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人が多いと競争が発生します。日本の人口は1.3億人。中国の人口は13億人。
ゼロが1つ違いますから、例えば日本の大学生トップ100人と、中国の大学生トップ100人では、パーセントで比較した時にも1ケタかわりますから、このトップ100に入る大変さは10倍です(中国は貧しい人も多いので単純には比較できず、あくまでも目安です)。
そのためずば抜けた成績か、ずば抜けたタイミングで渡す賄賂がかなり重要になってきます。
教育に関する賄賂というと裏口入学のための裏金、つまり子供の人生に一度か二度あるかないかを想像するかもしれませんが、小規模な賄賂は毎年、中規模な賄賂は節目節目に、大規模な賄賂はドドンと大切なタイミングで、と何度か必要になってきます。
競争が過酷なため、気の毒なことにこの競争から何とか逃げ出したいと思う学生がいるのも事実です。中国でトップ1、2を争う清華大学に多数の合格者を出すことで有名な進学校では、学校の廊下に柵が張り巡らされています。
面しているのは校内の吹き抜けですから防犯目的ではありません。もう高校生ですから転落防止でもありません。子供たちが衝動的に飛び降りるのを防ぐことが目的です。
この学校にはユニークなモットーがあります。「昼休みは食堂へ走れ!急いで食べれば勉強時間をもっと増やせる」
このような競争に勝ち残り清華大学へ入ればある程度明るい未来も開けますが、このレベルに到達しない人はそれ以下の二流大学或いは地方の三流大学へ進学します。二流社会でも三流社会でも競争はまだまだあります。
湖南省の大学では、1年生全員にくじを引かせます。専門を決めるためです。1年生は自分で自分の専門を決めさせてはもらえません。
1年生のうちに良い成績をとり上位3分の1に入れば、2年生から自分の好きな専門を決めて勉学に励むことができるようになります。
つまり上から3分の1は、勉強するための大学生活を送り、残りの3分の2は、上から3分の1の学生が勉強するためにかかる費用を支えるため学費を大学に払い続けることになります。
ただでさえ熱しやすく冷めやすい中国人が、好きでも無い学部で熱心に勉強するわけがありません。ただ、大卒資格が必要ですから、大学へは通い続けます。少なくとも学費は払い続けます。ただただ卒業証書のために。
もっとも、先を見通す力がもしあるなら、この時点で既に勝負がついていることに気がつくはずなのですが、三流大学の下から3分の2ともなると、そんなことに気づくことすらできないのが悲しい現実です。
ちなみに日本の大学へ留学に来る中国人のうちの多くは、将来の自分の稼ぎを少しでも増やすために留学に来ています。そのため、通う大学は学費と生活費の安い地方の国公立大学です。遊学生は都会の私学へ行きます。
そして地方国公立大学の経済学部は中国人で溢れます。溢れるのは経済学部だけ、と言うのが皮肉なところです。銭(ぜに)と言えば経済。何とも短絡的です。
日本語を学ぶ生徒のほとんどは英語ができず仕方なく日本語を勉強しているのが現状ですから、留学先が英語圏じゃないという時点で既に妥協の証。することなすこと全てが二流なのが気の毒です。
では中国国内の超一流大学を飛び越し、英語圏の大学へ留学している人達はどうでしょう。いわゆる勝ち組です。
このレベルの人達の中には、中国国外で産まれたり、数億円レベルのマンションを何部屋も持っていたり、親戚が中国以外の国に散らばっていたりと、その辺の庶民とは一味違う環境に生まれ育った人もいます。なかなか到達できるレベルではありません。
ただ残念ながら到達しているのは経済面だけです。中身の成長がともなわず、ついつい品の無いことをしてしまい大恥をかいたりするのも彼らの特徴です。
イギリスのバース大学の教授に賄賂を渡そうとして、結局禁固1年の刑が確定した男がいます。彼は政府関係筋の息子です。
イギリスのバース大学というと日本での知名度はほぼゼロですが、学部によっては日本でも超有名なケンブリッジ大学やオックスフォード大学に続くレベルの超一流大学です。
この男は卒業論文を提出したのですが、大学を卒業するのに必要な点数を取れませんでした。そのため教授に賄賂を渡して見逃してもらう事を企てました。
教授に直談判しに行き、100万円ほどを渡して「私はビジネスマンなんだが」とわけのわからないコメントを添えました。
実際、彼のファミリーは非常に裕福な実業家一家でもあり、彼自身もビジネスに携わっていたそうですが、それとこれとがどうつながるのかもわからないまま、交渉は当然決裂。
その上、何の必要性があってか、オモチャのピストルを隠し持っており、よりにもよってそのタイミングでそれをポケットから床へ落としてしまいました。警察に捕まりました。刑も確定しました。1年間刑務所です。ばかばかしい話です。
公平さを保てるのは人口1億人が限度ということでしょうか。その10倍もいたら、打つ手はないのでしょうか。自分の頑張りプラス親のお金で、なんとかやっと明るい人生が見えてくるような社会では、中国の子供達は本当に大変です。
(参考)http://shanghaiist.com/2015/09/14/university-south-china-makes-
students-pick-majors-out-of-hat.php
http://shanghaiist.com/2013/04/24/son_of_chinese_official_jailed_after_
attempting_to_bribe_uk_university_professor_with_5000_gbp.php
http://shanghaiist.com/2015/04/21/hebei-school-installs-prison-like-bars-
prevent-suicide.php
中国の競争の厳しさが良くわかった。賄賂とかおもちゃのピストルとか、1年間刑務所で勉強する必要があると思うので、当然の報いだと思う。
結果が全てだからな 競争に勝ったという事実だけが重要 そりゃ誰だって幸せに生きたいと思うわけだし、そのための倍率が半端ない競争ならなにがなんでも生き残らなくてはならない
実力のない奴は諦めて敗北者として生きるか手段を選ばず卑劣漢になるしかない