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明治の初めに日本を訪れたイギリス人写真家が撮影した写真の美しさが話題になっています。彼はフェリーチェ・ベアトというイタリア生まれのイギリス人写真家です。
ベアトは報道・従軍写真家として世界中で活躍をしていました。クリミア戦争やインド大反乱、アロー戦争(第二次アヘン戦争)、下関戦争など歴史的に重要な出来事を写真に記録しています。
私たちの世界史や日本史の教科書にも彼の写真は使われているんです。彼は世界で初めて戦死者の様子を写真におさめて、戦場の悲惨さを生々しく報道ことでも知られています。
また彼はアジア、特に日本の写真を数多く撮影し、東洋文化を西洋に紹介したのです。
ベアトは江戸時代末期の1863年に来日しています。ちょうど明治政府誕生5年前の激動の時代だったのです。江戸幕府は彼に異例の行動の自由を保証しています。
その頃撮影された写真には、1864年の下関戦争で欧米列強に占領された砲台や、戊辰戦争の薩摩藩士なども含まれています。
1871年、鎖国下の李氏朝鮮とアメリカとの間で武力衝突が起こると、アメリカ軍に従軍して朝鮮を撮影しています。これは記録に残る朝鮮最古の写真として有名です。
ベアトの撮影の対象は戦場だけにとどまりません。その関心は、当時の普通の日本人の日常生活や風景など多岐に渡ります。
彼の目には200年間も鎖国状態だった日本の全てが刺激的だったのでしょう。21年間におよぶ日本滞在中に数多くの写真を撮影しています。残念ながら、一部の写真は横浜の大火事で多くの写真・ネガを失っています。
ベアトは多才な人だったようで、実業家としても、また駐日ギリシア総領事としても活躍しています。
彼の作品の写真は大型フィルムを使っているので、今の高画素デジカメにも負けないくらいの高画質なんです。色付けには日本の水彩と木版技術が応用されています。当時の日本をカラーで知る貴重な資料です。
また写真からはいろいろな事を知ることができます。例えば、日本人男性の体格の小ささです。また、力士のレベルは分かりませんが、現在と比べたら体が細く貧弱に見えます。この150年間で日本人の体格が大きく変化したことも分かります。
ベアトの撮影した19世紀の日本の写真に対して、世界中から絶賛のコメントが寄せられています。
後世に貴重な写真を数多く残したベアトですが、残念ながら幼少期と晩年の詳しい記録があまり残っていません。イギリスやロシアなどでも写真学校の教師や写真館をしていたようですが、77歳の時にイタリアで亡くなります。
彼は写真を通じて日本の芸術界に大きな足跡を残しています。彼の作品の和洋折衷の色付けには独特の美しさがあります。
彼は自身の作品の色付けを高度な熟練の技を持つ浮世絵師たちに任せたのです。 ベアトの作品は第一級の歴史的な資料であるとともに、芸術品でもあるのです。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/femail/article-3092617/Courtesans-
samurai-tender-family-scenes-Stunning-colour-photos-Edo-era-Japan-dating-
1863-display.html#comments
これはすごい!もっといろいろ見てみたいと思ったけど、 火事でなくなったなんて本当に残念だ。海外コメントにもあるように日本は本当に面白い国だと思う。
日本人として、ご先祖様に出会えたような思いで、嬉しさで胸が高鳴りました。
今の私たちに残して下さった大切なものですね。
ますます、日本人として、恥じないような、誇りある行動を心がけたいと思います。