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自衛隊と警察で演奏されている行進曲「陸軍分列行進曲」はフランス人のシャルル・ルルーによって日本で作曲されました。
彼自身は海外ではほとんど知られていません。しかし、彼の曲は今でも日本を象徴する曲として海外から高い評価を受けています。
「陸軍分列行進曲」は「軍艦行進曲」と並ぶ日本を代表する行進曲です。この行進曲は大日本帝国陸軍時代の曲ですが、現在でも陸上自衛隊や警察でも盛んに演奏されています。
1886年にフランス人のお雇い外国人のシャルル・ルルーが作曲しました。この行進曲はルルー作の「抜刀隊」と「扶桑歌」という2曲を編曲して作られています。
抜刀隊というのは西南戦争に政府軍として従軍した警視庁の白兵戦部隊の事です。このような事情で陸軍分列行進曲は陸上自衛隊と警察の両方で演奏されるのです。
曲はジョルジュ・ビゼー作曲の歌劇「カルメン」の旋律や伝統的な日本音楽の影響を受けていると言われています。転調が多いので、歌うのはちょっと難しいかも知れません。
江戸末期の開国以降、日本は西洋文明を積極的に取り入れます。明治政府は1871年(明治4年)に陸軍省と海軍省を設置し、同時に西洋式の軍楽隊も誕生させたのです。
それまで270年間も鎖国をしていたので、軍の創設は苦難の連続でした。1884年、政府はパリ国立高等音楽院でピアノを学び、フランス陸軍で軍楽隊長をしていたシャルル・ルルーを指導者として招聘します。
パリ国立高等音楽院は世界で最も歴史と伝統のある音楽高等教育機関で、世界中の音楽大学や音楽学校のモデルになっていると言われる名門です。
彼の日本の音楽発展に大きく貢献し、のちに「日本軍楽隊の父」と呼ばれるのです。政府は彼の功績に勲五等旭日章と勲四等瑞宝章を授与しています。
ユーチューブ上に公開されたルルー作曲の陸軍分列行進曲には、世界中から沢山のコメントが集まっています。
ルルーはフランスでもレジオンドヌール勲章(フランスの最高勲章)を受章していますが、現在のフランスでは忘れ去られた存在のようです。
インターネット百科事典のウィキペディアでルルーを紹介しているのは日本語と朝鮮語、ウクライナ語だけです。曲の評価はとても高いのに残念ですね。
ルルーは軍楽隊の育成だけでなく、西洋音楽の普及に努めると共に、日本の伝統的な音楽の研究も熱心に行ないました。自ら琴や三味線を買って習っていたそうです。根っからの音楽家だったのですね。
音階を西洋式の五線譜になおして、日本の曲の演奏法や海外への紹介したのです。彼は日本の国家「君が代」の編曲にも関わっています。
また、帰国後の1910年にはフランス初の日本音楽研究論文も発表しています。世界的には無名に近いルルーですが、せめて日本人は彼の功績を記憶しておきたいと思います。
(参考)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%
AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BC
「君が代」の編曲に関わっていたなんてかなり重要人物じゃないか。日本は自己主張が下手な国民性だけど、ルルーもその国民性が好きだったのかな?
まあ一部界隈では、シャルルルルーかサイレススズカかっていうくらいだしな。
陸軍分列行進曲格好いいよね
軍艦マーチより好き