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オーストラリアで、地球外生命体のような巨大な羊が動物愛護団体に保護されて話題になっています。伸び放題だった毛はきれいに刈られましたが、その量は40kg以上もあったんです。
今回発見されたのはオーストラリアの首都キャンベラの近郊です。発見者から「クリス」と名付けられたメスの羊です。捕獲されたクリスは5年ぶりに毛を刈ってもらったようです。
その羊毛の重さはなんと40.5kgもあったんです。まだ公式記録としては認定されていませんが、それまでの世界記録がニュージーランドの羊の27kgだったので、世界記録となるのは確実でしょうね。
クリスを捕獲した動物保護団体RSPACK ACTは毛刈り職人を急募し、翌日にはイアン・エルキンスさんによってスッキリと刈ってもらいました。エルキンスさんはオーストラリアの毛刈り競技会で4回も優勝している、この道35年の大ベテランです。
通常の羊の毛刈りは時間にして約3分で、5kgほどの羊毛がとれます。クリスの場合は40分以上の時間が掛かってしまいました。こんな大掛かりな毛刈りはエルキンスさんにとっても初経験でした。
クリスの毛刈りは9月でしたが寒さの心配は全くありません。南半球にあるオーストラリアでは9月は春です。夏前に毛刈りでスッキリできたことはクリスにとって幸運なことだったのです。
羊は暖かいウールを提供してくれる大切な家畜です。もともとは野生の原種の羊がいたのですが、9000年ほど前から人に家畜として飼われ始めたようです。それ以来、人間の都合により、より多くの毛が取れるように品種改良が続けてこられました。
原種の羊は他の動物のように古い毛が自然に抜けて、新しい毛が生えてくるのです。でも現在の羊は毛が抜けないようになっています。人間が刈らないかぎり、毛が伸び続けてしまうのです。
家畜の群れから抜けだして、野生化した場合はモサモサ姿になってしまうのです。こうなってしまうと、排便が難しくなったり、感染症や寄生虫の問題が発生しやすくなるそうです。
人間や肉食動物は目が前方についています。けれど羊のような草食動物は目が横についています。常に外敵に襲われる危険があるので、広く見渡せるようになっています。
視野はなんど300°前後もあるんです。つまり前を向きながら、後ろまで見えているんです。でもクリスのようの毛が多すぎると前すら見えない状態になってしまうのです。
クリスが野生動物に襲われずに生きてこられたのは、この見かけ以上の大きさのせいだったのかも知れませんね。野生のカンガルーと比較しても、その巨体には圧倒されます。
世界中の大手マスコミで特ダネとして配信されたクリスの報道には、驚きのコメントなどがたくさん寄せられています。
残念ながらクリスが5年間伸ばし続けた毛は商業的な価値はないそうです。エルキンスさんは、どこかの博物館に引き取られ、世界記録の羊毛とし展示されることを願っています。たぶん、当分の間はこの記録は破られることはないでしょう。
オーストラリア当局はクリスの引き取り手を探しています。でも羊って大型の動物なので、しっかと飼える環境やノウハウが必要です。地元の農家で育てて貰うのが理想的なようです。これからは人間とともに第二の人生を過ごして欲しいです。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/news/article-3220414/Enormous-
Canberra-sheep-overgrown-fleece-gets-haircut-years.html
http://www.bbc.com/news/world-australia-34135805
これはひどいww野生に帰れない羊ってなんだかかわいそうかもしれないけど、家畜でもひどい扱いはされなそうだし、いいのかな?40kgって、よく足が耐えたな。