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ジャイナ教、バラモン教、仏教、ヒンドゥー教など複数の宗教が存在するインドは伝統的な儀式や風習なども宗教によってさまざまですが、誰かの幸せを願うにはあまりに危険な儀式が習慣化されています。しかもその主役はまだ幼い子供たち。
インド南部にあるカルナータカ州で一年に一度、子供たちの幸福、健康、繁栄を願って行われる儀式では、ローブをまとった男性が幼児を9m下に向かって投げ落とします。異様な状況に怯え、泣き叫ぶ子供たちの姿はまるでホラー映画の一場面のような光景。
実際に見た権利団体が「野蛮」だとしてインド政府に儀式の禁止を要請するほど危険な儀式です。
儀式が始まったのは何世紀も前のことだと伝えられており、ヒンドゥー教とイスラム教によってインドの至るところで実施されているとのこと。
実際の儀式は真っ白なローブをまとった聖職者が寺院のテラス部分に立ち、幼児の両手両足を握り身体を揺すった上で地上に向かって落とします。
下では、地元住民たちが毛布など大きい布を広げ、トランポリンの要領で子供をキャッチ。問題なく着地すれば集まった観衆たちから大歓声が上がり、抱き上げられた子供は親の元へと返されます。儀式の対象は2歳未満の乳幼児。
子供たちはテラスの時点からすでに大泣き。お母さんやお父さんの腕の中に戻っても泣き止みません。9mの高さから下を見るのは大人でも楽しくありませんし、まして落下するとなると想像も難しいと思います。
実はこの儀式、2011年に一度禁止されているのです。しかしながら、宗教を重んじる住民たちが儀式を取りやめることはなく2012年には恒例行事として開催されました。
児童権利保護の国家委員会を代表し、ロブ・ベルマ氏は「とてもショックを受けている。
単に政府の仕事としてだけではない。この野蛮な儀式に携わっているすべての人々を教育しなければならない。寺院の司祭も地元住民も両方だ」とフラストレーションをあわらにしています。
一方で参加者たちは儀式に出席することが宗教的義務だと主張。「宗教の信仰心によって毎年多くの人々がこのセレモニーに集まっている」と語る人もいました。
儀式の際に子供たちが乱雑に扱われたり、ひどいことをされたりといったことはなく、ケガのないように進行されているようで、子供の安全性が確保されている点に注目する人や、他国や他宗教の文化に口を出すべきではないと言った意見も聞かれていますが、それでも見た目のショッキングさや子供への影響を考えて反対する人の方が多いように見受けられます。
下で広げられている毛布は隙間なく大人数で支えているし、毛布を持っているのは若い男性たちだから、子供が毛布を飛び出してセメントに落ちてしまうことはかなりありえないように見える。
落とす前に両手両足を持って揺すっているのも、まっすぐに落ちていけるようにという配慮じゃないかしら。正しいことなのか間違ったことなのか、判断は人それぞれってことだと思うわ。
日本にも“なまはげ”や節分の鬼など子供を怖がらせる伝統的な儀式がありますが、子供の命を危険に晒すものではありません。いくら幸せや健康を願うこととはいえ、宗教的な意味合いを取り除けば、一歩間違えば子供を死なせてしまうかもしれない儀式に参加させたい親も参加したい子供もいないはずです。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/news/article-2126845/
Baby-tossing-ritual-Karnataka-India-Priests-
hurl-children-30ft-good-luck.html
http://www.odditycentral.com/news/indias-controversial-
baby-dropping-ritual-is-back.html#more-29253
いくら宗教の伝統行事だとしてもこの儀式は誰得か全く理解できない。一度禁止されて復活するあたりが、日本人として到底理解できない海外の価値観だと思う。こんな文化を持っているのは世界中でも一部だと思うけど、こんな国に生まれなくて良かった。