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子供のころ、冬になると、親に「下着をしっかり着なさい」と言われた方もいるでしょう。じっとしている時には気付かないのですが、公園などで走り回っていると、確かに下着をたくさん着ていた時の方がポカポカしやすいものでした。最近では、ヒートテックなど繊維の技術も進歩しているようで、薄手でも暖かい機能的なインナーが多くなったようです。
ところで、この下着の着用について、社会人になってから、会社の方針として命令を受けたことがある方はいるでしょうか。もしくは国の方針として……。
ある年の1月、韓国政府は政府職員に対して、今後、勤務中は厚手の下着を着用するよう業務命令を出しました。発熱や保温機能のあるヒートテックのようなものであれば、なお良いと。
韓国では、この年の冬、大寒波に見舞われたことで、国内の電力消費量は発電能力をほぼ超え、今後、大規模な停電が起きる可能性がありました。そこで政府は官公庁などに対して、午前11時から午後12時と午後5時から6時の合計2時間、暖房の使用は禁じるとのお達しを出したわけです。また暖房器具を使用する際には、設定温度を(摂氏)18度以下にしなければならなくなりました。
ご存じの通り、韓国の冬はとても寒い。1月の平均気温は、最低がマイナス6.1度、最高は1.6度と、暖房なしではとても耐えられない気温です。寒さの激しい時には、マイナス15度まで下がることもあります。
もちろんこうした動きは政府機関内だけに留まらず、国民にも推奨されています。ところで、この下着着用案を推した一人、イ・ミョンバク前大統領は、次のようなコメントを出しています。
さて、世界に寒い地方は数多く存在していますが、この下着着用案に人々はどう感じているのでしょうか。
電気の供給において、この年の冬は問題なく乗り切った韓国。しかし結果的には、数カ月後の9月にソウルで大規模な停電が起こってしまいました。
夏の電力供給のピーク時を過ぎた時期で、予想以上に電力需要が膨らんだためとしていますが、偽造部品の使用など原発関連の不祥事が相次いだことにより、国内の3分の1の発電所が稼働を停止していたことが実際の原因のようです。
また、この「下着着用令」の思わぬ余波として、機能性インナーや長袖の下着、長ズボン下などの販売が好調となったようです。お洒落なデザインのものが増え、若い女性にも大人気なんだとか。
驚くことに、長ズボン下は特に20代の女性に人気なんだそうです。いかに、韓国の冬が寒いのかを物語っているようですね。
政府は、厳寒の中、電気エネルギーを消費する代わりに、ヒートテックなどの下着を着用することで、国民が自ら発熱し保温をするよう勧めたわけです。
国家レベルの発言としては珍妙なものを感じますが、エコの原点に立ち返れば正しい判断なのかもしれません。
(参考)http://www.weirdasianews.com/2011/01/19/south-
korean-government-wear-underwear/
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2067301/
South-Korean-president-wears-thermal-underwear-to
-countrys-power-crisis.html
日本の隣にあるので日本と同じような気候だと思ったけど、韓国の冬がこんなにも寒いなんて初めて知った。
日本も原発が使えなくなり、電力供給が危ういので他人事ではなくなってきていると思う。