ナイジェリアでイスラム過激派“ボコ・ハラム”による少女誘拐事件が発生し、世界中から抗議の声が上がると共に支援の申し出が相次いでいます。ナイジェリア政府は誘拐された200人以上の少女たちを必ず連れ戻し、少女たちが家族の元に無事帰還するまで戦い続けると宣言。アメリカやイギリスをはじめとする欧米各国の支援も本格化しました。
この事件を受けてナイジェリア出身の女性記者が次のような記事を伝えています。
ボコ・ハラムと戦い続けるナイジェリア
「アフリカでは食糧生産の約70%を女性が占めており、小規模企業の経営に励む女性も多くいるため、少女たちを教育することがナイジェリアの成長と発展の基盤になると考えられている。立法面や経営面でリーダーシップを発揮する女性も多い。ナイジェリアは女性の教育を促し、権利の拡大に力を入れているからこそ、テロリストの反抗を許さず、ボコ・ハラムと戦い続けているのだ」
「国の発展を目指し、政治的腐敗と戦い、国民の成長指標を改善しようと懸命なナイジェリア政府は不平等と排斥の課題に取り組み、とりわけ経済的に貧困に苦しんでいる北部地域に関しては社会的保護を投入する計画を開始してもいる」
女性の教育と権利拡大
「今回の少女誘拐事件によって、少女や女性の教育と暮らしを支えるナイジェリアの努力が阻まれることはない。少女たちの奪還計画が進む一方で、すでに安全性の高い学校作りも始まっている。両親と生徒が安心して学べる環境を作ろうとさらなる努力が講じられているのだ」
女性の教育と権利拡大に取り組む政府の活動を主張する報道ですが、これに対する世界の反応はさまざまです。何よりも少女たちの帰還を願いつつも、事実との相違や現状を伝えていないと指摘する人もいます。
- 大臣たちがこの事件について話しているのを聞いたけど、正直、彼らは対応を求める親御さんたちを非難していたように思えた。控えめに言っても、ナイジェリア政府の反応はちょっと遅かった気がする。
- 同性愛者差別の法律を持つ政府に、思いやりのある行動を期待するのは難しい。
- 数年前にナイジェリア出身の人と一緒に働いたことがある。彼はナイジェリアがとても豊かで、アフリカで一番の金持ちだと主張したときには驚いたな。巨大な軍隊もあるって。今回の状況への対応を嫌がっていなかったとすれば、彼らの行動は遅かったように思う。理由は分からないけれど。
- これって気がかりじゃない? 間違いだらけの国はたくさんあるけど、そういう国と同じように、一部の特定の人たちだけが豊かで、それ以外の人たちは貧困に苦しんでいる。もちろん、今回の誘拐された少女たちについて伝えたニュースの論点を乗っ取るつもりはないけれど、テロリズムは貧しさを糧にして利益を得ようとしているように思うから、そういう問題にナイジェリア政府は対応すべきだと思うの。何よりも彼らが最優先すべきことは少女たちを見つけて家に連れ帰ることよ。
- ナイジェリアが抱える問題すべてを取り除こうと必死にがんばっている、と記事は伝えているけれど、上層部の腐敗について明かした中央銀行の頭取が解雇されているよね。
- ボコ・ハラムの事件が起きるまで「ナイジェリア政府は女性の権利のために多くのことに取り組んでいる」なんて聞いたことがなかったんだけど。今回の事件で議論が始まったってこと?
- (上記のコメントに対して)それはね、存在していないからだよ。だから聞いたことがないんだ。どんな大統領も、高い地位にいる女性の友人のために女性の権利を叫ぶんだ。
- ナイジェリアでは俺たちが動物園に入れられているような感じだと思ってくれ。だから見下すのはやめろ。欧米の人たちは発展途上国の人たちを下に見て話すのが好きだよな。
- ナイジェリア政府や欧米メディアは今回の事件を「教育が盗まれた」とか「誘拐」だと言って、もうひとつの重要な事柄を省略している。実際、彼女たちは残りの一生、自分たちを捕らえた男どもにレイプされるために誘拐されたのであって、その拷問はすでに始まっているんだ。なんでこれが報じられない? なぜ表面化しない? どうして議論されないんだ?
- (上記のコメントに対して)事実のように書いているけどそうじゃない。誰が何を疑おうと、真実は分からない。とにかく、できるだけ早く子供たちを連れ戻さなければいけないんだ。
- 数カ月前に、ボコ・ハラムによって学校で火炙りにされた60人くらいの男の子たちの権利はどうだっていうんだ? それ以降、大虐殺についての言及がない。女性や少女の権利を自由主義化する上で、この都合のいい関心は欧米、とりわけアメリカによって引き起こされたように思える。それでも、ただ今は神に祈る。少女たちが傷つく前に家に帰れますように。
- なんでナイジェリアの事件にアメリカとイギリスが関わってくるわけ? ナイジェリアは自分で解決すべき。それか、ナイジェリアの人たちが解決すべき自国の問題。
- ボコ・ハラムは2009年から活動しているのに、まるで最近になって初めて彼らの名前を聞いたかのような記事に仕上がっていることを指摘しておくことは良いことだと思う。2009年7月には3日間で1,000人以上が虐殺されたのよ。
- ナイジェリアの経済担当大臣へ。まず、ナイジェリアの消えた200億ポンド(約3兆4,000億円)はどうした? なぜそれを報告しない? しかも、あるインタビューでは反乱は切り離された問題だと言ったよな? ナイジェリアの経済状態に影響を及ぼさない、と! ナイジェリアの人たちは大統領を告発し、追い出すべきだ!
- 変なの。関わりたくない。
- 俺も関わりたくない。ナイジェリアの無関心な反応に対して世界中から非難が集まったときにしか行動が起きない。
- 新たに植えた苗も教育を受けた少女もナイジェリアを修復することはない。ボコ・ハラムに関わった人々はすべて殺される。北部を一掃することが唯一の方法。
- 私はまず間違いなく、ナイジェリアの政府は世界からの注目を浴びなければ少女たちをひっそりと隠したと思っているわ。ナイジェリアに住み、働いたことがあるから、どういうことかは手に取るように分かるの。ナイジェリアの政府は援助資金提供者と大統領のようなエリートで成っている。メディアだって自由じゃない。国民も自由じゃない。ナイジェリアは貪欲と嫉妬によって破壊されるものすごい国よ。石油が血なの。そして血が石油。
- 大臣も、政府が素晴らしい仕事をしているって発言したぞ!
- この記事を書いた記者は状況的に、このナンセンスさがばからしいと気づいていないのかな?
少女誘拐事件は許されることではありませんが、この事件を利用してナイジェリアが女性の教育や権利拡大に尽力していると強調することは現実とかけ離れているのかもしれません。事実、ナイジェリア政府が女性のために「多くの仕事を成し遂げている」と言うには疑問の余地があります。女性の社会進出についてはまだまだ課題が多い日本ですが、それでも教育の権利に関しては男性と女性に差はありません。
(参考)http://www.theguardian.com/global/2014/may/09/nigeria-our-girls-boko-haram-chibok
イスラムの過激派はいったいどれだけ世界で問題を起こせば気が済むのだろうか。日本でも拉致事件がまだ解決しないままだが、ナイジェリアの200人もの少女は無事帰ることができるか、相手が相手なだけに心配だ。
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- 少女たちを守れ!女性の教育と権利拡大で戦うナイジェリア