当サイトについて

日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。

PR

【称賛】敗戦後わずか5年でトップに登りつめた世界のクロサワ!

このエントリーをはてなブックマークに追加

J296
敗戦の混乱期の中で製作・公開された黒澤映画「羅生門」は1951年のベネチア映画祭の最高賞を獲得しました。彼の作品は世界中の観客に衝撃を与え、その後の映画界に強い影響を残しました。

今なお「世界のクロサワ」としてファンを魅了しています。

18

観客の度肝を抜いた斬新な映画

日本は第2次世界大戦の敗戦で大きなダメージを受けました。1950年、まだアメリカの占領下だった日本から映画監督、黒澤明は世界に衝撃を与える作品を発表しました。この映画「羅生門」は文豪、芥川龍之介の小説「藪の中」と「羅生門」の2作をベースに作られています。

ハリウッドのような撮影専用施設もない当時の日本では、わずか3つのロケーションと最小限の撮影セットのみで撮影が行われました。それでもこの映画が世界的評価を得た理由は3つ挙げられます。

これまでにないカメラワーク

1つ目はこれまでにない大胆かつ繊細なカメラワークです。1つのカットを複数のアングルで撮影をしたり、望遠レンズを使うなどして臨場感と躍動感が伝わるようになっています。

観客は自分の目でみているような自然な感覚でスクリーンに釘付けになってしまいます。また登場人物の心理的内面を表すような絵画的で印象的なカットが散りばめられています。それまでの映画では注目されなかった太陽や影などの自然な光の動きも効果的に使われています。

緻密なシナリオ

2つ目は緻密に練られたシナリオです。この映画では、強姦と殺人という事件に対して、4人の当事者と証人がそれぞれの立場で真相について異なった証言をします。黒澤監督は「真実は人の解釈次第である」という普遍的なテーマをスクリーンで初めて取り扱ったのです。

なお、この作品で見事に表現された「矛盾する解釈・多様な現実」という見方は「羅生門効果」として今日の司法や心理学の分野に名を残しています。

人間臭さが生々しく伝わる演技

そして最後は役者の演技です。黒澤監督は役者たちに複雑かつ高度な演技を大胆にこなすよう求めました。難解なシナリオに合わせて各々が1人4役をこなさなければなりません。

そしてそれぞれの役と一体となり、舞台役者のように分かりやすく演じているのです。黒澤監督の過酷な要求に応えた演技からは登場人物達の人間臭さが生々しく伝わってきます。

19
20

それでは、今日の世界の人々はどのように黒澤監督と「羅生門」を評価しているのか、紹介していきます。

「羅生門」は日本初の世界的映画じゃなかったかしら?
国際関係学の先生は私たち法学部生にこの映画を観ることを進めてくれたけれど、この映画の言わんとすることが理解できないの。誰か説明して下さい。
これは目撃証言の問題点を指摘しているんです。
自分本位な証言は他人の証言を否定するものではない。黒澤監督は私達が混乱するのを楽しんでいるんです。
この作品は他の分野にも大きな影響を与えた映画です。大学の犯罪学のクラスでこの映画を観ることを勧められました。
画期的で重要な娯楽映画として完璧な1作品。日本映画の金字塔。
驚愕なコンセプトと絶句するほどの出来栄えです。最も影響を受けた映画作品の1つ。非の打ち所のない作品だと思います。
人は嘘つきです。ほとんどの場合、自分自身に対してすら正直になれない。
何と偉大な映画なのだろう。そして物凄くクールな作品。
絶対的な真実はあるんですよ。人は生まれながらにして自己中心的でうぬぼれている。自身の「独り善がり」を認識することはできない。
私の偉大な師匠!!黒澤明監督!
3つの最高傑作映画を選ぶのは容易じゃないけど、私の中では「羅生門」は「2001年宇宙の旅」と「市民ケーン」が選ばれる。
この映画は黒澤監督作品に触れるきっかけとなった作品です。60年代に映画館で観たのをしっかり覚えています。
世の中に絶対的な真実なんてありません。真実だと認識しているか、そう記憶したいと思っているかのいずれかです。
「羅生門」以外にも黒澤監督の名作は沢山ありますよ。
素晴らしい作品!
私は小説の「羅生門」を読んだけど、この映画の原作じゃないね。先に確認しとくべきだった。私はこの映画が観たいの!
黒澤明監督のカメラワークは素晴らしい。
この作品は私の若い頃に影響を受けた作品の1つ。本当に黒澤監督は鬼才でした!
黒澤作品は全部好きだけど、特に「七人の侍」が好き。
結局、誰が本当のことを言っていたんだ?
沢山の哲学的要素を含んだ素晴らしい喜劇。最高傑作の1つ。
過去最高傑作の1つ。いろいろな視点から物事を判断することの大切さを教えてくれます。平和や正義の根幹は忍耐と寛容さなんだから、譲り合いの精神は大切ですよね。
正直言って日本映画は素晴らしい。
エンディングが凄くいい。人間性への僅かな希望のメッセージがある。7年も前に観た映画とは思えないぐらい印象深い作品。
この映画は観る度に新しい発見と興奮があります。この根本テーマを黒澤監督ほど天才的な手法で描いた人はいません。
鑑賞後に長くわだかまりが残る名作映画の1つ。どの話が事実なのか?どの話が真実味があるのか?結局のところみんな嘘をついているの?誰を信じるか、誰も信じないのかは全てあなた次第。
映画史上の最高傑作!
この映画の役者、音楽そしてストーリーは現代の日本映画すら凌駕している。ここには日本文化の真髄がある。
「羅生門」は強い衝撃を受けた映画です。作中では異なる視点から同じ出来事を語っています。これは時代を超越した作品です。多くの作品が「羅生門」のアイディアを模倣しているけど、全く及ばないね。
異なる視点で語られる全く異なる出来事。作中では見解の違いが分かりやすく表現されています。

