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インドネシアのバリ島には変わった祝日があります。1日外にでることも、働くことも、灯りをつけることも禁止されてしまうのです。これはバリ島におけるヒンドゥー教の宗教行事で「ニュピ」といい、新年を迎える儀式として行われます。
ニュピの日は電気、火の使用、そして外出が禁止されます。もちろん働きに行くこともできないので、ニュピの日は島から人の姿が一斉に消えてしまいます。
世界の国々には独自の祝日があります。私たち日本人には当たり前の「敬老の日」も、実は世界的に見たらとても珍しい習慣だそうです。
日本人の間で人気のリゾート地、インドネシアのバリでもかなり変わった休日があるのを知っていましたか?
「ニュピ(Nyepi)」と呼ばれる祝日は、バリ島の大部分を占めるヒンドゥー教の宗教行事で新年にあたります。
新年といえば、欧米の国ではカウントダウンや花火などで賑やかに迎えることが多いですが、バリ島での新年はその逆で、静かに新年を迎えなければなりません。
驚くべきことに、ニュピ当日は外出すること、働くこと、灯火の使用、そして殺生することが禁じられます。そのため、この日は1日静かに瞑想し世の中の平和を神に祈ります。
ニュピは、太陰太陽暦であるサカ暦に沿って行われるため、年によって実施される日が違いますが、毎年3〜4月に行われています。2015年のニュピは3月21日(土)でした。
ニュピの行事は当日だけでなく数週間前から始まります。ニュピが近づいてくると、各家庭ではまず特別なお供え作りが始まります。
二日前になると、各村の寺院に安置されているご神体を寺院から出し、村人と一緒に海や川、湖などに向かいます。そこで、ご神体をお清めするムラスティという行事が行われます。お清めの後、ご神体はもとの寺院に戻されます。
ニュピの前日は月がでないティルム(暗月)の日で、冥界のヤマ神が大掃除をするので、悪霊プト・カロが地界を追い出され地上に這い上がってくると言われています。
そのため、各家庭では鍋釜を打ち鳴らし、家に入り込んだ悪霊を追い出します。村ごとにオゴオゴと呼ばれる鬼の張りぼてを作り、パレードのように村を練り歩きます。
各家庭から追い出された悪霊がこのオゴオゴに乗り移ると考えられており、最後にこのオゴオゴは焼かれてしまいます。焼いてしまうことで悪霊も追い払い、村全体が清められ翌日のニュピに備えるのです。
出典:http://www.baliaround.com/nyepi-day-silence-and-demons-of-the-balinese-new-year/
出典:http://www.itsbohemian.com/evil-spirits-bali/
夜が明けるとニュピ本番、静寂の1日が始まります。街は静まり返り、人々は通常の生活を離れ家にこもって1日を過ごします。
普段は街の安全を監視している警備の人たちのみ外出を許されており、ニュピの日に禁止されている行動を見張る役割を担っています。
禁止されているのは主に次の4つ・・・灯火の使用の禁止、労働の禁止、外出の禁止、食事や娯楽の禁止です。
村から車やバイクそして人も消え、室内でのテレビやラジオの使用も禁じられるため、聞こえるのは犬や虫の鳴き声のみ。
こうすることで、悪霊のプト・カロは「バリ島には誰もいないんだ」と勘違いをして、また冥界に戻っていくと考えられています。人々は欲望や願望を捨て、静寂な時の中で悪霊が去るのを瞑想して待ちながら、新たな1年を迎えます。
出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Nyepi
ニュピの日は月も出ていなく、街灯も家の電気も最低限に抑えられ外に漏らさないようにされているため、とにかく外は真っ暗です。
日本にいると山奥にでもいない限り完全な「闇」を経験することは難しいですよね。この真っ暗な夜に外に出てみると、満天の星空が広がっていて、天の川も見ることもできるそうです。
出典:http://balidept.blog110.fc2.com/blog-entry-247.html
ニュピの4つの禁止事項(外出、労働、灯火使用、殺生の禁止)は、バリのヒンドゥー教徒だけでなく、バリ島にいるすべての人々、外国人観光客も対象となります。
そのため、飛行機もトランジットや緊急以外はすべて欠航になります。空港が閉鎖されるのでバリ島への行き来もできません。
ホテルなどの宿泊施設から外に出られず、レストランやスパ、アクティブもお休みとなります。施設内であればプールで遊んだり、食事をしたりすることはできますが、部屋の外に音や明かりが漏れないようにしなくてはなりません。
ただし、緊急搬送や出産の場合は例外だそうです。もしニュピの日にバリ島に滞在することになったら、「郷に入れば郷に従え」ということで、ホテル内でのんびり過ごすのもいいかもしれません。
バリを訪れる外国人は非常に多いですが、このニュピの行事をどのように感じているのでしょうか。
ニュピは世界の多くの人にとっても興味深く、魅力的な習慣と思われているようです。日々の仕事や人間関係、そして街の喧騒に埋もれていると、このような1日何もしない静寂な日というのは必要に感じるのかもしれません。
日本各地でも100万人のキャンドルナイトのように、自分を見つめ直し、持続可能な環境社会のことを改めて考えるためのイベントが行われています。
「もの」であふれた現代社会こそ、このようなイベントが必要とされてきているのではないでしょうか。
バリ島のニュピは本来宗教行事として行われていますが、私たちも改めて「本当に必要なものは何か」ということを考え直す機会としてニュピを少し取り入れてみてもいいかもしれませんね。
(参考)http://gathery.recruit-lifestyle.co.jp/article/1141681519399393501/
page_2#auto
http://www.balitouryokou.com/sightseen/column/nyepi.html
http://www.indo.com/culture/nyepi.html
http://www.bali.com/nyepi-day-of-silence.html
http://www.baliaround.com/nyepi-day-silence-and-demons-of-the-balinese-
new-year/
https://en.wikipedia.org/wiki/Nyepi
http://www.jakpost.travel/news/a-photo-story-nyepi-in-bali-uMnD7BHcTS
2Rwdrf.html
http://travelblog.astadala.com/the-bali-experience/5-things-might-know-
nyepi-bali/
バリにそんな休日があるなんて知らなかった。今でもやってるのかな?知らずに観光に行ったら観光客はラッキーだと思うのか、運が悪かったと思うのかどっちだろう?