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インドの政府機関のひとつである犯罪記録局の統計によると、2012年のインドでの自殺者は135,445人でした。10万人に11人が自殺をしている計算になり、1時間に15人、1日に371人が命を絶っているのです。
男女比で言うと、1日に371人の男性、242人の女性が自殺をしています。最も多いのが南インドのタミルナドゥ州(チェンナイが州都)で、次に西ベンガルが続きます。
自殺の理由として挙げられるのが主に家族間での問題で、平均して1日で84人が自殺をしています。
男性は社会的、経済的な事柄が自殺原因だとし、女性にとっては個人的な感情問題が挙げられています。よって、既婚者の自殺率が、男性では71.6%、女性では67.9%と大半を占めています。
自殺方法としては、首つりが37%、毒死が29.1%、そして8.4%が焼身自殺です。次に電車などの乗り物に飛び込む方法で命を絶っています。
私自身、インドに住んでいますが新聞でよく見かけるのは、やはりこの3つがほとんどです。
また、私の夫の出身地でもあるタミルナドゥ州がインド全自殺数の12.5%を占めるワーストだと言うのです。
詳細を見てみますと、主な自殺原因は「Love failure」、つまり恋愛での失敗ということですが、日本人だと「失恋で自殺?」とびっくりしてしまいそうです。
以前にもご紹介したように、お見合い結婚が8割以上を超えるインドですから、恋愛や結婚への価値観が私たちのそれとは全く異なります。
恋愛をしてしまい、それが叶えられなかった時の失望は、私たちの想像を遥かに超えるものなのでしょう。
また望まないお見合い結婚をした末に、結局満たされず、不倫関係にのめり込んでしまい、自殺となっているものタミルナドゥ州の特徴でした。
またもうひとつの自殺原因として、「Failure in Examination」試験での失敗が挙げられています。
インド人のお受験競争については別の記事で説明しますが、インドは完全に競争社会です。
小さい頃から、そのプレッシャーの中で子供たちは生きていると言っても過言ではありません。もちろんその、教育さえも受けられない状態の「Poverty」貧困や、「Illness」病を苦にして命を絶っているケースも目立ちます。
昨今、インドではIT方面での活躍が目立ち、エンジニアと言えばインドというイメージもあります。
一部のインド人が富を得ている一方で、農家などでは、政府のサポート体制が不十分で、借金をして農業を始めたものの、干ばつなどの気象被害で、農作物を作れず、借金も返せず、唯一農業をするための農地を返上する=仕事すらできない状態に陥り、自殺してしまうケースが増えています。
大きく分けてインドの自殺は「恋愛沙汰」「農家」「お受験戦争」の3つのキーワードが強く関係してきます。この状況を世界はどう見ているのでしょうか。
あの状況なら、試験に失敗して、世界が終ったって思ってしまうのも無理はないと思う。
インドでは教育が貧困から抜け出す唯一の方法なんです。だから受験失敗で自殺というまで追い込まれてしまうのは仕方がない。
インドでは幼少からの価値観の植え付けが日本のそれより遥かに徹底しており、勉強が全て1番を取ること認められ、他の事態を受け入れられない頭になっている傾向が強いです。
よって、受験にしても失敗してしまったら、事業がダメになってしまったら、本当に未来はないのです。それ以上考えられるマインドセットになっていないのです。
そういう観点から、わりと柔軟な思考の日本人にとって、挫折もひとつの糧と言われるのであると思います。
(参考)http://www.thehindu.com/news/national/india-saw-135445-suicides-last-year/article4849710.ece
日本も自殺が多いことが世界的にも有名だとテレビで見たが、インドもこれほど多いとは驚いた。
失恋や競争社会が主な自殺原因だと言うことですが、インド人の意外な一面が知れた記事でした。