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2013年9月、グアテマラの首都から一時間ほどチマルテナンゴというところで前代未聞のバス事故が起こりました。
43人が亡くなり35人がけがをするという大惨事、その中には4人の子供と8か月の乳児1人が含まれていました。
信じられない数の犠牲者を出したこの事故、なんでこんなことが起こるんだろうと思いますが、グアテマラの乗り物事情を知ると起こっても仕方がないかと納得してしまうのです。
理由をいくつか挙げてみると…
普通であればバスや車のタイプごとに法律により定員が決められているものですが、なんとここグアテマラではそれが定められていないのです。
二人乗れるところには三人、三人乗れるところには四人なんていうのは常識。
助手席に二人座っていたり、後ろが荷台になっているトラックにぎゅうぎゅう詰めで乗っていたり、とにかく何でもありなのです。
幹線道路、地方の道路、道路によって最大速度が決められていてカメラで監視されている、そんなのが当たり前という感覚の人にとっては、グアテマラのこの交通事情は信じがたいことでしょう。
幹線道路になると一応標識は立っていますが、実際交通規則はあってないようなもの。高速道路でもないのに100キロ以上のスピードでどんどん車が走っているのです。
追い抜きもし放題、バスになると追い抜きの競争までしだしたりするのです。
それともう一つ、免許制度に関しても自動車学校があるわけでなくここでは自分で運転を学びます。つまり無免許の人が練習として車を運転していることもあるわけです。
他にも荷物をのせ放題、車の後ろのトランクに入りきらないからと開けたまま紐で縛りつけてあったり、バスの上にとてつもない量の荷物がのっていたり、重量のバランスがとれなくなるわけです。
山を切り拓いて作られた道はカーブだらけ、奥地に行けばいくほどジェットコースターのルートのような道も少なからずあります。
そして仕事が適当なので雨が降ると穴ぼこぼこに。整備に時間がかかり、また雨が降れば同じことの繰り返しです。
グアテマラに入ってくる車は基本的に海外の中古品です。日本製の車もたくさんみかけますが、大半はアメリカを通して入ってきた一昔前のものです。
そしてなんとこの国の主要な交通機関であるバスは、アメリカのスクールバスのおさがりなのです。
つまり使い始める時点で中古品、車検制度がないとなると、故障や事故は日常茶飯事。
道路事情の悪さと運転のあらさが追い打ちをかけるかたちで、事故や道端でのエンストが簡単に起こってしまうのです。
このような理由を考えると、冒頭にあげた事故が起こってしまうのも納得できます。
このバスは目的地の村に向かう途中の急な斜面のカーブをかなりのスピードで走っていたようです。
市場の開かれる日だったため多くの商人が大量の荷物とともに乗車し、すべてが重なってバランスを失い崖に転落してこのような大惨事になりました。
この事故をきっかけに、法改正や安全の確保を求める声が地元のみならず多くの人からあがっています。
確かにトラックの荷台に乗るのは気持ちいし都会ではなかなかできない経験だけど、時と場合によるんじゃないかしら。
何かの規制を作らないと、事故が起こってからじゃ遅いわ。
うちの国はのろすぎて困るっていうのに。うちとそっちが半々くらいだといいかもね。
お金がもったいない。警察とか法律とかいう問題じゃなく、政府が動くべきだ。
せめて安全面だけでも世界の基準が統一されればいいけど。
事故発生以来警察による取り締まりが強化され、幹線道路沿いではバスをとめて乗客数をチェックする様子がたびたび見られるようになりました。
今回の事故から教訓を学び交通体制が改善されることをみなが願っています。
(参考)http://www.prensalibre.com/ojolector/
http://www.prensalibre.com/chimaltenango/San_marti
n_jilotepeque-chimaltenango-accidente-bus-bus_extraurbano-tragedia
_0_989901108.html
今でもここまで法律が整備されていない国があったなんてびっくりした。現地の人は不便だとか、どうにかしようと思わないのだろうか。
ルールなんてないほうが楽という考え方もあるけど、やはり集団で社会で生活するには最低限命を守るルールは必要だと思う。