患者にとって良いことだ。臭気に満ちた看護施設にしばりつけられるより、ベルギーのような所で年をとりたいね。
- 人は自殺する権利がある。その死をほかの人が法的に手助けしてくれるなんて期待するな。
- 医者が、安楽死したがっている人のための注射針を持って病棟を歩いているようなことはありえません。安楽死には厳しい審査があります。患者の精神がしっかりしていないと認められないことになっているので、このような記事は世論操作を狙ったものです。
あなたは本当にただ自分が気分よくいるために、他の誰かを想像できない痛みで苦しめることができますか?わたし個人は家族の重荷になり、痛みをもたらすくらいなら安楽死させてもらいたい。必要なのは自分自身を気にかけ、そして人生をよりよく生きることに集中すること。
- この記事にネガティブな要素は見つからないわ。これは間違いなく毎日五人以上の人が苦しみをできる限り減らされて平和に死んでいるということを意味している。これは人道的な大勝利だし、他の文化を持つ地域も手本にしてほしいわ。
痛みや苦しみ、家族への負担を考えた人たちによる安楽死制度を支持する意見もうなずけますが、果たしてそこまで医療機関に依存してしまって良いのかという懐疑派の意見も見るべきものがあります。
もしこの制度が他の国々に広がっていくとしても、それまでにはさらなる議論が必要になりそうです。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/news/article-2641773/Five-people-
killed-EVERY-DAY-assisted-suicide-Belgium-euthanasia-cases-
soar-27-cent-year-alone.html
生きる自由とともに死ぬ自由もあっていいんじゃないだろうか?日本で延命して苦しんでいる人達を見ると、ときどき逆にかわいそうとも思える。安楽死とは本当にいい表現だと思う。
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- 医者が毎日5人を殺す!ベルギーの進んだ?医療制度とは
なぜ安楽死はよくて死刑は許されないのか。
既にブラックジャックで通った道