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意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、フランスは多民族国家。いろいろな文化的バックグラウンドを持つ人々によって構成されています。
でも、多様性は文化を豊かにしますが、複雑にもします。なぜなら違った文化(宗教、思想、習慣など)を持った人々が共存することは簡単なことではなく、特に宗教のことが絡むとさらにややこしいことになりがちだからです。
ですから、思想、宗教、習慣の自由とその選択による不平等が行われないことを保証する政教分離(国家と宗教は分離されるべきと考える考え方)は、今のフランスにはなくてはならないものになっています。
政教分離と教育についてよりよく知るために、フランスの歴史を少しだけ紐解いてみましょう。
歴史上、フランスの歴代の国王は他の宗教を無理におさえつけキリスト教を公的な宗教とすることでカトリック教会での自らの優位な立場を見せつけ、市民を支配し、服従させる強い力を持っていることを見せつけようとしました。
しかし1789年にフランス革命が起き、宗教の自由と、国家とカトリック教会の分離の基盤が出来上がりました。
そして1881~1882年に施行された教育に関する法律、ジュール・フェリー法は、公教育の無償化、義務化、教会の支配・監督からの解放を実現しました。
1946年には憲法典の序文に公的な事柄と私的な活動の明確な線引きと、宗教的事柄についての国家の中立性が明記されました。
さらに教育分野に目を向けて話をすすめましょう。1905年の政教分離法の成立により、非宗教性の確立と宗教の私的な領域への制限が決定的なものとなり、20世紀の政教分離の論点はとりわけ教育分野、すなわち学校に限定されることになりました。
1989年、フランスのある中学校で「スカーフ事件」と呼ばれる事件が起こりました。ある一人のイスラム教の女子中学生がスカーフを被って登校し、それが原因で校門で追い返されたのです。
イスラム教の戒律では女性は人前で髪を露出してはならず、そのため外出の際、スカーフの着用が義務付けられています。
しかし、宗教的なシンボルを学校のような公共施設で身にまとうのは政教分離に違反するというのが学校側の見方で、この事件は当時フランスで大論争を引き起こしました。
このことがきっかけとなり、それ以降、学校での政教分離は新たな局面を迎え、2004年には政教分離の原則を守るため、特定の宗教を思い起こさせるような服装は生徒の学習を妨害するとして、法的にその着用が禁止されることとなりました。
フランスにとっての過去の脅威はドイツやカトリック教会でしたが、今日ではそれは中東やアフリカなどのジハーディストとなり、人々が平穏に暮らすための戦略として、国は危険な人物を一か所に集めて隔離する政策を取るようになりました。
こうして閉鎖的な政教分離思想が作り出されました。
はじめに書いたように、政教分離は本来、出生地、信仰する宗教、思想などにより区別されることなく等しく市民生活が送れることを保障するものでした。ですのでこの思想に基づけばどのような宗教を信仰しようが差別の対象にはなりません。
言い方を変えれば、政教分離思想はある特定の宗教だけが尊重されることなく、すべての宗教を平等に尊重されることを原則としています。
それが今のフランス社会では一部でそのことが間違って広まっていています。
例えば2014年に中学生を対象に行われた政教分離に関する調査では、「黒人と白人を差別しないこと」、「宗教や肌の色を理由に人を判断したり低く評価したりしないこと」、「公の場所では宗教に関する意見を押し隠すこと」などといった誤った回答が大多数を占めました。
ここで、改めて宗教、教育、政教分離に関するフランス人の意見に耳を傾けてみましょう。
当のフランス人の間でも政教分離については好意的な意見・批判的な意見が混じりあっており、一筋縄ではいかないようです。
フランスでは宗教問題がからむニュースを耳にしない週はないといったほうがいいぐらいです。単一民族国家である日本では考えられないほど、様々な宗教がらみの問題が勃発します。
学校に行くにも宗教的なシンボルを身に着けていないかどうかチェックしないといけないフランスの先生、子供たちは大変そうですね。
(参考)http://www.gouvernement.fr/sites/default/files/contenu/piece-
jointe/2014/07/note-d-orientation-la-laicite-aujourdhui_0.pdf
http://tempsreel.nouvelobs.com/brevet/20150625.OBS1568/brevet-la-
laicite-c-est-respecter-la-religion-chretienne.html
http://www.vie-publique.fr/decouverte-institutions/citoyen/enjeux/
citoyennete-democratie/quelle-laicite-aujourd-hui.html
http://www.francetvinfo.fr/societe/religion/laicite/la-france-va-t-elle-trop-
loin-avec-la-laicite_872253.html
http://www.lefigaro.fr/actualite-france/2015/03/13/01016-20150313
ARTFIG00007-laicite-une-proposition-de-loi-qui-heurte-les-religions.php
フランスでイスラムの過激派が爆弾使ってニュースになっていたので、他のEU諸国より宗教間の争いが大きな国なのかなって思ってしまった。イスラムの割合が大きいのか何かわからないけど、これを教訓に日本が同じようにならないよう祈りたい。
いいかげんサイト名変えれば?
外から来た人たち、イスラム系の難民や移民はもっと分かってないだろうからこれからさらに問題起きそうね。変な政党出てきたりしないのかな?
フランス国内あちこち旅したけど中東系も、フランス語圏の北アフリカ(黒人ではない)やアフリカ系の黒人を中心とした移民が圧倒的に多い。
アフリカ系の黒人の方がこちらが丁寧な聞き方をすれば親切に道を教えてくれたり中東系よりはいい人多かった。
中東系はフランスで育った10代とかならいいんだろうけど、思春期をフランスで育たなかった移民、女なんか道聞いても無視するし感じが悪い。私は黒人よりムスリムの方が嫌だな。東南アジアのムスリムはまだ穏やかな方なので大丈夫だけど。
人の国きて問題起こすとかやめて欲しいわ。
宗教がどうたら以前に、、人としてね。
その「政教分離」という各宗教の妥協点そのものを原理的に否定するからね、ムスリムは。
つか、宗教というよりも生活規範であり道徳そのもの、近代法と相容れないんだから。
(解釈をゆるくして折り合いを付ける向きもないではないが)