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10,000倍の高額請求!スイス健康保険制度の恐ろしい罠

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2014/12/01

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環太平洋経済連携協定(TPP)で焦点の一つであり、さらに安倍政権下で成長戦略の一つと見なされて今なお議論が続いている「混合診療の解禁」。混合診療の解禁とは、保険の適応対象となる治療と自己負担(自由診療)の治療との併用(混合診療)を認める、というものだ。

これが認められるようになると、例えば一つのメリットとしては、これまで認められていなかった最新の治療法や新薬を試したいという重病患者の希望がかなえられやすくなるということがある。

その一方で、デメリットとしては、高額な治療費を払える人ほど高度な医療サービスを受けられるという状態が後押しされ、「医療格差」が広がると言われている。また、少しでも余裕のある人々は、高度な医療サービスを受けるために民間の健康・医療保険に加入するようになる。

それにともなって民間の医療保険が主流になってゆき、将来的には国民皆保険制度がたちゆかなくなる可能性も指摘されている。いわゆる「医療のビジネス参入」「医療の市場開放」が問題になっているわけだ。

医療の市場開放は○?×?

ここで少し、「市場開放」された健康保険制度をもつスイスの例を見てみよう。まずスイスには、日本の国民健康保険のようなものはなく、すべては民間の健康保険だ。そしてその健康保険には、「標準保険」と「追加保険」という2種類がある。

「標準保険」は、国が認めた基本的な医療サービスに適用される保険で、スイス在住の人は全員、この「標準保険」への加入が義務づけられている。人々は、多くの民間の保険会社の、これまたたくさんある健康保険商品の中から、自分の健康と経済の状態にあった「標準保険」を一年ごとに契約しなければならない。

対する 「追加保険」は、「標準保険」に加入し基本的な医療サービスを受けられる人が更なるサービスを求めて任意で加入する保険のことで、例えば、入院の際に個室が利用できたり、高度なテクニックを持つ医師に特別に執刀をお願いできたり、海外で病気になった際にも治療を受ける事が可能になったりする。

標準保険では認められない高額な薬が使えたり、専門家による健康相談や人間ドッグの受診も可能になったりする。そしてこの「追加保険」に加入しているのは、当然、経済的に余裕のある人々、ということになる。

詐欺まがいの請求書

近年のスイスでは、この「追加保険」に加入している患者に対し、法外な請求書を送りつけて来る病院が多発し、問題になっている。たとえば最近のスイスの全国紙に次のような68歳の女性の証言が載った。

「2年前に亡くなった母が晩年お世話になった病院から請求書が送られてきて、目を通していた際、ふと請求項目のひとつにCholecystectomyという聞き慣れない医学用語があるのに気付きました。過去に医療助手をしていた私は、それが胆嚢摘出手術を表すということを思い出し、身震いしました。

母は胆嚢摘出などしたことはありませんでした。病院に問い合わせると、確かに胆嚢摘出手術はしていないが、胆嚢穿刺(生検)はやった、名前を間違えた、と言うのです。疑念を抱いた私は、その後60ページにも及ぶ請求書を見直しました。

するとさらに、理学療法と作業療法のリハビリに対する二重請求が見つかりましたが、だいたい死の床にある患者にリハビリをしたと記録されていること自体、なにか変なのです。急いで保険会社に連絡し、病院への支払いをやめるようお願いしたものの、既に病院へ支払いをしてしまった後とのことでした。

それどころか、その後の保険会社の詳細な調査で、病院側が他にも複数の医療処置に対して3重4重の請求をしていたことが明らかになったのです。たとえば1回17万円の胃カメラ検査は、1度しかしていなかったのですが、4度したことになっていましたし、1本290円の点滴代は3百万円、つまり10,000倍になって 請求されていました。」

病院側は「悪意のない、単なる間違い」と説明しているが、この記事では、患者が請求書をほとんどチェックしないことを見透かして病院側がこうした詐欺行為を働いているという可能性を指摘している。

さらに記事では、医療者の一部には、実際のところ、「標準保険」のみに加入している患者に比べて「追加保険」にも加入している患者に対し、より手厚い治療を施し、好んで手術をしたがり、その後の経過観察もあえて複雑なものにして、彼らから高額報酬を得ようとする傾向がある、と報じている。

この記事を受けてのスイス人たちの反応は…

こんなの、氷山のほんの一角だろ。
当然、高額の請求書を送りつけたのは「意図的ではなく単なる間違いだった」って言って逃げるだろうさ。そうやって平気な顔でこういうことを暗に繰り返すんだ。もちろん、間違った請求書だと気付かないボーっとした金持ちだっているさ。これって泥棒と同じじゃないか?
間違った請求書、って随分優しいな。普通はこういうのを「文書偽造」とか「詐欺」 とか呼んで立派な犯罪と見なすよ。
自分の請求書を一覧できるようなソフトが、スイスにはぜひとも必要だね。個人個人が、常に用心しながら自分の目でしっかり調べて、そういう腐った「間違い」を見過ごしてしまわないようにするべきだ。
この場合、患者への詐欺行為といっていいだろうな。だってこの病院や医者は、スカンジナビア諸国やイギリスなんかでよくやるように、どうとでも解釈できる曖昧な表現で記録していたわけじゃなくて、はっきりと「胆嚢摘出手術」と書いたんだから、これは故意だよ。

