日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。
目的のためには手段選ばず?でも全然筋が通っていません。これで政策と呼べるのか?
中国は今も一人っ子政策真っただ中。政策は少しずつゆるくなっているとは言え、基本的に夫婦一組につき一人しか子供を持ってはいけません。
そのたった一人の子供を「是非男子に!」と願う人もたくさんいます。例えば跡取りが欲しかったり、働き手が欲しかったり、各家庭の事情もまさに様々。
胎児の性別検査は禁じられてはいるものの、知りたいと思う人がいて、それを教えることで得をする人がいる限り、当然性別検査をする人は後を絶ちません。その結果生まれてくる子は断然男児が多くなり、男女比が不自然になります。
男女比は中国では118対100、世界的な平均値は103対107で、日本の平均値は105対100です。中国では男が異常に多いことが分かります。
女児が減ると、結婚出産する女性の数も減ります。そのため別の国から女性をつれてきたり(もちろん無理やり)働き手となる男児をさらってきたり、と、凶悪犯罪へもつながっているのが現状です。
緩和が徐々に進んでいると言っても、生まれてきていいのは基本的に一人です。では二人以上産まれちゃった場合、どうなるのでしょう・・・?
いくつかのパターンがあります。一つは「そのまま放っておく」ケース。生まれてはいけない子なので、その子は戸籍がありません。届け出を出すと罰金をとられるので、登録せずに隠します。
そのまま大きくなると当然学校へは行けません。いないことになっているからです。教育は受けないまま大きくなります。それでも捨てられないだけマシです。
男は労働力になるので、大きくなるまで待てば役にも立ちます。女は大した力も無いし、大きくなっても役には立ちません。地方の孤児院は圧倒的に女児が多いのはそのためです。
別のパターンもあり、養子に出されます。こういう「かわいそうな」な子供たちを養子に貰うアメリカ人はとてもたくさんいます。宗教的な理由から、是非とも中国人の子供を養子に、と願っています。
そのために中国に移り住み、そこで生活しながら子供をもらう機会が来るのを待つ人さえいます。そして子供をもらったらまたアメリカへ帰って行きます。
もちろんアメリカに住みながら養子をもらい受けることも可能ですが、中国に住んでいるアメリカ人が優先です。
この二つのケースは、自分の力でどうしようもない人達、つまりお金が無い人達の話です。では富裕層はどうなっているのでしょうか。
富裕層は一人っ子政策から逃げて、外国で出産します。外国で出産した場合、すぐに中国政府に届けることはできませんが、これはOKです。そのうち子供と一緒に家族で中国に戻りますが、中国に戻る時はパスポートが発行されます。
戸籍も無いのにパスポート?と不思議ですが、確認が甘いので、パスポートは簡単にもらえることが多いのです。このパスポートで中国に帰った後も、罰金を払うのがイヤなケチ富裕層は、払わないまま暮らし続けます。
それでは学校に行けないのでは?と心配かもしれませんが大丈夫。私学は戸籍が無い子も受け入れます。高校までは私学へ行き、大学はまた外国の大学へ進学し、と戸籍の無いまま何不自由のない暮らしを続けます。
こういうことをやってのける夫婦は英語や日本語を話せることが多いので、情報収集も複数の言語を使って行うことができます。
中国語だけで集めた情報はかたよりがあり不公平で不利なものばかりです。中国語しか使わない場合、本当のところは何もわかりません。英語や日本語でお得な情報や抜け道を見つけては、お金の力に物を言わせてそれを実行します。
今後この法律のまま進むと、四人の老人(祖父母)を二人の若者(両親)が支え、その二人を一人の子供(子供)が支える、アンバランスで頭でっかちな仕組みになってしまうので、そんな不公平で無神経な法律を変えようという動きが広まってきています。
実際最初からこんな仕組みはそう長くは持たないとわかった上で始まったことでしたから。今いよいよ本格的に見直す時が来ています。
1990年代頃から徐々に、そして2007年からは河南を除く全ての省で、一人っ子夫婦は二人目をもうけていいことになりました。
その後さらに進み、一部の省では両親のうちのどちらか一方が一人っ子なら二人目もOK、など省により少しずつ法律が緩和されています。
ただこれがまた「くせもの」です。二人目はOKなのか?ダメなのか?そこが定まらないからです。地域によっても規制の内容が違います。
その上、同じ地域でも「こうしよう」「やっぱりこうしよう」とコロコロ決まりが変わるのです。しかも大切な変更なのに「変えましたよ!」と大きな声で言わないので、変わったことに気がつかない人さえいます。
妊娠した地域では産んでいいと言われたのに、仕事で引っ越した先ではダメだったり。一人目と二人目の間隔に特に指定は無かったのに急に4年あけるように言われたり。
一人目と二人目の間隔を指定されていない時に妊娠した人は、この「4年」の新規定には従わなくてもよく、例外的に許されるんだろう、と普通は思います。
ところがこれに関してもまた、許されることはありません。「例外」を認めたら、この国はめちゃくちゃになります。なにしろ人の数が多いですから。
・・・・・とあきらめたころに「やっぱりいいよ」とまた規制が変わることすらあります。もう何が何だかわけがわかりません。妊婦さんは振り回されっぱなしです。中国では男性よりも女性の自殺率が高いのはこのためとも言われています。
子供を産む産まないは、とてもプライベートなことです。そういうデリケートな部分をさらけ出してこんなにおおっぴらに、妊娠だの中絶だの出産だの、と男性も交えて議論したり役人に指示されたり。飼い猫の去勢手術並みのカジュアルさです。
日本では出産前の定期検診さえ「男の先生はちょっと・・・」なんて言う人も多くて、女医さんが人気だったりします。これは究極の贅沢かもしれません。
(参考)http://www.nytimes.com/2013/05/22/opinion/chinas-brutal-one-
child-policy.html
http://www.nytimes.com/2011/09/18/nyregion/chinas-adoption-scandal-
sends-chills-through-families-in-united-states.html?_r=0
http://www.nytimes.com/2011/09/23/opinion/adoptions-from-china-seeking-
the-truth.html
http://www.nytimes.com/2010/03/19/world/asia/19iht-letter.html
こういう点、中国はマジメだなぁと思う。日本でも1人しか子供を産めないようになったら、みんな守るのかな?日本の場合、少子化で自然に1人っ子政策みたいになっちゃってるけど。
中国の人口増やしても意味ないからな。中絶して減らしてくれたほうが世界のためではある。