日本と同じはイヤだ！戦後70年に北朝鮮「平壌時間」を制定へ

今年は戦後70年の節目の年です。国会では連日、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が審議され、安倍首相による戦後70年談話の内容にも世界各国から注目が集まっています。

そんな中、北朝鮮が行動に出ました！なんと、これまでは日本と同じ標準時間を用いてきた北朝鮮ですが、「祖国開放70年」を記念し、今年8月15日から、日本標準時より30分遅い「平壌時間」を用いるというのです。

「平壌時間」制定に関しては、お隣・韓国や中国でも大々的に報道され、さまざまな意見が寄せられています。

日本との「時間の境界線」

北朝鮮の国営通信社・朝鮮中央通信の8月7日付の報道によると、最高人民会議常任委員会（注：北朝鮮の最高主権機関および立法機関である最高人民会議の常設機関、いわゆる日本での「国会」）は8月15日より北朝鮮の標準時間を変更し、「平壌時間」を新しく用いるという政令を発表しました。

これまで北朝鮮は、日本や韓国と同じく、協定世界時（UTC）を9時間進めた時刻（注：UTC＋9。9時間というのは、東経135度分の時差）区分に属し、この標準時間を使ってきました。

しかし、基準となっている「東経135度」は、韓国および北朝鮮の領域内を通過しておらず、日本を通過しています。

歴史をみてみると、大韓帝国時代（1897年～1910年）、当時の政府は、現代化を目指し、1908年4月1日に、東経127度30分を基準とする標準時間を採用し、日本標準時よりも32分遅い時間が使われていました。

その後、日本統治時代に突入し、1912年1月1日に東経135度基準に改められ、日本標準時と同じになりました。

（協定世界時UST ＋9の区分図。「鳳凰網」より抜粋）

最高人民会議常任委員会は次のように表明しています。

今後は、大韓帝国時代と同じように、東経127度30分を基準とする「平壌時間」を使うことで、日本との時差が30分できるようになります。つまり、日本が13時30分の場合、北朝鮮は13時ということになります。

お隣・韓国は…　いい迷惑？

「平壌時間」制定のニュースは、韓国でも国営通信社・聯合ニュースや朝鮮日報などでも取り上げられました。

聯合ニュースによると、「実際のところ、韓国国内でも以前より標準時間を変更すべきという意見があるが、経済的問題や駐韓国米軍との軍事作戦などの問題があり、日本標準時を採用している」と報じています。

また、現実的な問題として、「北朝鮮が新標準時を採用することで、韓国と北朝鮮間の交流にも混乱をきたす。例えば、開城工業地区（注：北朝鮮南部の開城市郊外にある経済特区で、韓国企業の工場も操業。南北経済協力の象徴）の入出場時間や、航空管理などの方面においても調整が必要となってくる」と頭を悩ましています。

「平壌時間」制定のニュースは、韓国以外にも中国のネットニュース・新華網や中国新聞網などでも大々的に報じられ、多くの中国ネットユーザーがコメントを寄せています。その一部を紹介しますと…。

など、全体的には、皮肉的なコメントと北朝鮮の決断を支持する意見が半々といった感じでした。

誰が何と言おうと、それでもやるといったらやる！

標準時間を変更することは、現実的に容易なことではありません。韓国のメディアが懸念するように、今後細かい問題が発生し、随時対応を迫られることでしょう。

しかし、2009年に「デノミ」を実施し、通貨単価を変更したように、やるといったらやるのが北朝鮮。

いずれにせよ、戦後70年たった今も日本への憎しみや対抗心は癒されないということを実感するニュースですね。

（参考）http://news.ifeng.com/a/20150807/44371638_0.shtml
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1361476http://weibo.com/
vistastory
http://www.weibo.com/1323527941/CuHkPjyYq?c=spr_qdhz_bd_baidusmt_
weibo_s&type=comment#_loginLayer_1438935384468
http://world.haiwainet.cn/n/2015/0807/c345805-29031146.html

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