日本の魅力を発掘するだけでなく、他国の環境・法律・文化などを見て、いかに日本が素敵な国かを見直すサイトになります。
蒼山(あおやま) 日(ひ)菜(な)。繊細でいて優雅。そこからあふれる躍動感、生命力。
彼女の作品を目にした途端、皆その彼女の魅の世界に吸い込まれてゆく。
緻密なデザインにももちろん目を奪われるのだが、紙とハサミのみを操り創り出すという神業としか言いようのないその作業工程をも想像させてしまう。作品を前につい、ため息がこぼれる。
1970年12月29日 蒼山 日菜は神奈川県横浜市で生まれる。
高校卒業後は着物の販売会社に就職し、22歳の時旅行で訪れたフランスで出会ったフランス人男性と結婚、一男をもうけた。
フランスのフェルネ・ヴォルテールという街で生活を始めた彼女は、そこで辛い経験をする。
ひどい人種差別に合い、近所の人から「出て行け」とつばをかけられたこともあったという。夫も警察も頼りにならず、どこからも救いの手を差し伸べられなかった彼女は次第にうつ状態に陥っていった。
そんな時、昔奥様方の間で流行っており、教えてもらったことがあった切り絵を始めてみた。
一人きりでそのことだけに没頭できる時間はまさに現実逃避だったと彼女は語る。
しかし嬉しいことに彼女の作品を欲しいという人が現れ、彼女は作品を黙々と創り続けた。
その後、展示会に出してみないかという誘いを受け、出展してみたところ入選。彼女は次第に自分自身に自信を取り戻し、うつ症状も回復してきた。
彼女が好きなフランスの哲学者であるヴォルテールの書という本を切り絵にした作品は高い評価を受け、現在の彼女の代表作品のひとつになった。
2008年にはスイスのシャルメ美術館で開催された第6回トリエンナール・ペーパーアート・インターナショナル展覧会に初出展し、コンクール史上初のアジア人初グランプリとなった。
その後も多数のコンテストで賞を総なめにした。次第に実力が世界に認められ、ニューズウィーク「世界が尊敬する100人の日本人」に登録された。
又、チューリッヒBELLERIVE美術館にて、チューリッヒ初と言われる「切り絵展」にて大作を展示。東京ミッドタウン2周年記念ロゴにも切り絵のデザインが起用された。
これはフォトショップで作ったものではないし、レーザーカットでもない。アーティストは時に大変なことをやってのける。
これは手作業で作られたもので、だからこそ価値があるのです。機械によって作られたという人達はこの価値が分からないのだと思います。
このアーティストはおそらく食べ物や、身に着けるもの、家など、素敵で贅沢な環境に触れていられるような日々を過ごすようにしているのだと思います。
“アーティストは社会の中で最も重要で価値のある人たちだ。彼らは社会を可能性のある領域へと導いてくれる”-Neil Schell
紙を切り抜いて作品を創り出すというシンプルなもの。シンプルだからこそ、そこに並々ならぬ愛情と情熱と努力がなければ見る人に何かを伝えることが出来ないのではないか。
何かを感じ取ってくれた人々に恥じない作品を。と語る彼女の作品は今も多くの人々を惹きつけて止まない。
(参考)http://www.neatorama.com/2008/04/10/hina-aoyamas
-cut-paper-art/#!PrJs3
http://lesitedujapon.com/hina-aoyama/
http://9wows.com/paper-butterfly/
http://designrelated.com/inspiration/view/Karen/entry/
2976/paper-cutting-art-by-hina-aoyama
http://aoyamahina.com/?cat=4
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=547785391926439
&set=a.145561822148800.23817.100000849507405&type=1&theater
手先が器用だと言われる日本人でも、ここまでの作品を作れる人はなかなかいないだろう。
人がやったとは思えない程、精密で正確で美しく、世界中の人々の目を集める作品だと思う。