そもそも我々の健康保険制度では、医療までが、他の産業みたいに経済システムの枠組みで考えられてしまっていて、だからこういう詐欺が起こるんだ。たとえば、保険会社が客引きのためのコマーシャル経費をもっと削減するようになれば、保険料だって今より半分くらい安くできるんじゃないか。

私の経験を話すと、痩せるためのダイエット相談を受けようと数年前にある病院に行ったんだけど、あとで送られてきた請求書を見てびっくりしちゃった。ぜんぜん受けてもいない理学療法士とのカウンセリング代とかが幾つも合わせて請求されていたんだから!病院と保険会社の両方に苦情の手紙を出したんだけど、案の定、未だにどちらからも返信がないわ。
私なんか、ひどいインフルエンザで脱水症状を起こして病院にいった際、一晩入院して点滴を受けただけだったんだけど、それで5,400フラン(55万円)も請求されたの!しかも請求書には、どんな処置をしたのかの明細が全然書かれてなかった。

これって、あとで不正がばれないために、あえて詳細を書かなかったとしか思えないでしょ?もちろん、私は弁護士に相談したわ。だけどこの国じゃ、みんなまずハウスドクターにかかって、そこで彼に推薦状を書いてもらってから病院にいくでしょ。

私もそうだったから、弁護士はハウスドクターに病院に保険会社にと、あちこち走り回らなきゃいけなかった。でもその結果、例の治療費は1,100フラン(12万円)にまで下がったんだけどね。とはいえ、そのために3か月も費やしたし、精神的にもしんどかった。まったく、こんな保険システム、冗談じゃないわよ!

でも、一件一件こういう不正がないかチェックしていたら、それこそ莫大な時間と金がかかってしまうだろう。結局そのための費用は保険料に上乗せされ、俺たち保険加入者が負担することになるんだぜ?
「不正がないか一つ一つチェックしていたら莫大な金がかかってしまう」って、反吐が出るよ。そんな「いかにも正当」な言い訳が、あらゆる詐欺へのドアを開いてしまうんだ。
百歩譲って、記事の件が本当に「ただの間違い」だったとしよう。そして、そんな「ただの間違い」が、たまに起こってしまうのもわかる。でも、じゃあなんで、「間違って」低すぎる請求を出してしまったって話がひとつもないんだろう?「間違って」高すぎる請求を出したって話ばっかりじゃないか!
絶対に、これを「ただの間違い」として見過ごしてはいけない。 検察がすでに動き出していることを、切に願うよ!
うちの息子が、頭に怪我をしたので一応病院で診てもらったんだが、「特別な治療は何もしないで、まずは経過をみよう」と言われて、夕方18時から翌朝まで入院したんだ。突然の入院ということで夕食に間に合わず、息子は妻が外から買ってきたものを食べた。

なのに、たったそれだけのことで14,000フラン(150万円)の請求書が来たんだ!驚いて問い合わせると、「新しい料金設定です」だとさ。たった1晩、治療も食事もなく病院のベッドを使っただけで、俺の給料2か月分だぞ!

私も追加保険の加入者で、毎月すごい保険料を払ってるけど、それでも、万が一の時に手厚い処置を受けられ、快適に過ごせるようにって思って納得して払ってた。なのに、先日の手術後「残念ながら個室が一つも開いていません」って言われて、2人部屋に入れられた上、請求書では満額取ろうとしてたのよ。

そんなのおかしいと自分から動いたけど、やっぱり「間違いだった」で済ませられてしまったわ。自分の経験からいっても、記事の件は、ぜったいに故意にやってることだと思う。

俺は病院で鼻腔手術を受けた。請求は16,000フラン(170万円)。何かおかしいと思って自分で詳細に調べた結果、投与剤の本数が100倍も多く水増しして請求されていたんだ!使った投与剤なんて実際はたった1本だった。まったく馬鹿にしやがって!
これってまさに 「法の目をすり抜ける、捕まらない犯罪」だよな。

こうした声を聞くと、市場解放された医療の恐い一面が見えてくる。誰もがその貧富に関わりなく平等に、保険でカバーされた高度な医療サービスを享受できる日本にいられることは、とても幸せなことなのかもしれない。

(参考)http://www.tagesanzeiger.ch/schweiz/
standard/Eine-kuenstliche-Beatmung-
nobrfuer-46-704-Frankennobr/story/12261158

悪意がないなら間違えてもそれほど問題ない敵な考えが、どうも納得いかない。このちょっとした間違いで、10,000倍も高く請求されたら詐欺と言われても仕方ないと思う。

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コメント一覧
  1. 日本の名無しさん
    2014年12月1日 10:57 AM

    怖い
    良く年寄りが、定年になったらスイスに住みたいと言ってるけど、病院通ったら破産しちまう
    よーく調べないといけないね

  2. 日本の名無しさん
    2014年12月1日 2:51 PM

    そもそも年寄りになってから海外生活と言うのが無謀そのものだね。
    それにしても、この詐欺行為を全く取り締まらないスイスの状況は驚いた。

  3. 日本の名無しさん
    2014年12月2日 2:29 AM

    日本人はスイスをわりと理想の国のように考えてる人が多いようにおもうが、こういうのを見ると実際はいろいろと問題ありそうだね。

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