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筆者がインドを旅した際、のどかな田園風景を何となく眺めていると、何と土下座しながら前に進む人たちの集団が目に入りました。
「何じゃ、あれは!?」と、現地人ガイドに質問すると、「聖地に向かって何ヶ月も何年もかけて、祈りながら向かってるんだよ」とのこと。灼熱の太陽が照り付ける地面に額を押し付けて、何度も土下座の体制を繰り返しています。
季節は真夏。普通に、両足で歩いているだけでも汗が自然と吹き出してくる、うだるような暑さの日です。そんな中で、両手、両足、しかも額を付けて土下座しながら前に進むなんて、正気の沙汰ではないぞと筆者は思ってしまいました。
いくら、それが礼拝だからって…っと。しかも彼らは、決して走ったり、歩いたりすることはありません。快適な生活に慣れてしまった我々、日本人にはちょっと信じられない光景です。
しかし、じっと真面目に土下座の姿勢を続けながら前進する彼らの姿を見ていると、何だか恥ずかしいような気持ちになってきたのも事実です。
その恥ずかしい気持ちの正体は、多分、彼らの目があまりに澄んでいて、真っすぐで、純粋そうな顔つきだったからかもしれません。中には、痩せた女性の姿もありました!
一方、その場に立ちつくす筆者は、片手にアイスを持ち、したたる汗をタオルで拭きながらだらしない格好をしておりました。何だか、真剣な彼らの表情を見ていると、こんな自分で申し訳ない気持ちにもなってしまいました…。
この「土下座」の姿勢を繰り返しながら、前進する人たちは、インドや中国のチベット自治区などの場所で見られるようです。僧侶が修行の一環としてやる場合もあれば、信仰心の強い仏教徒が聖地に向かって何千キロもやる場合もあるそうです。
この写真の男性は、1年8カ月もかけて(!)この体勢で数千キロも離れた土地から、仏教徒の聖地であるブッダガヤという場所まで向かうそうです。
距離が半端なく長いですからね、ちょっとその大変さが便利な社会に暮らしている我々日本人には想像もつきませんね。
この男性は、平均して1日に6キロメートルほどしか進まないんだとか。体の保護のために、分厚いエプロンと、手のひら部分に木の板がついた手袋と、分厚く強化された靴をはいています。
この「土下座」で前進する行為は、正確には「五体投地」と呼ばれているそうです。五体つまり、両手、両膝、額を地面に投げ伏せて仏や僧侶を礼拝する方法です。仏教では、もっとも丁寧な礼拝の方法と言われているそうです。
そのあまりに丁寧な礼拝方法に、インターネット上の動画サイトで海外の人たちもたくさんのコメントを寄せています。では、そのコメントの一部を紹介してみましょう。
以上、海外の人々の声をご紹介しました。いかがだったでしょうか。灼熱の太陽の下、何千キロも礼拝を繰り返しながら進む彼らの苦労を思うと、ちょっと信じられないですね。出来ますか?これ、皆さんは。
日本人の中で根性がありそうな人のイメージは、私の中では筆頭が松岡修造さんなんですが、彼あたりでも100キロくらい行ったところでギブアップしそうですけど…。(すいません、修造ファンの皆さん、勝手なことを言ってしまって)
いやはや、エアコンや扇風機のある快適な暮らしを手に入れた我々、日本人にはなかなかここまでの不便さを強いられる移動手段は難しいですよね。新幹線や飛行機、動く空調施設と言われる自動車に乗ってしまえば、目的地なんてすぐのご時世ですしね。
でも、島国日本で生活する我々もその大半は仏教徒(意識していなくとも)なので、彼らと同じではあるわけです。
だから、四国のお遍路めぐりとかをこの「土下座」巡礼スタイルでやっている人がいても別におかしくはないわけです。そのうち、日本でもこれをやる人が出てきませんかね・・・。出てこないか・・・。
皆さんも、灼熱の太陽の下で、もしくは極寒の冬空の下、両手、両膝、それに額を地べたにくっつけて、前に前にと進んでどこかに行ってみませんか?
それまでの悩み事が嘘のように消えてすっきりするかもしれませんよ!(なお、警察沙汰になっても、筆者は責任を負いませんので、悪しからず)
(参考)http://blogs.yahoo.co.jp/katayama_yasuojp/5004792.html
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/6298729.stm?JUMPPAGE=ADVERTISE
動画見たけど1日でどれだけ進めるんだ?ってほど大変そうだった。 人をここまで動かすのはいったいなんだろう?1年以上続けているんだから、冬でも夏でも土下座していると思うけど、信仰心からここまでできるのは本物だと思った。
ヒンドゥー教のサドゥーの中にも転がりながらインドを回る人らがいて驚いたな
土下座という表現は、いかがなものかと…
「巡礼」「五体投地」「投身礼」他にも呼び名はあったかも。