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世界には様々なお正月の祝い方がありますが、東ヨーロッパの国ルーマニアでもかなり変わった新年のお祝いをしています。
ルーマニアではクリスマスから年始にかけて、熊の顔がついた毛皮を身にまとった人たちが街中を練り歩きます。カラフルな民族衣装の人たちと一緒に、大人も子供も熊の格好をして行列をなす様子はまるでおとぎの国のようです。
出典:http://www.dianazeynebalhindawi.com/bear-dance-romania/
除夜の鐘つき、年越しそば、そして初詣は、日本特有のお正月の習慣ですよね。私たちにとっては当たり前ですが、海外に行くとこれらは珍しい習慣だと思われます。このように世界各国のお正月の祝い方は本当にさまざまです。
東ヨーロッパのルーマニアでも面白くまた驚くべきお正月の習慣があります。毎年クリスマスの時期になると、「クマの踊り(Bear Dance)」という伝統舞踊が行列を作って披露されます。
クマの着ぐるみをまとった男性や子供たちが、歌や踊りを披露しながら街を練り歩き、悪い物を追い払って新しく迎える年を祝福します。
熊の着ぐるみはルーマニア北部のバカウという地域で狩猟された本物の熊の毛皮で作られています。本物の毛皮を使っているだけあって、本物の熊が集まって踊っているようで、非常に不思議な光景です。
出典:http://www.abc.net.au/news/2013-12-31/dancers-from-romania-moldova-perform-the-bear-dance/5180414
パレードの行列は、先頭に立つ熊使いの後に音楽隊、そして熊の集団と続きます。熊の毛皮は赤い飾り房、鏡や金のビーズなどで飾られ、熊使いに先導されて行進します。
熊たちはスティックで円を描き、熊の死と復活を表現したダンスを披露します。このダンスは熊が厳しい冬を乗り越え、春の訪れを告げるという季節のつながりを意味しているそうです。鳴り物を鳴らしながら歩く熊のパレードは迫力満点です。
熊のご一行は時々地下鉄にも現れることがあるとか。パフォーマンスの場所を移動するために地下鉄に乗るのですが、地下鉄構内では鳴り物は使わず他の乗客と同じように静かに移動しているようです。
「クマの踊り」は、キリスト誕生以前からこの地域に伝来する太古の伝統舞踊で、死者の一時的な帰還を祝うために行われています。伝統舞踊の中では、いろいろな種類の動物の仮面をかぶり、馬や山羊、熊などの動きをまねて踊ります。
動物の中でも熊は、家や農場から悪魔を追い払い、よい1年を祝福する神聖な動物だと信じられています。この熊を特別視する習慣は、かつてジプシーが飼いならした熊を連れて芸をさせて村を回った名残ともいわれています。
もともとは、小熊に人の背中を踏ませて痛みを和らげる習慣があったため、ジプシーは小熊を商売道具として売っていました。しかし一度成長すると同じ目的では使えなくなったため、熊に踊り仕込んで芸をさせるようになりました。
これがクマの踊りの由来とされています。また、生まれたばかりの子供に熊の脂肪を塗ると元気で運に恵まれて育つという言い伝えもあるそうです。
「クマの踊り」は、現在では街でのパレードがメインとなっていますが、本来の伝統では行列は地域の家やお店を目指して複数の村を巡り、クリスマスキャロル隊のように劇や歌や踊りを披露して食べ物やお金を寄付してもらっていました。
地方ではまだこの習慣が残っているところも一部あります。都市部では、パレードが通ると人々は窓からおひねりを落とし、回収役の人がそれを拾って行列と一緒に街をまわります。
ルーマニアの経済危機と高い失業率によって、一時はこの伝統が消滅する危機もありました。
しかし、パレードを主宰する地方政府と伝統を大切にする人々の努力によってこの「クマの踊り」は、現在でもクリスマスイブから公現祭までの間を中心に、ルーマニアやバルカン半島諸国で続けられています。
2013年からはユネスコの無形文化遺産への登録を目指して活動しています。
出典:http://mashable.com/2014/12/25/romanian-children-bear-skin/
このように世界には変わったお正月の祝い方はありますが、同じ「被り物系」ではスイスのもみの木の行列も有名です。
ルーマニアの熊と同じように、もみの木をまとった人が歌ったり踊ったりしながら一年の幸せを祝うそうです。本物の木が歩く姿はまるで映画に出てきそうな光景です。
熊の格好をして街を練り歩くという珍しいお正月の祝い方、世界の人たちはどう思っているのでしょうか。
動物愛護の観点から本物の毛皮を使うのはどうか・・・というコメントも一部ありますが、この伝統はやはり世界の人から見てもかなり変わっているようですね。
本物の熊の毛皮を着た人たちが踊って歌っている様子は写真を見るだけでもまさに圧巻です。ルーマニアに行ったらぜひ一度見る価値はあるのではないでしょうか。
日本にはここまでリアルに動物を表現したものはありませんが、クマの踊りに相当するものとして獅子舞が挙げられると思います。
正月やお祭りの時に、獅子の頭を頭にかぶって祭囃子に合わせて舞う民俗芸能は、疫病退治や悪魔払いをするものとして広く信じられています。
昔から続いている日本の伝統文化ですが、クマの踊りと同様にその伝統は少しずつ薄れているように感じます。
現在はスマートフォンなどで誰もが簡単に世界中の音楽が楽しめるようになっており、このような伝統芸能に対する興味や関心が薄れてきてしまっています。若い人たちの間では獅子舞を見たことがないという人も少なくありません。
日本人として自国の文化を知らないというのはとても寂しいことだと感じます。便利なものは活用しながらも、日本の伝統は大切にし、未来へつなげていきたいものですね。
(参考)http://www.afpbb.com/articles/-/2917952?pid=
http://mashable.com/2014/12/25/romanian-children-bear-skin/
http://cni.nt.edu.ro/lituania/files/essay/en/Roberta_Ghiata_The_Bear.pdf
http://ireport.cnn.com/docs/DOC-905486
http://www.dianazeynebalhindawi.com/bear-dance-romania/
http://iroha-japan.net/iroha/C03_show/07_shishimai.html
熊がリアルすぎて、夜この熊にあったら本物と間違えちゃうと思う。熊に入っている人がみんな若者そうだけど、そういう役回りなのかな?ルーマニアの情報なんてなかなか入ってこないので、こんな楽しい祭りがあると知れて良かった。
イヨマンテの夜って知ってる?
アイヌの儀式なんだけど、関係あるかもね
まあ、イオマンテは熊を頃すんだけども…
ルーマニアは欧州最後の秘境と呼ばれていて民俗学的にも興味深い文化がたくさんある国
共産主義時代に随分と失われたらしいけど、残っているものだけでもしっかり保存していってほしい
熊の知能は高いのに!私達の友達なのに!ああなんて残酷なの!!
って早く言えよ
自分の国の正月の祝い方と、全然違う!!
熊の行列は怖いけど、面白い!