日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。
私たち日本人が何気なく行っていることがほかの国に行くと法律違反になる?実はそんな驚くべきことが意外と簡単に起こってしまうのです。
例えばガムを噛むという何気ない習慣です。お昼ご飯のあと、ちょっとすっきりしたいときにさりげなくガムを取り出して口に、なんていう光景はごく普通に見られるでしょう。
コンビニエンスストアでも、スーパーでも、どこにでも手に入るガム。しかしこのガムの所有並びに消費が法律違反になり罰則を科せられる国があるのです。
そもそもいつこの法律が制定されたのでしょうか。元をたどると、1992年シンガポール政府がガムの輸入と販売を禁止したことがきっかけです。
もし販売しているのが見つかった場合には罰金が科せられ、ガムを噛んでいるのが見つかった場合でも同じ措置になります。
ちなみに旅行などで持ち込んだことが発覚した場合、最大1万シンガポールドル(約81万円)の罰金が科されるのです!観光客にも容赦ありません。
実はこの法律が制定されるきっかけになった一つの出来事があります。それは、ある地下鉄にまつわる事件です。
地下鉄のドアにガムが貼り付けられて(吐き捨てられていた)センサーが反応しなくなり電車が遅れたことがあり、一歩間違えば大事故になっていた。
この事件からこのガム禁止の法律制定に至りました。また、シンガポールは景観を大事にする国として有名なだけに、ポイ捨てされたガムが地面に貼りついてそれが人にも景観にも害を及ぼしていたという状況からこの法律が作られたわけです。
ちなみに2004年にはこの法律に少しの変更が加えられ、薬局など許可を得れば医療用ガムの販売や広告が条件付きで認められるようになりました。
しかしここもまた規制は厳しく、販売できるのは薬局だけ。そして購入する側にも消費者としての登録が義務付けられ、もし登録していない消費者に販売した場合、販売者は2年間の投獄に科せられるそうです。ちなみにこの体制は現在も残っています。
ということで多大な罰金を払いたくなければ、シンガポールに入国の際はガムは絶対に持っていかないという鉄則です。
景観を大事にするゆえにガムまで禁止されてしまったシンガポールですが、この国の現状を世界の人々はどのような目で見ているのでしょうか。
シンガポール国民にとってはちょっと厳しい法律かもしれないが、観光大国としてそれで観光客が来て経済が成り立っているならそれくらい法律で規制してもいいんじゃないかな。
結局は国民が恩恵を受けているわけだから。
このようにシンガポールに旅行の際は綿密な下調べが欠かせないといえます。景観を大事にするがゆえに様々な規制が設けられているので、例え外からの観光客であってもその国にいる間はその国の法律を守る必要があります。
日本のように規制ではなくマナー教育によって清潔さが保たれているのは、案外普通のようで特別なことなのかもしれません。
“公共の福祉”や“マナー”に重きが置かれ学校などで教育が十分になされ続け、シンガポールのように規制を設けなくても清潔さが保たれるように願うものです。
(参考)http://elpais.com/diario/1992/01/03/sociedad/694393204_850215.html
たしかにポイ捨ては景観に悪いけど、地下鉄のドアに貼り付けるのも全部マナーの問題で販売禁止はやりすぎだと思う。
禁止も一つの例だけど、他にもっといい方法があるのでは?