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「手編みのニット製品」と聞いて頭に浮かぶのは、マフラー、手袋、セーターなどですね。中にはベッドカバーなどの大作に挑戦する人もいるようですが、なんと手編みニットで子供が乗って遊べる「巨大遊具」を作ってしまった人がいるのです。
その人とは、カナダ在住の造形作家Ms Toshiko Horiuchi MacAdam(日本名:堀内紀子さん)という、国際的に活躍している日本人女性です。
彼女の代表作のひとつ「札幌の国営滝野すずらん丘陵公園」に登場した巨大遊具は、毎日10時間以上編み続け、完成までに何と3年もかかったそうです。
戦前生まれの堀内さんは、子供時代を満州で過ごし、日本へ戻った後は都内の名門校を卒業ののち、多摩美術大学を経て、美術大学としては世界でトップクラス、アメリカのクランブルック美術大学の修士課程へ進みました。
修士号取得後は、ニューヨークにある有名なデザイン事務所でテキスタイル・デザイナーとして働き始めますが、アーティストとしての仕事に悩むようになり、たった2年で辞めてしまいました。
その後は日本、アメリカの芸術大学で講師の仕事をしながら、フリーランスのアーティストとして作品を作り続け、今では日本、カナダ、アメリカ、フランス、スペイン、韓国、シンガポールなど、堀内さんの作品は世界でとても高く評価されています。
身の回りで起きた小さな出来事が人生の分け目になる――堀内さんのアーティストとしてのキャリアへのきっかけを作ってくれたのは、子供達の何気ない行動でした。
それは、1960年代後半、堀内さんが手編みのハンモックを展示した時のことでした。会場に来ていた子供達に「ハンモックで遊んでいい?」かと聞かれ、「いいわよ」と答えた堀内さんは、彼等が遊ぶのをそばで見ていました。
その時、ハンモックに使った材料の「繊維(細いロープ)」が、まるで「生きている」ように子供達の動きに合わせて形を替え、その「繊維」の表面がどんどん変化していく様子を見ながら、堀内さんは「これが私が探していた芸術だわ!」と直感したそうです。
それ以来、「子供達が遊べる遊具としての作品」と作ろうと決心するのですが、1970年の初め頃は、堀内さんの作品を大きなプロジェクトに使ってくれる人は少なく、初めて大きなチャンスに恵まれたのは1979年の「沖縄平和祈念公園」でした。
この沖縄では小さな遊具の出展になりましたが、どれも高い評価を受け、これをきっかけに「箱根彫刻の森美術館」での「子供達が触って体感できる展示物」を制作するという素晴らしいチャンスを手に入れることが出来ました。
この初めての本格的なプロジェクトで、堀内さんは650kgの細いロープを用意し、1日1kgを3ヵ月かけて染め上げ、1年間編み続けて完成させました。その遊具は今も使用されていて、多い時には1日6000人近い子供達が遊んでいるそうです。
2001年には「箱根彫刻の森美術館」で2つ目の遊具を作りました。これはアメリカの業界紙・新聞でも大きく紹介されて、海外でもとても大きな話題になりました。
では、手編みの遊具について海外の人は一体どう思っているのでしょうか。
あるブログに、堀内さんのお嬢様のコメントが書き込まれていました。
まだ海外留学が珍しかった1960年代に単身渡米し、ニューヨークで「テキスタイル・デザイナー」として働くチャンスに恵まれながら、自分が納得するまで諦めずに努力し続けたからこそ、夢を手に入れることができたのかもしれません。
世界があっと驚くような作品を生み出してくれる堀内さんを、同じ日本人としてこれからも皆で応援していきましょうね。
(参考)http://polkaros.com/blog/hand-knitted-playground/
http://www.archdaily.com/297941/meet-the-artist-behind-those-amazing-
hand-knitted-playgrounds/
http://www.play-scapes.com/play-history/play-heroes/more-playground-
crochet-from-toshiko-horiuchi-macadam/
http://www.crochetspot.com/fiber-art-as-playground-by-toshiko-horiuchi-
macadam/
http://www.play-scapes.com/play-art/playgrounds-by-artists/playground-
crochet-by-toshiko-horiuchi/
手編みのテーマパークなんて誰も考えつかなかった発想だと思う。マフラーやセーターなど小さいものではなく、子供達の遊具を作って楽しんでもらえるなんて、彼女自身も幸せなんじゃないだろうか。
自分も子供の頃箱根彫刻の森美術館で遊んだから未だにあの遊具が現役ってのには驚かされる。
大人も遊んでいいならもう一回子供の頃の写真と同じポーズで撮りたいわ。
21世紀の子ども達へ、ということですが
自分の子どもには何をしてやったのですか?
堀内紀子さんに男の子がいるのは知っていたけれど、何歳でお嬢さんを生んだの?
ナイロンの糸に化学染料で染めて、
子どもが直接手や足で触っても、大丈夫なの?
今は、化学物質過敏症で、化学繊維が肌に合わない人がいる事をご存じですか?
永久に作品が存在するのか、それとも
廃棄するのか?、
エコだエコだとちまたでは、リサイクルだと騒いでいて、
ああ、芸術作品は永久に残るのね。