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少し前に日本のニュースで「0(ゼロ)葬」という言葉を聞きました。宗教学者が名付けた現代の葬式観で「葬儀は不要」「お墓もいらない」「遺灰も火葬場で処分」という葬送方法です。
日本の中でも、自分の死後について価値観が多様化してきた証拠でしょう。世界に目を向けてみても、やはり「死」に関して実に多様な価値観が溢れています。ここではそんな「死」に関する習慣を見ていきたいと思います。
★インドで妻が夫を亡くした際に、夫に敬意を表するために後追い焼身自殺の習慣がありました。元々は自分の意志で決めることができたのですが、時が経つにつれて強制心中させられるようになったとか。現在は倫理的観点から廃止されています。
またフィジーにも、亡くなった人をあの世で一人にしてはいけないという考えがあり、つながりの深い家族を(主に首を絞めて)殺すという習慣がありました。そうすることで「死」が孤独でなくなると信じられていました。
★フィリピンで上写真のように棺が崖にぶら下げられている光景を目にすることがあります。
古代信仰においては棺を宙にぶら下げることで魔物に遺体を連れていかれないようにする目的だったそうですが、現代はそれが転じて魂を浄化するという名目になっています。
★西パプアニューギニアに居住するダニ族には、家族の一員が死ぬと指を一つずつ切り落とす習慣があります。
個人に対する愛情表現とされており、切った指は遺体と共にお墓に埋められます。指は個人の魂と永遠に離れないというシンボルとして考えられているそうです。
★南米ベネズエラに住むヤノマミ族は死んだ人間を火葬した後、その灰をスープに混ぜて食する習慣があります。体内に取り込むことで故人の魂が永遠に生き続けることが出来ると信じられているからだそうです。
焼いた後に灰のままにしておくことは失礼にあたり故人の魂が悲しむと考えられています。死後すぐに食べてしまうことで、魂が戻り生きている人間に憑りついてしまうことを避けることが出来るんだとか。
★アメリカ合衆国は効率を重視した国として有名です。ファストフードチェーン店は街角のあちこちに立ち並び、ほぼ誰でも車から下りることなく食べ物を手にすることが出来ます。
この「ドライブスルー」をお葬式に利用した地域があります。車を留めると係りの人が遺体を点検し、運転手は車のシートから書類にサインをして終了。なんともあっさりした効率化されたお葬式です。
★イタリアのローマでは棺に管が埋め込まれていて、外部からその管を通して蜂蜜やワインやその他の食べ物を流し込めるようになっています。亡くなってもお墓の中で好きな食べ物を楽しんで欲しいと願いを込めて。
★マダガスカルの部族の習慣に、墓に埋められた遺体を掘り起こし綺麗なシーツを着せ、故人の墓の周りを音楽に合わせて踊るお祭りがあります。
基本的には親族一同や親しい友人が招かれて、故人とつながりのあった人間がつながりを持つパーティーと考えられています。
生存している家族は正装して、伝統的音楽を歌い踊ることで、故人の魂を神のもとへ届け正しく生まれ変われるよう祈りが込められています。
★夏祭りの見物と言えば花火ですよね。大きな花火大会の後には、何とも言えない興奮と物寂しさが残ります。世界にはこの花火をお葬式に使う習慣もあります。
火葬の後に、灰や残骸をまとめ打ち上げ花火と一緒に、天国に向かって発射。華やかな一生を終えた故人の最後にふさわしい力強いイベントにする、という考えがあるようです。
★同パプアニューギニアには故人の体を食べる習慣がありました。現在では食生活が以前に比べて安定してきているのであまり行われなくなっていますが、以前は葬儀の際に遺体の周りに親戚が集まり、火で焼いて食べていたそうです。
もともとはジャングルなどで道に迷い食事が無くなってしまった場合の対処方法が起源になっています。
★北米の北太平洋海岸付近には、故人の体を外部に放置し肉食獣に食べさせる習慣があったそうです。そうすることで火葬や埋葬の必要がなくなり、魂を肉体から切り離してあの世へ円滑に送ることが出来るという考えから来ているということです。
★チベット民族の習慣に「鳥葬」と呼ばれ、故人の体を山や丘など高い地域に置き、ワシやコンドルと言った猛禽類に食べさせる儀式が残っています。
残った骨はすりつぶしてカラスなどに与えます。それが死者の魂が迷わずにあの世に送られると信じられています。
そう考えると世界の葬儀のいくつかは金銭的な心配よりもそれぞれの思いを表現出来るような習慣になっていて、それに対しては敬意を表するわ。
そういう意味で「クレイジー」よりも「興味深い」とか「伝統のある」とか、敬意を表した表現にするべきだと思うよ。まぁ「クレイジー」っていう言葉に反応する読者側にも責任があるんだけどね。
今は舗装されて道路になっているだけ。だから葬式っていう文化について良い悪いって議論するのはあまり意味が無いと思う。自分の知らないことを知るのは面白いよね。
海外の人にとっても、世界に存在する不可思議なお葬式に色々な意見を抱いているのが分かります。このようなちょっと「怖い」伝統を日本人は強制されることがなく良かったなと感じてしまいます。
ここで挙げたもの以外でも、死者の体を科学変化によりダイアモンドに変えようとするダイアモンド葬、木に一年以上もの間放置する木葬、宇宙に向かって火葬後の灰を放つ宇宙葬など。
まだまだ私たちの生活ではなかなか目にすることの無いお葬式は沢山あります。実際こういう習慣の中で育った、自分たちとは全く価値観の違う人たちと話をすることでもっと知見や世界的な視野が広がることでしょう。
(参考)http://www.trendsnhealth.com/15-most-shocking-and-weird-traditions
http://www.wonderslist.com/10-bizarre-traditions/
http://www.wonderslist.com/10-bizarre-funeral-traditions-world/
http://listverse.com/2012/08/18/top-10-fascinating-funerals/
いろいろな風習から葬式の仕方も様々だが、灰を飲んだり指を切ったり、意味がないと思えることばかりで、なぜその風習が続いているのか理解できない。そんなことしなくても大丈夫だよ!と伝えてあげたい。
打ち上げ花火良いな
↑魍魎の匣のアニメ思い出した。
宇宙葬とか海に撒くのとかいいな〜。お墓はなくてもいい派。
指を死者に贈ったり灰を食べたりを最初にし出した人は、愛が起因になってるのはわかるよ
今でもだれに教えられるでもなく灰を舐めてしまう人はいるし