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喧嘩っ早い人達。爪で、歯で、目の前にある商品で。なんでも武器にしちゃいます。
誰にでも、頭にくるタイミングはあるものです。カチンときた時、キレて怒鳴ったり物を投げたり殴りかかって相手をやっつけるか。それとも、あえてその怒りを抑えて淡々と相手を説得するか。或いは、何も言わずにあきらめるか。
どれが「良い」対応でしょうか。どれが大人な対応なのか、どれが賢い方法なのかは人により、状況によりその判断はわかれるところでしょう。
ただ、どう考えても喧嘩っ早すぎると思えるのが中国の人達。インテリ層から労働者層まで幅広く、勢いがいいのが特徴です。
キーッと引っ掻く人、うっかり引っ掻かれちゃったのが悔しくてその傷痕を公開してたくさんの人の同情を引こうとする人・・・。色々います。
虫の居所が悪い時、誰かに八つ当たりしたい時もあります。そういう時に餌食になりやすいのは従業員や店員さんかもしれません。
湖南省発の高速鉄道列車内で、乗務員の女性が乗客に引っ掻かれました。
この女性乗務員は、乗客の乗車中の安全を守るために座り方を注意したのですが、それが気に入らなかった乗客は彼女に罵声を浴びせた後、家族や親せきみんなで揃って、彼女とその同僚の乗務員に襲いかかってきたといいます。
結局この凶暴家族はその後、特に問題にされること無く列車を降り、高速鉄道会社はこの女性乗務員に4000円ほどの慰謝料のようなものを支払いました。
ところがこの女性乗務員の怒りはおさまりません。立派な暴力事件なのにそのまま家族を見逃すわけにはいかない、と会社に交渉しました。
会社がこの件を警察に届け出たため、調査が始まりましたが、日本同様、引っ掻き傷ではなかなか本格的な捜査は期待できません。
そのため彼女は更にこれを中国最大SNS微博(ウェイボー)に投稿しました。「これ、ひどいでしょう?」と同情の声を募ったところ、十分すぎる数のコメントが集まりました。
「その家族にちゃんと書面での謝罪をさせて、賠償金を払わせるべきだ」「高速鉄道は実名制だから、必ず捕まるはず。とりあえず待ちましょう」「おいこら!その家族、でてこい!ちゃんと謝れ!」「私達ネット市民はあなたの味方よ」と数多くのコメントが書き込まれました。
彼女はその後の傷の様子などもまめに微博で報告を続けています。なんだかちょっと楽しそう?
時を同じくして北京の地下鉄内では乗客同士の喧嘩が発生しています。二人の女性乗客は口論だけでは収まらず、服をわしづかみにし始めましたが、そこからなぜか、相手の服を脱がせにかかる方向へと発展します。
多分自分の服が脱げそうになったのに腹を立て、相手の服を脱がせてやろうという発想へとたどり着いたのでしょう。
一つ一つの動作は確かに関連がありますが、最初に何をしようと思っていたのかはすっかり忘れているようです。喧嘩が起こったそもそもの原因は、座席の取り合いだったのですから。
疲れているからちょっと座ってひと休みしよう、と思っていたはずなのでは?それが結局、かなりの運動量を必要とする喧嘩を起こしてしまいました。
またまた、偶然にも時を同じくしてハルビンで、耳の噛みちぎり事件が起こりました。カワイイ愛犬のプードルを蹴飛ばされたことに怒った飼い主の女性が、蹴った女性の耳の一部を食いちぎりました。
もっとも、このプードルは吠えながらこの女性の元へ走って行ったそうで、おびえた女性は思わず犬を蹴ってしまったようです。
なにもプードルのようなキュートな愛玩犬を蹴らなくても、と思うかもしれませんが、中国はまだ狂犬病があり、犬と死が直結するイメージを持つ人も少なくありません。
狂犬病を持つ犬に噛まれたら、24時間以内に処置を施さなければ100%死亡します。狂犬病は非常に怖い病気なのです。
吠えて興奮した犬であれば、人に噛みつく危険性は十分にあります。そういう状況なら、必死で犬を蹴るのは、不思議でもなんでもない行為です。人間の側は自分の命を守っているだけです。
結局この耳を噛まれた女性は、耳の3分の1を失い、警察へ届け出ました。警察は噛んだ女性の行方を捜索中です。プードルを連れて怒ってどこかへ去って行った女性は、どちらにしろそう遠くへは行っていないでしょう。
もっとも警察に彼女を見つける気があるかどうかは疑問なので捕まるかどうかは分かりませんが。
ムスっとした表情で仁王立ちしているその立ち姿から、中国人の女性が喧嘩っ早いことは容易に想像できますが、それにしても、路上での喧嘩の数が多すぎます。
そして、笑うでもなくけしかけるでもなく、それを見守り続ける人達の数もこれまた多いこと。こうやって日頃からストレス発散していないとやってられない日常なんでしょうか。
確かに警察だって国だって弁護士だって法律だって何一つ公平には機能していないから不安な気持ちはわかりますが、いちいち大騒ぎするその様子は子供っぽ過ぎます。
ふと我に返ると逆にどっと疲れるんじゃないでしょうか。
(参考)http://shanghaiist.com/2015/08/07/women-pull-off-clothes.php
http://shanghaiist.com/2015/08/09/jiangxi_train_attendant_beaten.php
http://shanghaiist.com/2015/08/10/harbin-dog-owner-bites-womans-ear-off-
kicking-pet.php
写真で見る傷が生なまし過ぎる。ここまで行く手前で離れるとかできないぐらいお互い興奮してたんだろう。海外コメントは中国人が多いけど、世界中で中国人が嫌われる理由がここにもあると思う。
野獣の国にヒトの価値観は通用しないのでは。