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ラテンを感じる陽気なスペインは観光大国。
太陽と明るい人々、ビーチとスペイン料理を求めて世界各国から観光客がやってきます。
2013年の外国人観光客数はなんと6000万人にも及び、2008年からの大不況に苦しむスペインに恩恵を与えました。また2014年には昨年の記録を上回る海外からの観光を目的としたビジターが予想されています。
そんなスペインのイメージを貶めているのはこの国のスリ等の軽犯罪の多さ。
古典文学の名作「ラサリージョ・デ・トルメス」にも描かれたように、スペイン人の意識の中には「法を欺いて得をする」ということは日本ほどいけないことだという意識が無く、また「不法収入」というものへの憧れも日本人の比ではありません。
そういう背景と近年の不況もあり、罪のない人々を狙った窃盗は後を絶たないのです。最近の調査によれば首都のマドリードではなんと2000人のスリがチャンスを狙っているのだとか。
またバルセロナの地下鉄では150人以上のスリが活動しているそうですが、この数字は警察によれば「素晴らしい結果、劇的に少なくなった」ということで、感覚の違いに驚きます。
スペインの街に住んでいるとかなりの頻度で道に落ちているカバンを見かけますが、これは盗まれたカバンで財布や金目のものを抜き取った後ゴミ箱や道端に放置されたものなのです。
スリの方法にも時代と共に移り変わる一種の傾向がありますが、近年よくある観光客を狙った盗みには次のようなものがあります。
犯人は地下鉄などで新聞を読みながら近づき、その新聞で被害者のカバンやポケットを隠しながら財布などを盗む。
エスカレーターや階段で歩行者の前後を犯人が2~3人で取り囲み、前方の人物が小銭やクレジットカード等を突然落として、歩行者が拾うのを手伝っているうちに財布などを盗む。
ケチャップなどを意図的に歩行者の衣服に付けて、歩行者に汚れがついていると指摘して犯人が汚れを拭き取るのを手伝っていると見せかけ財布を盗む。
人通りの少ない路上や建物の入り口で、背後から突然首を絞めて被害者が気絶している間に金品を盗む。
フレンドリーに近づき、信用を得てから睡眠薬入りの食べ物や飲み物をすすめ、気を失うと所持品を全て奪う。
観光地や空港などで警察官に扮した泥棒が外国人を呼び止めニセの警察手帳を見せて持ち物などのチェックをしている間に紙幣などを盗みます。
このような犯罪がまったく減らない原因の一つとしてスペインの警察の対応が挙げられます。
なんとスペインではスリのような軽犯罪は、窃盗額が400ユーロ(約5万6000円)以下であれば犯罪ではなく「過失」とされる為に、現行犯逮捕であっても刑務所に行くことは無くその場で解放されることもしばしばなのです。
そのような法律を完璧に知り、調子に乗ったスリはその後も同じ場所で盗難を繰り返すために警察は彼らと顔なじみのことも。
この現状に寄せられたスペインや海外からの声を集めてみました。
警察によればここ数年スリは集団やグループではなく2・3名のペアで盗みを働くことが多くなり摘発が難しくなってきているとのこと。
またバルセロナでは1日に300件以上ものスリによる被害の報告がされているとのことです。軽犯罪と言えども犯罪は犯罪、警察には市民や観光客の敵のスリたちを厳しく取り締まってほしいものです。
(参考)http://www.elmundo.es/madrid/2014/04/13/534af14cca47417d0f8b457d.html
http://ccaa.elpais.com/ccaa/2014/02/18/catalunya/1392751768_581850.html
http://www.larazon.es/detalle_hemeroteca/noticias/LA_RAZON_484511/383-mas-de-150-carteristas-actuan-cada-dia-en-el-metro-de-barcelona#.Ttt1CJcuHW2fIVh
旅行者を狙うのは外貨が欲しい政府としては大きなマイナス要因だと思う。
スペインの発展のためにも是非本気で対策してほしい!