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皆さん、次の写真を見てください。これが何の葉っぱか分かりますか?
この葉っぱは、チャットと呼ばれ、主に東アフリカやアラビア半島の南部に生息している、何十年も立った木にしか生えてこない食用ハーブです。
チャットは、噛むとコーヒーのような少し苦めの味がし決して美味しい葉っぱとは言えないのですが、アルコールが禁じられているイスラム諸国では、特に男性の集まりなどで、会話をしながらチューインガムのようにかむ葉っぱとして、何千年も前から伝わっているある意味、伝統的な葉っぱなのです。
しかし、このチャット、今年6月24日を持って、イギリスでは輸入禁止植物となってしまったのです。なぜだか理由は分かりますか?
実は、この葉っぱ、イギリスで、クラスCドラッグとして認定されたのです。イギリスでは、薬物が体と社会に与える影響を考慮して、ABCと3分類に禁止薬物が分けられています。一番強い物がA、次がB、そして最後がCと言う順番です。なぜ、チャットがクラスCドラックに分類されたのでしょう?
この植物には、覚醒剤に利用される、カチノンとカチンという化学物質が含まれているのです。この2つの化学物質は、体と精神をシャープにしてくれると同時に、精神的に落ち着き、幸せな気分となったり、おしゃべりになったり、と言ういわゆる“ハイになる”効果があります。しかし、チャット自体に含まれているカチノンとカチンの量は、少量なため別名“アラブのお茶”と呼ばれたりもしています。
しかし、身体的・肉体的な後遺症があると言われています。身体的には、不眠症や一時的な混乱、既に精神的問題を抱えている場合は、精神状態が悪化し、不安感をより増したり、攻撃的になったりするそうです。肉体的には、口の中に炎症を起こしたり、歯を痛めたり、最悪な場合は、口腔ガンになるとも指摘されています。
実際のところ、国際的にチャット自体の研究は十分にされておらず、イギリス国内でも使用者の数が比較的少ないために、上に述べたようなドラッグとしての強度や後遺症の確定的な証拠はつかめていないのです。
チャットが禁止される前は、2,560トンのチャットが毎年イギリスに輸入され、関税だけで年間250万ポンド(約4億4千万円)を稼いでいました。今回のチャット禁止令で、この貴重な収益を失う事になります。また、イギリス国内では、ソマリア人、イエメン人、エチオピア人がよく通う何百件と言うチャットカフェが廃業に追い込まれる事にもなるのです。
しかし、輸出側の農家はもっと深刻な状況です。イギリスに輸入されていたチャットの大半は、ケニアの町、メルから取り寄せられていました。この禁止令後、イギリス政府の見積もりでは50万人、ケニアの国会議員達は、さらに高い見積もりの200万人のチャット農家が仕事を失う事になると推測しています。
また、チャット工場で働いている若者や子供たちが、職を失った結果、影響力を強めているイラム教過激組織、アル・シャバブの兵士になる恐れも十分に考えられます。そのため、この禁止令を受けて、一部のケニア国会議員の間では、抗議のためにケニアにあるイギリス軍事施設を攻撃するとまで、声明を出す始末になっています。
西ロンドンの倉庫に保管されているチャットを取りに来たカフェオーナー達
チャットが身体に及ぼす悪影響の十分な科学的証明も無い上に、経済的に非常に大きな被害をもたらす結果となるこの禁止令。なぜ、イギリス政府はこのような究極の選択をしたのでしょうか。
実は、現イギリス政権をリードする保守党の失業対策の一部として注目されてしまったのです。イギリス首相のデビット・キャメロン氏は、
と演説しています。
チャットをかみ続ける男性
また、イギリスでは、チャットを主に愛用するソマリア、イエメン、ケニア人コミュニティーからも苦情が多数寄せられていたのです。
この苦情は主に、彼らの妻や母親たちから出されたもので、彼女たちは、自分の夫や息子が、イギリス社会に溶け込むことも無く、チャットを愛用し続ける結果、就職や教育にも悪影響を与えているというのです。また、一晩中チャットを噛み続けるために家にいる時間も少なく、家族は崩壊寸前だというのです。
今月、国連は90%の男性、70%の女性がチャットを吸っているイエメンについて以下のような報告を提出しています。
イギリス政府の出した今回の結論、あなたなら納得がいきますか?
チャットを噛みながら任務に就くイエメン兵
日本でも薬物汚染が非常に大きな問題になっている今日この頃。高度情報化社会になり、インターネットや携帯などを通じて、一般の人でも覚醒剤が手に入り易くなった社会です。
しかし、オランダなどのヨーロッパ諸国のように、コーヒーショップで合法に麻薬を吸えるところの無い社会であると同時に、まだ覚醒剤をする事に対して恥じる文化もあります。
経済的に厳しい状況が続く中で、仕事に疲れたお父さんが、ハムスターのように口一杯にチャットをほおばりながら陽気に帰ってくる姿を見る事のない日本。なんともあり得そうに無い話だけれども、幸せな話のような気もします。皆さんはどう思いますか?
(参考)http://www.bbc.co.uk/news/uk-27921832
http://www.emcdda.europa.eu/publications/
drugnet/online/2011/74/article9
http://www.theguardian.com/world/2014/jun/27/
us-seventeen-charged-global-khat-trafficking-ring
https://munchies.vice.com/articles/the-uk-
khat-ban-is-impacting-african-farmers/
http://zeenews.india.com/news/world/yemen-on-
brink-of-economic-collapse-un_944670.html
チャットなんていう植物があるのを初めて知ったが、何千年も昔から人びとに親しまれている植物なら、なかなか規制するのも難しいと思う。チャットを噛みながら任務につくイエメン兵はちょっとやり過ぎで、顔が変に見える。
カートとか中東独特の風習的なドラッグは結構あるよね
南米なんかはコカの葉を石灰と一緒に噛むと高山病が防げるとか
サボテンで儀式とかいろいろ有るんだよなw
ハワイアンウッドローズ、朝鮮朝顔etc
チャットが違法薬物扱いされてるんだからコカインやその他の薬物製作者同様の扱いすべき
アフリカには違う産業が必要 合法的で未来ある産業な
イギリスとケニアはグルですね
過激派組織がイギリスでよからぬことをすると言うストーリーの為に
本当はチャットが輸出できなくなってなら
チャット畑を他の作物畑に変えれば
当座は混乱するにしても失業者の数は言われてるような数にはならない
事態を大げさに言う事で非常事態のように思わせる
チャット禁止の目的は紛争
じゃあ、酒とタバコも違法にするべき。チャットだけ違法なのはおかしい。
アヘン戦争しかけたイギリスが
自国の事となると規制するんだね。