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中国の戸籍制度は、出身地を必要以上に大切にします。基本的には生まれたところから別の場所へは戸籍を移せないため、田舎の人は代々田舎者、都会の人は代々都会人となります。
都会戸籍の人が当たり前に「ただ」で手に入れられる医療や住居や教育は、都会に出稼ぎに出て来た田舎者には手に入りません。都会の福利厚生は都会戸籍保持者のためのものです。戸籍が無い人はそのサービスは受けられません。
両親が出稼ぎで都会にいる子供たちは祖父母と田舎に残り地元の学校へ通うのが一般的です。或いは、両親と都会に住み、学校へ行かないで過ごす(行く権利がない)ケースもあります。もしあるなら、学校もどきの施設に入れてもらうこともあります。
彼らはどこにいても結局満足のいく暮らしとは縁がありません。田舎戸籍はよっぽどのことが無い限り、一生田舎戸籍のままだからです。
中国の戸籍制度は日本のそれとは少し違います。例えば北京に生まれた人は北京の戸籍、河南省で生まれた人は河南省の戸籍を持ちます。
北京に住む北京人の医療、住居、教育などは最低限十分保障されていますが、北京に住む河南省出身の人はその対象外です。つまり田舎の人(北京人以外)は北京では、基本的な社会サービスを一切受けることができません。
大人だけでなく、子供の場合も同じです。北京人夫婦の子供は北京の公立学校に通えますが、河南人夫婦の子供は、両親が北京で仕事をしていても北京の公立学校へは通えません。戸籍上の問題です。
そのため河南省の夫婦が河南省にいる間に子供をもうけ、その後都会へ出稼ぎに出る場合は、子供は河南省へ置いて行かれます。祖父母に面倒をみてもらいながら育つのが一般的です。
ただ、河南省の社会福祉制度自体お粗末なので、田舎に残ったとしてもどうせ、たいした生活は保障されていません。ただ、地元の学校へは通えます。そこで食事ももらえます。
田舎には仕事が無く、働き手はほとんど皆都会へ出稼ぎに出てます。田舎に住む子供達の場合、両親が揃って一緒に住んでいるケースはほぼありません。もしいても片親だけです。
保護者が2人とも出稼ぎに出ている場合は祖父母に面倒をみてもらいますが、祖父母もいない場合は、少数派とは言え、自分たちだけで生きています。
祖父母に育てられた場合でもまともに相手をしてもらえず、読み書きもできなかったり、また読み書きはできても、感情的に不安定であったりします。
彼らの周りに身内(祖父母など)はいますが、環境は孤児と変わりません。祖父母だって大変なのです。彼らも食べないと死にますから。
一方、もし河南省出身の人が北京で出稼ぎをしている間に子供が生まれた場合は、子供はそのまま北京にいるのが一般的です。でも子供たちは北京の公立学校へは行けません。北京戸籍がないからです。
北京などの大都市ではそういう子供たちのために、とても少ない予算と地元の人のボランティアや寄付により、学校が作られています。
とても教育とは呼べないようなものしか与えられないものの、それでも「学校」と呼ばれる場所があるので子供たちはそこへ行きます。
クラブ活動などの楽しいアクティビティーは地元の人のボランティアで成り立っています。冬の寒さは寄付してもらった防寒具でしのぎます。
こういった学校は「存在することに意義がある」ので、教育理念なんてもちろんありません。地元の人達の善意によって支えられている部分が多いのが現状です。
食事もでます。
教室もあり、昼食ももらえますが、それでもこれは最低限のほどこしです。北京は大都市なので本来福利厚生がとても充実していますが、北京人が当たり前に手にする物を田舎から出てきた人は何も手に入れることはできません。
北京人が自然に手にするものとは、例えば、住む所(無料でマンションをもらえます)や医療(無料で薬がもらえます)や子供の教育です。
2015年6月には、田舎で自分たちだけで暮らしていた4人の子供たちが農薬をのんで、みんな揃って自殺をしてしまいました。食料としてトウモロコシの粉が残されていたという情報があったり、食料は全く無かったという情報があったり。
誰も助けてくれる人がいないのが問題だ、と議論が交わされたり、一体どこの誰に他人の子を助ける余裕などあるのか、とまた別の意見が飛び交ったり。
この事件が起こった貴州は中国でも特に貧しい地域で、数年前に平原で銃殺公開処刑が行われたような場所でもあります。貧しい上に教育レベルも文明レベルもとても低く、なんとも野蛮で人間的でないことが、いまだに起こります。
この戸籍制度、「見直すべきだ」と言われ続けていますが、たとえ徐々に見直されたとしても、権力の無い弱者に有利な風に変わるはずはありません。見直すとしてもどうせ、見直す側に有利な条件にしか変わらないのです。
みんながみんな、あまりにも自己中心的。自己責任論が流行りの日本ですが、中国は日本以上に「困ってるならそれは自分のせい」という体質です。
生まれた時に決まる出生地。これがとにかく付いて回りますから、田舎者の正直者は一生底辺生活から抜け出せません。この不公平感は極端すぎます。
(参考)http://rendezvous.blogs.nytimes.com/2012/06/01/chinas-left-
behind-children/
http://www.theguardian.com/world/2015/jun/11/four-left-behind-children-
in-china-die-of-poisoning-after-being-abandoned-by-parents
http://www.theguardian.com/world/gallery/2010/mar/15/children-migrant-
workers-china
http://www.bloomberg.com/bw/articles/2014-09-10/china-s-hukou-policy-
change-hasn-t-solved-education-gap-for-beijing-s-migrant-children
http://www.pri.org/stories/2013-05-01/chinas-hukou-system-puts-migrant-
workers-severe-economic-disadvantage
http://www.theguardian.com/world/2015/jun/14/chinese-police-
investigating-deaths-of-left-behind-children-find-suicide-note
中国人は医療や住居や教育が無料でもらえるなんて初めて知った!いい制度かと思いきや、都会に住む人限定だったなんて。地方に住む人は割合的には多いのかな?もっと自由があればいいのに!
その代わりに都会は一人っ子政策を課せられてるし
田舎の人間も都会で稼いで
海外に出ることも出来る
トピックの例が
既に結婚してる人だけど
独身の場合からなら本人しだいで選択肢はそれなりにあるよ
海外なんて容易にでれないぞ
言語もそうだが悪質なブローカーがいてだな
※1
都会に出稼ぎに来ても戸籍の問題で田舎者はまともな職に就けないから海外に行けるだけの資金を稼ぐのは相当の至難だぞ。
今は香港との境の深センは発展してるけど、香港に行きたくても行けない出稼ぎ労働者が多く留まってて治安も悪かった。
出身地で戸籍が変わるなら代々田舎者じゃないやんw結局北京出てきて産むのが勝ち組みたいになるんだろ?子孫にとって。3代東京とよく似てる。
しかし中韓もダメだね、中国の古代は自分の国(出身地、民族)を大事にしてた筈なのにな。
それだと纏まらん(分裂の危険性)からかもしれんが。
俺の好きな貴州ががが・・・苗族の娘とかかわいいじゃん
医療や福祉、教育はあまねく平等に
それが当たり前だと習ってきたけど…
こんなことがあるんだ
それも、お隣の国で
よく、「頑張れば、努力すれば」
なんていう人いるけれど
いくら頑張ったところで
そのスタートラインにも
立てない人たちがいるんだ