日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。
奈良の風物詩でもあり、観光客を楽しませてくれる鹿。鹿せんべいをあげるときに鹿がお辞儀をしてくれる、というのは観光客によく知られています。しかしこの動作に対して外国人は「なんて礼儀正しいんだ・・・」とビックリしているようです。
古くから日本に生息する鹿は、神聖な動物として古来より保護されてきました。現在では国の天然記念物にも指定され、奈良公園やその周辺で1300頭以上が生息しています。
日本で見られる鹿の学名はCervus nippon、和名はニホンジカ。ニホンジカの種類には、エゾシカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカ、ヤクシカ、ツシマジカなどが含まれますが、奈良にいる鹿はホンシュウジカに属します。
産まれたときは3000g前後の鹿は、成獣になるとオスで60~100kg、メスで40~60kgに成長します。鹿の毛は、春から夏にかけてはいわゆる鹿の子模様の茶色に白い斑点、秋から冬には斑点は消えてメスは灰褐色、オスは濃い茶色に換毛します。
平均寿命はオスが約15才、メスが約20才と言われています。奈良の各鹿の行動範囲は10~20haと、東京ドーム2~5個分に及びます。
それぞれ特定の休み場、採食場、泊まり場を持ち、ほとんど決まったルートで移動しますが、オスとメスは基本的に別々の群れを形成しています。
奈良の鹿の食は、奈良公園の広大なシバ地に依存しています。シバの他にはススキやイネ科の植物などを食べることもありますが、観光客が与える鹿せんべいは鹿にとってはおやつにすぎません。
鹿がお辞儀をすることを覚えたのは、観光客が鹿せんべいをあげるときにお辞儀をしたほうがもらえる確立が高いということを鹿が学習したためです。
このジェスチャーは頭突きを示唆していると警戒する意見もありますが、ほとんどの場合奈良の鹿に見られるお辞儀は単に食べ物欲しさに覚えた芸であるようです。
元々は、ハエをはらうため、あるいはえさをくれない人間にいらつきを見せるため、その他なんらかの理由でたまたま頭をひょいと動かしたときに、人間が都合よく「お辞儀してる!」と解釈し、えさを与えたためにこの動きを繰り返し行い、お辞儀をする鹿が誕生しました。
これは、犬が後ろ足で立って顔をななめに傾けておねだりポーズをすると、飼い主はそのかわいさに負けてほしいものをあげてしまうということに似ています。動物は常に報酬と結びつけて行動を学習しているのです。
このお辞儀の習性は意図的に訓練された動作とはいえないものの、何千人もの観光客が絶えず同じ動きを繰り返すことを考えれば、鹿が簡単に覚えてしまったことにもうなずけます。
しかし、意図せずして同じ動作を繰り返し教えてしまうことにより、単にかわいいだけではなく危険な動作となってしまうこともあります。
えさをもらうために観光客を軽く頭で突いて追いかけた鹿は、目論見どおりえさをもらうことができてしまいます。
人間は、頭を振ったり軽く頭突きしたりといった鹿の好ましくない行動に対抗しているつもりでも、実際にはより激しい頭突きをするよう助長してしまっていることがよくあります。
その行動をやめさせるのではなく、もっと激しくその行動をしなければ成功しない、ということを教えてしまうのです。これにより問題はより深刻になりかねません。
「えさを食べている間は攻撃されることはないからあげてしまえ」というのは多くの人に共通の一時しのぎの考えです。そんな人間の都合とはおかまいなしに動物は毎回学習します。
ペットや小さな子どもが飼い主や親の注意を引くためにうるさくしたり悪さをしたりすることがよくあるでしょう。これは、そうすれば簡単に注意を引くことができると過去の経験から学習しているためです。
「えさをあげなかったら噛まれた。鹿は攻撃的だ」という観光客がいますが、鹿という動物が攻撃的だと決め付けてしまうのはよくある間違いです。一人の観光客との接触が次の観光客に対する鹿の態度を変えてしまいます。
鹿という動物が攻撃的なわけではありません。攻撃的な態度を取るように無意識に訓練されてしまっているのです。それと同時に、お辞儀をする鹿に見られるように他の動作も簡単に教えることができます。
礼儀正しくお辞儀をしてくれる鹿と、頭突きや噛み付こうとしてくる鹿とどちらがいいですか?動作の良し悪しにかかわらず、気付かないうちに動物に影響を与えてしまうことがあることを忘れてはなりません。
また、奈良の鹿はあくまでも野生の動物ですので、人間が与える影響だけでなく、春は出産後のメスの鹿が我が子を守るため、あるいは秋にオスの鹿は発情期に入るため、気が荒くなっていて攻撃的になりやすいこともあります。
観光客に愛想を振りまいて鹿せんべいをもらおうとする鹿もいれば、少し強引におねだりしてもらう鹿もいるようです。
お辞儀をしてくれた鹿にせんべいをあげるのを忘れないことと、頭突きをするような鹿にはせんべいをあげないようにすることが大事だということがわかりました。
また、1年のうちでも気性が荒い鹿が多くなる時期があることも知っておくとよいでしょう。奈良に行ったときにはこれらのことに注意して、お辞儀をするかわいい鹿と触れ合ってみてはいかがですか?
(参考)http://i.imgur.com/g4Ev2hq.gif
http://naradeer.com/aboutnaradeer/index.html
http://caninesinaction.com/2013/08/polite-pushy-deer/
http://www.reddit.com/r/gifs/comments/22zznf/the_bowing_deer_of_nara_japan/
こんなに鹿の特性について学んだのは初めてだったので、面白かった。動物は単純で基本的な心理で行動しているのがよくわかった。夜の鹿とか、結構恐いから地元の人は近づかないって聞くけど、事故が起きないようもっと鹿のことを知ってもらいたい。
動物も環境に順応するからな。
優しく扱えば気性も優しくなるし、粗暴に扱えば気性も荒くなる。
お辞儀だけさせといてバイバイ。
「愛と青春の旅立ち」かよ。
白人は粋じゃねーよな。
煎餅の一枚もやれない貧乏は鹿が居る処に立ち入るな。
犬が顔を斜めにするのは耳の高さを変えて分解能を高め、人の言ってることをよく聴こうとする行動
人が話しかけるとき以外にもそうして建物の外の音を聴こうとしたりする習性であって芸ではない
ウチの犬もやってた。鼻でソレを、ココに、置け!じゃないか?
握手しないと餌をやらない様にしたら、
そのうち学習して鹿が握手してくれる様になるかもな。
この記事は間違っています!!!!
鹿のお辞儀のようなポーズは「芸」なんかではありません!!
この動作は「催促・威嚇」の意味を持ちます!!
子の動作を見たあと、鹿せんべいをあげずに帰ると噛まれたりします!!
鹿たちのためにも、どうか真に受けないでくださいね…