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1953年の日本映画『東京物語』(小津安二郎監督)が、イギリスの雑誌で世界一の映画に認定されました。
白黒の古い映画が、なぜ最近になって世界でこんなにも評価されているのでしょうか。このランキングに投票したのは、世界の映画監督や批評家達、数百人です。
また、最近のヴェネツィア映画祭(イタリア)で『東京物語』修復版が上映されたり、同じくカンヌ映画祭(フランス)でも『秋刀魚の味』(これも小津安二郎監督作品)が上映されたりなど、にわかに世界で『小津安二郎ブーム』が起きています。
※写真は、小津安二郎監督。
最近、妻夫木聡や蒼井優出演の『東京家族』という映画がありましたが、あれはもともと、小津安二郎監督『東京物語』のリメイクです。
62年前の映画を現代の俳優でリメイクしても全く古びていないのが素晴らしいですね。でも、なぜこんなに古い映画が、世界でナンバーワンなのか疑問を抱く人も多いかもしれませんね。
観たことがない人の為に、あらすじを簡単に紹介します。
広島に住む老夫婦が、東京に住む子供達に会いに出かけて行くが、忙しい子供達は、夫婦を少々邪険に扱い老夫婦は居場所を失い…と、これから観る予定がある方の為に、ラストは言いませんが、とてもシンプルな話です。
でも、でもね、皆さんの中で親のある人なら、一度は同じような経験があるんじゃないでしょうか。仕事が忙しかったり、遊びが忙しかったり、もしくは子育てに必死で、訪ねてきた両親を少し邪魔臭く感じてしまったこと。
自分が自立するまでは親にお世話になっておきながら、いざ独り立ちして忙しく日常を送っていると、なかなか両親に「ありがとう」を伝える機会ってないですよね。
この映画を観た人それぞれに、親や兄弟との関わり方があるんでしょうけど、どんな人でも、母親の胎内からこの世に生まれてきて、オムツの世話から食べ物の世話まで親(またはそれに代わる人)にやってもらうわけです。
小さい頃は、親=自分の世界全てだったのが、自立するにつれだんだん自分の世界が出来て、親の庇護から離れていくわけです。
それって、日本に限らず、全世界共通のことですよね?62年も前の映画が世界中で評価され続けているのって、その辺のことが理由なんじゃないでしょうか。
もちろん、小津安二郎監督の独特のカメラワークや、演出の方法が、その芸術性の高さから評価されてのことでしょう。
だけど、『東京物語』については、どの時代でも通じる人間の性(さが)が丁寧に描かれたお話だからこんなに評価されているのだと思います。
筆者も、初めてこの映画を観た時は泣きましたよ、ええ。何か、自分にも少し思い当たる点がありましてね、へへっ。
人間の本質を描いた作品は、何年たっても、いつまでも古びない、そう感じました。そして、国境を越えて世界中の人の胸に響くのでしょう。
ではここで、海外の人々のこの映画へのコメントを通して、世界を唸らせたその魅力に迫ります。
自分がこの老夫婦のような世代になった時に、子供達にこんな風に扱われるのかなと感じさせてくれた。とても静かな映画なのに、ひしひしと伝わってくるものがあるよ。
映画に対する賞賛の声と共に、日本人の礼儀正しさに感嘆の声を上げるコメントも幾つかありました。自分たちの要求を次から次に主張するような西洋の文化と違って、自らの感情を押し殺したような日本人の姿に感銘を受けた外国人も多いようです。
いずれにしても、何十年も前の日本の映画が世界ナンバーワンと認められたことは、私たち日本人にとっても喜ばしいことです。
それと同時に、昔から私たち日本人に受け継がれてきた礼儀正しさや、相手を思いやる気遣いの姿勢を改めて、大切にしていきたいですね。
最後に、『東京物語』のように親に不義理してしまったことのある人は、早速親に電話してみては?もし親がもういないという人は、空の向こうに祈りましょう。「ありがとう」と。
(参考)http://www.amazon.com/Tokyo-Story-The-Criterion-Collection/dp/B00005JLV7
多くの人が見たことない映画だと思うけど、世界で一番の映画が日本映画なんて驚いた。誰もが感じたことのある感情をこの映画の中で描いていて、世界中で多くの観客の心を掴んだからだと思う。
ローアングルの固定カメラって拘りが印象深い作品。
※1
散々真似されとるな
小津作品て日本的って思われてるけど、結構直接的で乾いた表現してるから海外でも受けるんじゃないかね。
33歳男で映画は人並み以上に観てるけど、小津が断トツ1番好きな映画監督。他の映画と全然違う。時代も国も越える普遍性こそが最高の証。
原節子ってまだご存命なんだよね。
女優辞めてから一切表には出てこなくなったけど。
タイトル聞いただけで胸がシクシクする
見た事無い。
古い映画に興味は無かったけど見てみよう。
映鑑批の授業で見たわ@日芸映画学科
昔から見よう見ようとは思いつつ
あらすじのあまりの地味さになかなか食指が動かず、ついつい後回しにしてしまってた
ハリウッドでは黒澤が評価され小津はヨーロッパで評価が高い印象だわ
芸術として映画を捉えたときに光るものがあるんだろね
40歳までには見てみようと思う
今じゃ演出家の質、撮影や美術の質、役者の質すべてが低くて
日本映画が様々な才能に溢れてた時代があった過去の遺産すらもう消え去り残りカスもない状態
どうしてこうなったのかね
映画はビジネスの日本に於いては発展するわけはない。
質問は簡単だ。
あなたは家族や友人達と一緒に毎月映画に行きますか?
小津安二郎も好きだけど木下恵介にもいい映画がありますよ。
小津だけではありません。溝口健二も成瀬巳喜男も清水宏もいるし、木下恵介、渋谷実もいます。映画が娯楽と芸術に分かれておらず、映画が映画であった時代。
最後の原節子さんの吐露と、淡々と、それでいて優しくそれを受け止める笠智衆さんの「親子」のやりとりに、ガツンとやられた…
瀬戸内海の優しい風景と東京の都会慌ただしい風景との対比も見事だったなぁ。
現代の日本人も小津安二郎を再発見して欲しいな…
原節子さんはお綺麗ですよね。
ぜひ観たいと思います。
ありがとうございます。
この映画を観ようと思った切っ掛けは、アマゾンで他に観たい映画が無くなってしまった事(汗)と、昔の日本の風景や世界観を感じてみたくなったからでした。そこには戦後、急速に発展しつつある昭和の東京と、広島の「いにしえの日本」がありました。それは製作意図的で無い当時の日本を感じ取れた事がとても新鮮であり、そして意外にも女優陣の妙な色気(否、真の色気かも)に目を奪われたことがとても収穫になりました。
ワンシーンが長くてセリフもゆっくり。
ホント何気ない話なのに心に残る。