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2010年、ウズベキスタンのある町で18歳の少年が「路上けんか」の疑いをかけられ、逮捕され拘禁されました。事件を裏付けるためには必ず“目撃証人”が必要なことは周知の事実。
しかしこの事件を証言できる人はいませんでした。ここで何が起こったかというと、警察は窒息させるのを装ってガスマスクを使い、「もう一人の少年が現場にいた」と証言する自白書への署名を強要したのです。
驚くかもしれませんが、これはウズベキスタンで行われている“尋問”のほんの一ケースにすぎません。
政府は拷問を撤廃することを約束しましたが、守られていないのが現状です。隣国アフガニスタンがいつも世界から注目を浴びるため、ウズベキスタンの人権問題はあまり表に出ることはありません。しかしひどい人権侵害が起こっているのです。
理由の一つに挙げられるのが、宗教に「過激」なこと。つまり国教以外を信仰する場合がこれに当てはまります。他には、政治に意見することで国から「スパイ容疑」がかけられ拘禁されるというケースもあります。
電気ショックや疑似窒息といった拷問方法はごく当たり前に行われています。煮えたぎる湯を浴びせる、ゴム製の警棒で殴る、手首や足首を縛ってぶら下げる、性的暴行を加えるなど、私たちにとっては想像するだけで恐ろしいこのような方法で、いわば“尋問”が行われているのです。
弁護士に至っては、政府から独立した発言により弁護士の資格が剥奪されることも日常茶飯事です。
法関係者を対象に政府が行ったキャンペーン(独立した弁護士会を廃止するため)では、全ての弁護士にもう一度司法試験を受験することが義務づけられました。
結果はというと、経験豊かな弁護士が全て「落ち」、後輩の新人たちが高得点で「合格」するという、なんとも政府にとって都合のいい風に操られてしまったのです。
この人権問題の解決には、米国や欧州など世界各国からの力が必要なのは明らかですが、アフガニスタンの隣国ゆえにウズベキスタンは彼らにとって重要地点で“敵には回したくない”ので、見て見ないふり、制裁を軟化するなどしています。
驚くことに、警察に“ノルマ”をクリアすることが求められているので、容疑者に自白させるためにはどんな手段をとっても構わないというわけです。それによって人権を無視したこのような残忍な取り調べが平気で行われています。
このウズベキスタンの現状について、世界の反応を見てみましょう。
ウズベキスタンの人権を全く無視したこのような制度に、世界中から批判の声が上がっています。自国の利益、国家間の利益を脇に置いて、一人の人としての人権を尊重することがこの問題の解決につながりそうです。
時間がかかったとしても、確実に少しずつこの状況が改善され、少なくとも自分を自由に表現できる環境がウズベキスタンに整うことを、私たち日本人も心から願いたいですね。
ウズベキスタンもこんな国だったとは初めて知った。
司法試験の結果までが政府の都合のいいように操作されているなんて、国民は何を信じたらよいかわからなくなってしまう。