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メキシコの首都メキシコシティで地下鉄に乗ると、背中に背負ったリュックサックから大音量で音楽を流しながら乗車してくる人に出会うことがあります。いきなりそんな人が現れたらびっくりしませんか?しますよね。
そして手にCDを持って、なにやら他の乗客に向かって話しかけています。彼らが何をしているのかというと、そう、 まさに背中のリュックサックに仕込んだCDプレーヤーで再生中のCDを販売しているんです。
しかも、販売されているのはすべて海賊版。ビートルズやマイケルジャクソン、 有名アーティストのカバー曲なんかも流れています。
販売されているのは、CDだけではありません。裁縫セットや文房具、ライター、ガムなどなど…駅に着くとだれか乗ってきて、次の駅に着くと、今度は別の人が入れ替わりでやってくる。
彼らは「バゴネロス」と呼ばれています。バゴネロスの得る収入は課税されず国内総生産にも統計されない非公式経済、すなわち違法労働者なのです。
こんな習慣があるだけでもおどろきなですが、さらに驚きなのは、バゴネロスを撤退させるべくメキシコシティ連邦政府が講じた策です。それは、汚染撤退をしたらひとりひとりに毎月152ドル支払うということ。この金額がびっくりするほど高額なんです。
メキシコシティの最低賃金は1日およそ5ドル。月の勤務日数を30日とすると同等の金額になります。しかし、いくら勤勉といわれる日本人でも1ヶ月間休みなく働く人は稀でしょう。
そう考えると、最低賃金以上の金額が支払われるということになりますね。日本に置き換えて考えると、例えば、首都東京の最低賃金は850円。この金額に勤務日数30日をかけると、25万5千円。つまり働かずして毎月これだけの金額がもらえるというわけです。こう考えると大金だということがわかりますね。
この支払いは、上限2千500人までで6ヶ月間とされていて、もし、2千500人に6ヶ月支払い続けるとなると総額は2百27万ドルにもおよびます。これは公共交通機関の収入や税金が財源となっています。
さらには、バゴネロスを対象とした職業訓練への予算も用意されており、その額はおよそ676万ドル。車の整備士やコンピュータ関連、会計アシスタント、配管工、大工などの仕事への就職を目標とした職業訓練を提供すると発表されています。
メキシコシティでは、電車内での騒音やバゴネロスと利用者の暴力事件などが問題となっており、昨年末からこの施策が発表された3月までのたった3ヶ月間で、およそ3210人のバゴネロスが民事裁判所に送られています。
これほどまでに大掛かりに行なわれようとしているバゴネロスの排除。表面的な問題だけでなく、教育制度、社会保障システムなどさまざまな問題が見え隠れする中、この政策は成功するのでしょうか。
これに比べて日本の公共交通機関はなんと整備され気持ちよく利用できるものか。改めてありがたみを感じますね。
(参考)http://www.banderasnews.com/1403/nr-vagoneroson
thedfmetro.htm
http://www.cctv-america.tv/2014/01/13/mexico-reports
-from-the-underground/(動画あり)
http://aristeguinoticias.com/0702/mexico/gdf-pagara-
2-mil-pesos-a-cada-vagonero-del-metro/
なぜこういう人たちにお金を援助するのか全く理解できない。大音量で他人に迷惑をかける人たちは、罰金にしてもいいぐらいだと思う。
日本もハロウィンになると地下鉄で暴れる人がいるそうだが、普段は大音量で迷惑をかける人はいないと思う。