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朝、仕事前に立ち寄った喫茶店で、コーヒーを飲みながらひと休み。時間に余裕のある朝は、心にも余裕ができて何だか気持ちが良いものです。そんなとき、もし警察があなたのところにやってきて、「コーヒーの飲み方が不審」という理由で逮捕しようとしたら、皆さん、どうしますか?
インドのムンバイで、一人の男性が逮捕されました━━「茶の飲み方があやしい」という理由で。男性は、露天で茶をすすっていただけです。時間は午前11時。そこに一人の警官がやってきて、なぜ、彼がそんな不審な飲み方をしているのか説明を求めました。
一方、男性は単にお茶を飲んでいただけですから、飲み方に説明なんてありません。そこで「説明が不十分」という理由で、あえなく御用になったんだとか。法廷では、裁判官もあきれる始末。「われわれにも何が何だか分かりません。お茶を飲んでいただけで法の裁きを受けなければならないなんて……」
「お茶の飲み方は人それぞれ。音を立てて飲む人もいますし、誰もが上品に礼儀正しく飲むわけではないでしょう。でも『不審な』飲み方というのは、見たことも聞いたこともありません」
「お茶を飲むのに理由などいりません。男性が飲んでいた『カッティング・チャイ(下記参照)』は、おしゃれな飲み物とは言われても、違法な飲み物とはみなされません」などと話しています。
これに対して検事は、男性が刑事事件の常習犯という理由から、警察の判断は正しく、次の犯罪を未然に防ぐことができたと主張。確かに、この男性、賭博罪や銃刀法違反などで、何度も捕まっているようです。
とは言え、それが今回の逮捕の正当な理由になるわけではありません。裁判官の「過去の犯罪歴の羅列と今回の件とは無関係」との判断により、男性は無事釈放されました。閉廷後、男性は、今後は行いを改めるよう判事に諭され、トボトボとその場を去って行ったとのことです。
この事件に、世界も反応しています。
と、さまざまな意見があるようです。
ところで、日本では聞き慣れない「カッティング・チャイ」って何でしょう?まずインドで言う「チャイ」とは、単に「茶」を意味するだけの言葉なんだとか。われわれの知っているあのスパイスたっぷりのミルクティーには、「マサラ・チャイ」という呼び名があるそうです。
さて問題の「カッティング」ですが、カッティングにはヒンディー語で「半分=half」の意味があり、「カッティング・チャイ」とは、その名の通り、カップに半分のお茶のこと。このカッティング・チャイ、インド全体というよりはムンバイでの飲み方らしいです。
これを、朝、露天で買って仕事前のモーニング・ティーを楽しむ、それがムンバイ流チャイの楽しみ方のようです。そんな朝のひと時がとんだことになってしまった男性。気の毒ではありますが、日々の行いが大切だという教訓だったのでしょうか……。
(参考)http://timesofindia.indiatimes.com/city/mumbai/
Bombay-high-court-pulls-up-police-for-arresting-
man-sipping-tea-suspiciously/articleshow/22749630.cms
この事件で裁判所まで行くのが信じられない。途中で警察の上司とか止めたりしなかったのだろうか。海外の反応でインド人が「これがインド」とコメントしているのを見て、これが普通のことなんだと思った。