世界各国で尊敬される黒澤監督

黒澤監督が鬼才であったことは誰もが認めることですが、総合芸術である映画は1人では作れません。「羅生門」の国際的評価は、彼の才能を支える役者や撮影スタッフなどの人材が戦後の日本映画界に揃っていたことを示しています。

また日本の素晴らしい歴史や高いレベルの文学などあらゆる要素が彼の映画を支えていたのです。彼の作品は今日でも世界中の人々に愛され、映画監督や映画評論家からも尊敬されています。

その中にはフラン・スコッポラやジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、チャン・イーモウと言った高名な監督も含まれています。

(参考)
http://www.classicartfilms.com/rashomon-1950
https://www.youtube.com/watch?v=xCZ9TguVOIA
http://genius.com/Benjamin-r-swanson-rashomon-analysis-annotated
http://www.rogerebert.com/reviews/great-movie-rashomon-1950 
http://www.criterion.com/current/posts/195-the-rashomon-effect
https://starreviews.wordpress.com/2013/09/03/rashomon-1950/

海外のコメント見るとこんな古い映画をよく見てるなぁと思った。海外でも有名な映画らしいけど、日本でもテレビでやってくれないかな?激動の時代によくここまで影響力のある作品が作れたのはすごい。

PR【黄金の国ジパング】では、アフィリエイトプログラムを利用し、アコム社から委託を受け広告収益を得て運営しています。

今日の人気記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
  1. 日本の名無しさん
    2015年8月6日 10:09 PM

    敗戦後わずか五年つうけど、戦前から映画製作の蓄積あったし

    菊と刀でも戦前の日本映画は絶賛されてんね
    IMDBでも、高評価の戦前の日本映画あるな

  2. 日本の名無しさん
    2015年8月6日 10:29 PM

    芥川の小説では「藪の中」だったから、羅生門の題名で見たならそりゃ違う作品だよね

  3. 日本の名無しさん
    2015年8月6日 11:11 PM

    芥川とか太宰の近代文学は文体が古いから微妙〜に読みにくいんだけど
    「藪の中」はあまりに面白くてスラスラ読めたから
    それ原作にしてれば面白いわ…
    映画見たことないから見てみようかな。
    ここよむ限りほぼ「藪の中」の感想だけど上手くくっつけてるのかな?

  4. 日本の名無しさん
    2015年8月6日 11:27 PM

    日本映画の現状は悲惨です。

  5. 日本の名無しさん
    2015年8月7日 12:49 AM

    フィルムで観ないと伝わりにくいけど陰影の使い方が神がかってて、白黒とは思えないくらい色彩感じる。技術力が凄いんだよねぇ。今やロストテクノロジーだけど。
    とは言え、
    小津「東京物語」 (1953)
    溝口「雨月物語」 (1953)
    木下「二十四の瞳」 (1954)
    黒澤「七人の侍」 (1954)
    成瀬「浮雲」 (1955)
    羅生門からの日本映画の無双っぷりは半端ないっすわ。

  6. 日本の名無しさん
    2015年8月7日 4:14 PM

    ゴジラ忘れるな七人の侍とゴジラが同じ年に公開されるとかすげーは

コメントをする



Copyright © 2014 黄金の国ジパング All Rights Reserved.